FileMakerエンジニア
ホテルや宿泊施設の収益を大きく左右するのが、客室の料金設定です。
同じ部屋でも、売れ行きに応じて価格を上げ下げする「レベニューマネジメント」は、いまや業界の当たり前になりました。その判断のカギを握るのが、予約がどのくらいのペースで積み上がっているかという流れです。
ところが、この予約のペースは意外と見えにくいもの。
本記事では、FileMakerに蓄積された予約データから「ブッキングカーブ」を自動で描き出し、予約の勢いをひと目で把握できるようにした開発事例を、特定の施設に限らない一般的なホテル業界の話としてご紹介します。
目次
「今の予約ペース、早い?遅い?」が見えないという悩み
宿泊業界では、「直近の予約数が過去の同時期と比べて順調なのか、それともテコ入れが必要なのか」を瞬時に判断することが求められます。
しかし、従来の集計表やPMS(宿泊管理システム)の数字を追うだけでは、ペースの善し悪しを捉えるまでに時間がかかってしまいます。
そこでブリエがご提案したのが、FileMakerの予約データからブッキングカーブを自動で可視化する分析画面です。
ブッキングカーブとは、横軸に「宿泊日までの残り日数」、縦軸に「予約室数」をとり、予約がどう積み上がっていくかを表した曲線のこと。
画面ではホテル・対象期間・曜日を選んで「BCグラフ表示」を押すだけで、過去の平均的なペースを示す基準カーブと、今回の実績が1枚のグラフに重なって表示されます。
このグラフは、単に累計を見せるだけではありません。
1日ごとの予約数(単日)を棒グラフで、積み上がった累計を折れ線で、しかも「基準」と「実績」の両方を同時に描いています。
棒と折れ線で縦軸を分けた複合グラフになっているので、「どの時期に予約が動いたか」と「トータルでどれだけ積み上がったか」を一度に読み取れるのが特長です。
標準グラフでは描けない。Webビューアだから実現できた分析画面
実はこのグラフ、FileMakerの標準のグラフ機能だけで作るのは簡単ではありません。
棒と折れ線を組み合わせ、縦軸を2本持ち、120日分の目盛りに4系列を重ねるこうした作り込んだグラフは、標準機能の範囲を超えてきます。
そこでブリエでは、カレンダーの事例*と同じくFileMakerのWebビューアを活用しました。
グラフの描画そのものはWebの定番ライブラリ(Chart.js)に任せ、FileMaker側は予約データを集計してグラフに渡すだけ。
こうすることで見た目・軸・系列を自由に設計でき、「現場が本当に見たいグラフ」をそのまま形にできます。
裏側では、数千件にのぼる予約データを「宿泊日までの残り日数」ごとに集計し直し、グラフ用のデータに整えています。
ユーザーはその複雑さを意識することなく、ボタン一つで最新のブッキングカーブを呼び出せます。
日々更新される生きた予約データが、そのまま判断材料に変わります。
まとめ
勘と経験だけに頼っていた料金判断を、データにもとづく判断へ。
ブッキングカーブのように予約の“流れ”を可視化できれば、値付けや販促のタイミングは一段とシャープになります。
FileMakerに蓄積された予約データは、見せ方ひとつで強力な経営の武器に変わります。
株式会社ブリエでは、お客様の業務や現場の判断フローに合わせた、FileMakerのカスタマイズ開発を得意としています。
「蓄積したデータを活かしきれていない」「見たいグラフが標準機能では作れない」そんなお悩みも、設計からご提案いたします。
様々な業種での経験を活かし、現在はFileMakerを中心に活躍しているエンジニアです。幅広い分野で培った柔軟な発想力と多角的な視点を強みとし、プログラマーとして日々取り組んでいます。明るく親しみやすい性格でコミュニケーション力にも自信があり、人とのつながりを大切にしながら、周囲への貢献をやりがいとしています。持ち前の明るさと粘り強さで、新しい価値の創出に努めています。









