FileMakerエンジニア
紙やExcelで現場を回しているが、社内にシステムを作れる人がいない。 だからシステム開発はほぼ丸投げで外注したいけれど、見当外れな物が出てきたら——。 こうした不安から、業務システムの導入に踏み切れずにいませんか? 結論から言うと、外注・丸投げは「任せ方」を押さえれば失敗しません。 本記事では、その不安の正体と、丸投げでも成功させる進め方を、1日12〜13現場の紙日報に悩んでいた土木工事会社の導入事例とともに解説します。
- システム開発を外注・丸投げする際に、担当者が抱く不安の正体
- 丸投げでも失敗しないための、任せ方と進め方
- 開発会社との役割分担とコミュニケーションの取り方
- ほぼ丸投げから業務システムを導入し、転記作業を約70%削減した土木工事会社の事例
目次
「システム開発を外注したいが、丸投げが不安」という声
自社の業務に合った仕組みが欲しいものの、社内に開発できる人材がいない。 そこで外部の開発会社への外注を検討するわけですが、いざ依頼しようとすると、次のような不安が出てきます。
外注・丸投げでよく聞かれる不安
・要件をうまく言葉にできず、思っていた物と違う物が出てくるのではないか
・丸投げした結果、費用が想定よりふくらむのではないか
・専門用語ばかりで話についていけず、結局すべて任せきりになるのではないか
・完成後に「使いにくい」となっても、もう直せないのではないか
これらはどれも、もっともな不安です。 ただ、こうした不安は任せ方と進め方の工夫で、ほぼ解消できます。 実際に「ほぼ丸投げ」から成功した事例を見てみましょう。
結論:丸投げは「任せ方」を間違えなければ成功する
まず誤解を解いておきたいのが、「丸投げ=放置」ではないという点です。 ここで言う良い丸投げとは、「完成形の設計や技術的な実現方法は開発会社に任せ、自社は『困りごと』を伝えることと『判断』に集中する」という役割分担を指します。
逆に失敗する丸投げは、困りごとすら伝えず、出てきた物を確認もしない状態です。 この違いさえ押さえれば、社内に専門家がいなくても、外注は十分に成功します。
【導入事例】ほぼ丸投げから始まった土木工事会社の業務システム開発
導入企業の概要
業種:土木工事業/規模:従業員 約50名/現場数:1日12〜13現場
既存運用:原価管理にパッケージシステムを利用。 日報は紙に手書きし、事務員がシステムへ手入力
このお客様は、現場作業員が紙の日報を手書きし、事務所へ戻って提出。 その後、事務員が内容をパッケージシステムへ手入力していました。 1日12〜13現場分の転記作業が毎日発生し、次のような問題を抱えていました。
導入前の課題
・紙からシステムへの転記に時間がかかり、残業の原因になっていた
・手入力による入力ミスや二重計上が発生していた
・事務作業が属人化し、担当者が休むと業務が止まりかねない
・原価や粗利がすぐに把握できず、請求漏れや支払い遅れの金銭リスクがあった
「システム化したいが、社内に詳しい人間がいない。 ほぼ丸投げになるが大丈夫か」。 株式会社ブリエへのご相談は、この一言から始まりました。 そして実際に、丸投げに近い形のまま、プロジェクトは成功しています。
丸投げでも成功した理由:困りごとのヒアリングから設計する
このお客様が細かい仕様書を用意したわけではありません。 成功したのは、次の進め方を取ったからです。
1. 業務棚卸し(困りごとのヒアリング)から要件を固める
株式会社ブリエは、いきなり開発から入りません。 まず現在の紙・Excel・既存システムの運用を一緒に整理し、どこで二重作業やミスが起きているかを明確にしました。 お客様の役割は、完成形を設計することではなく、現場の困りごとをそのまま話すことだけです。 完成形を考えるのは開発側の仕事です。
2. 現場が使える画面にする(入力動線の設計)
入力の手間が増えると運用は定着しません。 そこで現場作業員はスマートフォンから、プルダウン選択とフリック入力で日報を入力できるようにしました。 FileMaker(ファイルメーカー)で日報・原価・売上・請求のデータを連携させ、現場から事務、経営までの流れを一本につないでいます。
3. 開発中に画面レビューでズレを直す
「思っていた物と違う」を完成後ではなく開発中に防ぐため、開発途中で画面レビューを重ね、現場や事務の声を反映しながら調整しました。 これにより、丸投げにありがちな「出てきた物が的外れ」というリスクを抑えています。
開発の進め方と役割分担
「丸投げでも進む」体制とは、具体的にはこういう分担です。
| 株式会社ブリエが担当したこと | 業務棚卸しと要件定義/システム設計/FileMakerでの開発/画面レビュー/受入検証/導入後の保守・改善 |
|---|---|
| お客様にお願いしたこと | 現場の困りごとと業務の流れの共有/画面レビューでの確認とフィードバック/社内での運用判断 |
専門的な作業はすべて開発側が引き受けるため、お客様は現場の事情を教え、出てきた物の良し悪しを判断することに集中できました。 これが「良い丸投げ」の中身です。
コミュニケーションの取り方:認識のズレを防ぐ仕組み
丸投げで一番怖いのは、完成して初めて「思っていた物と違う」と気づく事態です。 株式会社ブリエでは、日々のやり取りと定例会議を組み合わせて、この認識のズレを防いでいます。
| 日常のやり取り | Chatworkを中心に進行。 質問や確認をその場で気軽に投げられるため、疑問を溜め込まずに解消できます |
|---|---|
| 定例ミーティング | 週単位または隔週でGoogle Meetの定例会議を実施。 画面を一緒に見ながら進捗と認識を合わせ、方向性のズレを早期に修正します |
専門用語ではなく業務の言葉で会話を進めるため、システムに詳しくない担当者でも判断に迷いません。 違和感を完成前に直せるので、ほぼ丸投げでも安心して任せられます。
プロジェクトの概要
| プロジェクト期間 | 要件定義と開発を並行して約8ヶ月、受入検証 約2ヶ月 |
|---|---|
| 体制 | 株式会社ブリエ側:PM・SEの2名/お客様側:社長、現場責任者1名、事務員2名 |
| 環境 | クラウドサーバー利用 |
導入後の効果
ほぼ丸投げで任せた結果、現場・事務・経営のそれぞれで変化が出ました。
現場・事務レベルでの変化
・事務員の転記作業が約70%削減
・入力ミスや二重計上など、人為的ミスが減少
・紙の日報が減り、紛失リスクや印刷コストも低減
・現場でそのまま日報を入力し、直帰できるように
経営レベルでの変化
・原価や粗利をリアルタイムに近い形で把握可能に
・請求漏れや支払い遅れといった金銭リスクを抑制
・締めを待たず、工事別の収支や未請求の兆候を早期に把握して判断できるように
▶ このシステムの中身(現場・事務・経営それぞれの機能)を詳しく知りたい方は、こちらの事例記事をご覧ください。
紙日報からWeb日報×FileMaker連携へ|土木工事会社の業務システム導入事例(詳細版)
まとめ:外注・丸投げを成功させるポイント
ここだけ押さえれば失敗しない
・完成形ではなく「困りごと」を伝える
・要件は業務棚卸しから開発会社と一緒に固める
・現場が使える入力動線で設計してもらう
・開発中の画面レビューで、完成前にズレを直す
社内に専門家がいなくても、これらを押さえれば外注は成功します。 「何から相談すれば良いか分からない」段階でも問題ありません。 困りごとをそのままお話しいただくところから始められます。
よくある質問
Q. 丸投げで発注しても大丈夫ですか?
A. 困りごとを共有し、開発中の画面を確認いただける関係であれば問題ありません。 設計や技術的な実現方法はすべて株式会社ブリエが引き受けます。 上記の土木工事会社も、ほぼ丸投げに近い形で成功しています。
Q. 要件が固まっていなくても依頼できますか?
A. 問題ありません。 株式会社ブリエは、現在の紙・Excel・既存システムの運用を整理する業務棚卸しから一緒に進めます。 仕様書は不要です。
Q. 費用はどのくらいかかりますか?
A. ご要件によって変わるため、一律の金額はお伝えしていません。 現状の運用を伺いながら、進め方の選択肢と費用感の目安まで含めて整理しますので、まずはお問い合わせください。
Q. 開発期間はどのくらいですか?
A. 規模によって異なります。 上記の土木工事会社では、要件定義と開発を並行して約8ヶ月、受入検証に約2ヶ月でした。 困っている業務に絞って小さく始める進め方も可能です。
業務システムの外注をご検討中の方へ
「丸投げになるが大丈夫か」という段階からのご相談を歓迎しています。 困りごとをそのままお聞かせください。 進め方の選択肢と費用感の目安まで含めて整理します。
お問い合わせはこちら
株式会社ブリエFileMakerエンジニア。今では開発に携わった件数も100件以上、建設業、造園業、設備業、土木業、引越業、運送業、製造業、幼稚園、保育園、サービス業、清掃業など様々な業種の開発を経験。どのような業務でもお客様と一緒に課題を考え、ベストな解決策をご提案します。キャンプとオムライスが好き。

-150x150.jpg)






