【システム事例】建設業・運送業の車両管理をFileMakerで一元化|ETC・燃料カード管理改善

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執筆者:波多江 克隆

FileMakerエンジニア

ETC・燃料カード明細の自動取り込みから月次集計まで、FileMakerで車両管理を一元化した画面イメージ

ETC(高速道路の自動料金収受システム)明細や燃料カードの利用データをExcelに手で転記する作業が毎月発生している。車両ごと・ドライバーごとの経費をまとめようとするとバラバラのファイルを参照しなければならない——。

そんな課題を抱えている建設業・運送業の担当者の方に向けて、FileMaker(ファイルメーカー)を活用した車両管理システムの仕組みと実現できる機能をご紹介します。

こんな企業におすすめ
  • ETCカード・燃料カードの明細をExcelに手入力している企業
  • 車両が増え、月末の経費集計に毎回時間がかかっている企業
  • 車検・免許の更新漏れを担当者の記憶に頼って管理している企業
  • 現場・案件ごとの燃料費・高速費が把握できていない企業
  • 既存の会計ソフトや給与システムとのデータ連携を効率化したい企業

1. 建設業・運送業の車両管理で発生する主な業務

建設業や運送業では、日々の運行に付随して多くの管理業務が発生します。主なものを整理すると以下のとおりです。

  • 車両ごとの走行距離・稼働時間の記録
  • ETCカードの利用履歴の収集と経費計上
  • 燃料カードの給油記録の収集と月次集計
  • 車検・法定点検・保険の期限管理
  • ドライバーの運転免許・乗務員証の有効期限管理
  • 日常点検記録・事故報告書の管理
  • 工事現場・配送ルートごとの車両割り当て管理

これらは互いに関連しているにもかかわらず、多くの現場ではそれぞれ別々のExcelファイルや紙台帳で管理されており、集計や確認に多大な工数がかかっています。

ETC明細・燃料カード・車検期限・免許期限がそれぞれ別々のExcelや紙で管理されており月末の転記集計に多くの時間がかかっている課題を図解したイメージ

2. 車両管理で担当者が抱えやすい課題

ETCカード・燃料カードの明細処理が手作業になっている

ETCカードや燃料カードの明細はカード会社のウェブサイトやCSV(表形式のデータファイル)で提供されますが、それを自社の車両台帳と照合して転記する作業は多くの場合、手作業で行われています。車両台数や利用明細が増えるほど、月末の照合・集計作業に多くの時間を要するようになります。

また、どの利用がどの工事現場・配送案件に対応するのかを紐付ける作業も、Excelでは限界が生じます。

よくある手作業の例
  • カード会社のサイトからPDF(電子文書ファイル)をダウンロードし、Excelに手打ち
  • 複数ドライバーの明細を一人の事務員が月末にまとめて処理
  • 現場コードとの紐付けは別ファイルを見ながら手動で入力
  • 集計ミスが起きても月をまたぐと追跡が困難

車検・免許の期限管理が属人化している

車検の期限や運転免許の有効期限は、担当者が個人のメモや手帳で管理していることが多く、担当者の異動や退職によって管理が途切れるリスクがあります。法令上、期限切れの車両を業務で運行することや、失効した免許でドライバーを乗務させることは重大な問題となるため、組織として確実に管理できる仕組みが必要です。

現場・案件ごとの車両コストが見えない

「A工事の燃料費がいくらかかったか」「B路線の走行コストはどのくらいか」を把握しようとすると、複数のExcelを横断しながら手動で集計する必要があります。そのため月次の原価管理が後手に回り、気づいた時には予算を大幅に超えていた、というケースも発生します。

3. 課題の解決方法と各アプローチの比較

車両管理の課題に対するアプローチは主に3種類に分けられます。それぞれのメリット・デメリットを整理します。

パッケージソフト Excelでの自作管理 FileMakerカスタム開発
初期コスト△ 中〜高○ 低△ 中
自社業務への適合度△ 標準機能のみ○ 柔軟に対応◎ 個別要件に対応しやすい
保守・更新の容易さ◎ ベンダー対応× 担当者依存○ 継続サポートあり
複数業務との連携△ 連携制限あり△ 設計・運用次第○〜◎ 連携仕様による
ETC・燃料CSV取込△ 製品による△ 工夫により対応可能◎ 自動化可能

車両台数が少なく管理項目も限定的ならExcel、標準的な車両管理機能で十分ならパッケージソフト、自社独自の案件管理や既存システムとの連携まで必要な場合はFileMakerによるカスタム開発が候補になります。

FileMakerによるカスタム開発は初期費用がかかるものの、自社の業務フローにそのままフィットするシステムを構築できる点が最大のメリットです。特に、自社独自の現場コードや案件番号との紐付けなど、標準的なパッケージでは業務に合わせにくい処理がある場合、FileMakerによるカスタム開発が選択肢になります。

4. FileMakerによる車両管理システムの実現イメージ

株式会社ブリエではFileMakerを使った車両管理システムの開発実績があります。主な機能として実現できることをご紹介します。

ETC・燃料カード明細の自動取り込みと紐付け

カード会社から発行されるCSVファイルをFileMakerに読み込むことで、利用日時・金額・利用箇所のデータを自動で取り込みます。取り込んだデータは車両マスタおよびドライバーマスタと紐付けられ、どの車両がいつどこで使ったかを一覧で確認できます。さらに現場コードや案件番号を紐付けることで、案件ごとの燃料費・高速費を即座に集計できます。

FileMaker Pro — 車両費用管理システム [ 明細一覧 ]
ホーム 車両マスタ ドライバー 明細一覧 月次レポート 期限管理
CSV取込 PDF出力
検索結果: 47件中 1〜20件を表示
対象月: 2026年5月
種別 車両 現場コード 期間
# 利用日 種別 車両番号 ドライバー 利用箇所 / 給油所 現場コード 金額(円) ステータス
1 2026/05/02 ETC 神奈川100あ1234 山田 太郎 東名 横浜IC → 厚木IC KC-2025-003 1,250 承認済
2 2026/05/02 燃料 神奈川200い5678 鈴木 一郎 ENEOS 厚木インター SS KC-2025-007 12,480 承認済
3 2026/05/04 ETC 品川33さ9012 田中 健二 首都高 用賀IC → 三軒茶屋 TK-2026-001 540 確認中
4 2026/05/07 燃料 神奈川100あ1234 山田 太郎 出光 相模原SS KC-2025-003 8,920 承認済
5 2026/05/09 ETC 神奈川200い5678 鈴木 一郎 圏央道 相模原IC → 海老名JCT KC-2025-007 820 承認済
6 2026/05/12 燃料 品川33さ9012 田中 健二 コスモ石油 世田谷SS 15,300 未紐付け
7 2026/05/14 ETC 神奈川100あ1234 山田 太郎 東名 海老名SA(ETC専用) KC-2025-003 980 承認済

車検・保険・免許の期限アラート管理

各車両の車検満了日・自賠責保険・任意保険の有効期限、およびドライバーの免許証有効期限をFileMakerで一元管理します。期限の一定日数前になると一覧画面でアラート表示がされる仕組みにより、更新漏れを防止できます。ドライバーが複数の車両を担当する場合や、車両ごとに異なる保険会社を使っている場合にも対応します。

FileMaker Pro — 車両費用管理システム [ 期限管理ダッシュボード ]
ホーム 車両マスタ ドライバー 明細一覧 月次レポート 期限管理
通知設定 PDF出力
期限切れ
2
即対応が必要
30日以内に期限
4
早急に手続きを
31〜90日以内
6
準備を開始
90日超 / 正常
23
問題なし
🚗 車両の期限一覧(車検・自賠責・任意保険)
車両番号 車種 担当ドライバー 車検満了日 残日数 自賠責満了日 任意保険満了日 状態
品川33さ9012 2tトラック 田中 健二 2026/05/20 期限切れ 2026/05/20 2026/11/15 要対応
神奈川100あ1234 4tトラック 山田 太郎 2026/07/08 あと 37日 2026/07/08 2027/01/20 30日以内
神奈川200い5678 平ボディ 鈴木 一郎 2026/09/22 あと 113日 2026/09/22 2026/12/01 正常
埼玉40む3344 ダンプ 佐々木 誠 2026/08/03 あと 63日 2026/08/03 2027/03/10 91日以内
👤 ドライバーの免許・資格期限一覧
氏名 所属 免許証番号(末4桁) 免許有効期限 残日数 フォークリフト 玉掛け 状態
田中 健二 第1営業所 ****2847 2026/05/15 期限切れ 有効 要対応
山田 太郎 第1営業所 ****1093 2026/07/02 あと 31日 有効 有効 30日以内
鈴木 一郎 第2営業所 ****5521 2028/03/15 あと 654日 有効 正常
佐々木 誠 第2営業所 ****7734 2027/01/28 あと 241日 有効 正常

月次レポートの自動出力

月末に行っていたExcel集計作業を、FileMaker上で自動化できます。車両別・案件別・ドライバー別の燃料費・ETC利用費を自動集計し、帳票レイアウトに沿ったPDF出力も可能です。会計ソフトへのCSVエクスポートも設定することで、経理業務との連携もスムーズになります。

導入後に期待できる効果

現場・事務レベルでの変化
  • 月末の転記・集計作業を大幅削減
  • 入力ミス・二重計上の防止
  • iPad・iPhoneなどのモバイル端末から現場で直接入力可能
  • 車検・免許の更新漏れによる運行リスクを低減
経営・管理レベルでの変化
  • 案件別・車両別のコストをリアルタイム把握
  • 経費の予実管理が月次で完結
  • 会計ソフトへのデータ連携で経理業務を効率化
  • 属人化した管理から組織的な管理へ移行
ETCカード・燃料カード・車検データ・免許期限がFileMakerに集約され月次レポートや会計ソフト連携へ出力されるシステム構成図

5. システム導入時の注意点と見落としがちなポイント

  • ETCカードや燃料カードの会社によってCSV形式が異なる

    ETCカードや燃料カードはカード会社によって明細CSV(表形式のデータファイル)の列構成が異なります。複数のカード会社を利用している場合は、それぞれの形式に対応した取り込み処理を設計する必要があります。導入前に利用しているカード会社とその明細形式を整理しておくと、開発をスムーズに進められます。
  • 既存の会計ソフトや給与システムとの連携範囲を決めておく

    車両管理システムで集計したコストデータを会計ソフトに連携する場合、どの単位でデータを渡すか(案件別か車両別かなど)を事前に決めておく必要があります。連携先のシステムによって対応可能なデータ形式が異なるため、導入前に確認しておくことをお勧めします。
  • 現場での入力負荷を考慮した設計が重要

    ドライバーや現場担当者がiPad・iPhoneからFileMaker Go を使って日常点検や走行記録を入力するケースでは、入力画面をシンプルに保つことが定着率に直結します。パソコン向けの管理画面と、モバイル向けの入力画面を分けて設計することで、現場での運用負担を最小化できます。

まとめ|FileMakerで車両管理・ETC・燃料カード管理を一元化

ETC明細・燃料カードの転記作業、車検・免許の期限管理、案件別コストの集計——これらをバラバラのExcelや紙台帳で管理することは、担当者の工数だけでなく、情報漏れや更新ミスのリスクにもつながります。

FileMakerによる車両管理システムは、特に次のような企業に適しています。

  • ETCカード、燃料カードの明細転記作業が月末の負担になっている
  • 車両、ドライバー、案件をまとめて一元管理したい
  • 既存の会計ソフトや工事管理システムとのデータ連携まで必要

反対に、車両台数が少なく管理項目も限定的な場合は、まずExcelやパッケージソフトから始める方が費用対効果が高いこともあります。自社にどのアプローチが合っているか迷う場合は、お気軽にご相談ください。

7. 株式会社ブリエができること

株式会社ブリエは、FileMakerを専門としたカスタムソフトウェア開発会社です。建設業・運送業をはじめとする様々な業種で、現場の業務フローに合わせたシステムを開発してきた実績があります。

車両管理システムについては、以下のような段階でのご相談に対応しています。

  • 現状の業務フローのヒアリングと課題整理(無料相談)
  • 要件定義、システム設計、開発、テスト、運用までの一貫対応
  • 既存のFileMakerシステムへの機能追加、改修
  • 導入後の保守、バージョンアップへの継続対応

「まずどこから手をつけていいかわからない」「Excelでの管理に限界を感じている」といった段階からのご相談も歓迎します。

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執筆者:波多江 克隆

株式会社ブリエFileMakerエンジニア。今では開発に携わった件数も150件以上、建設業、造園業、設備業、土木業、引越業、運送業、製造業、幼稚園、保育園、サービス業、清掃業など様々な業種の開発を経験。どのような業務でもお客様と一緒に課題を考え、ベストな解決策をご提案します。キャンプとサッカーとバレーボールが好き。

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・資料はすぐにメールで届きます
・1分でわかる株式会社ブリエの会社概要
・FileMaker開発の概算料金

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お問い合わせ・ご相談できること
・自社の業務の一元管理の進め方 / 改善について相談したい
・どのような機能が作れるのか知りたい
・自社に合う形で導入したときの料金を知りたい

【全国対応】株式会社ブリエは、企業の経営課題であるDX化、業務効率化、ペーパーレス化、情報の一元管理など、ビジネスニーズの変化に合わせてFileMakerで業務システムを開発し、柔軟に拡張して解決します。あらゆる業種や規模の企業、非営利団体、学校に固有の課題を解決するカスタムAppをご提案します。

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