FileMakerエンジニア
企業で利用するシステムは、導入して終わりではありません。
安定して使い続けるためには、不具合への対応やバージョンアップ、機能改善など、継続的な保守が必要です。
しかし、システムの内容を理解している担当者が限られていると、保守業務が属人化するケースも考えられます。
保守の属人化が進むと、担当者の退職や異動によって対応できる人がいなくなったり、トラブル発生時の復旧に時間がかかったりする可能性があります。
また、システムの改善が進まず、業務効率の低下につながるケースも少なくありません。
FileMaker(ファイルメーカー)を長期的に活用するためにも、特定の担当者に依存しない保守体制を構築し、継続的にシステムを改善できる環境を整えることが重要です。
本記事では、システム保守で属人化が起こる理由や問題点、FileMaker保守で属人化を防ぐ方法、保守会社を活用するメリットについて詳しく解説します。
目次
1. システム保守で属人化が起こる理由
システムを安定して運用するためには、継続的な保守が欠かせません。
一方で、保守業務にはシステムの仕様や過去の改修内容、実際の業務フローなど幅広い知識が求められるため、特定の担当者に依存しやすい傾向があります。
まずは、システム保守で属人化が起こる主な理由を見ていきましょう。
1.1. 保守を担当できる人が限られているから
システム保守には、システムそのものに関する知識だけでなく、社内の業務フローや運用ルールへの理解も必要です。
そのため、誰でもすぐに保守を担当できるとは限りません。
たとえば、システムを導入した社員がそのまま保守を担当し続けている場合、その担当者に知識やノウハウが集中することがあります。
「不具合が発生したら○○さんに聞く」「設定変更は○○さんしかできない」といった状態が続けば、保守の属人化が進みます。
担当者の経験だけに頼るのではなく、ほかの社員でも一定の対応ができる保守体制を整えることが大切です。
1.2. システムの仕様や改修履歴が共有されていないから
システムを長期間利用していると、業務の変化に合わせて機能追加や設定変更などが行われます。
しかし、変更した内容や理由が記録されていなければ、時間が経つほど現在の仕様を把握することが困難になります。
特に、担当者だけが改修内容を把握している状態では、別の社員が保守を引き継いでも「なぜこの設定になっているのか」「どの機能と関連しているのか」が分かりません。
システム仕様や改修履歴を記録し、組織内で共有できる状態にしておくことが属人化の防止につながります。
1.3. 開発会社との引き継ぎが十分に行われていないから
システムを開発した会社と保守を担当する会社が異なるケースもあります。
このとき、システムの仕様や設計意図、過去の改修履歴などが十分に引き継がれていなければ、保守を始める際にシステム全体を改めて調査しなければなりません。
また、開発会社から社内担当者へ保守を引き継ぐ場合も同様です。
資料が不足していたり、口頭での説明だけで引き継いだりすると、担当者本人しか理解できない情報が増え、結果として属人化を招きます。
開発から保守へ移行する段階で、必要な情報を整理して引き継ぐことが重要です。
1.4. 小さな改修の積み重ねで属人化が進むから
システムを運用していると、「入力項目を一つ追加したい」「帳票の表示を変更したい」など、小規模な改修が必要になることがあります。
一つひとつは小さな変更でも、記録を残さないまま改修を繰り返すと、導入当初とは大きく異なるシステムになるケースもあります。
さらに、改修した本人しか変更箇所を把握していない場合、時間が経つほど保守の属人化が進みます。
小規模な改修であっても、変更内容や目的を記録し、あとから確認できる状態にしておくことが大切です。
1.5. 保守体制を見直す機会が少ないから
日常的にシステムが問題なく動いていると、保守体制そのものを見直す機会は少なくなりがちです。
「今の担当者が対応できているから問題ない」と考え、属人化した状態がそのまま続くケースもあります。
しかし、担当者の異動や退職によって、これまでの保守体制を維持できなくなることもあります。
システム障害や大規模な改修が必要になってから保守体制の問題に気づいても、すぐに対応できるとは限りません。
問題が発生する前から定期的に保守体制を確認し、特定の担当者へ依存していないかを見直す必要があります。
2. システム保守の属人化で起こる問題
システム保守が属人化していても、担当者が問題なく対応できている間は、大きな課題を感じないかもしれません。
しかし、担当者の不在やシステム障害などをきっかけに、属人化による問題が表面化する場合があります。
ここからは、システム保守の属人化によって起こりやすい問題を解説します。
2.1. 担当者が不在になると保守できなくなる
保守業務を特定の担当者へ任せている場合、その担当者が不在になっただけでシステムに関する対応が止まってしまうことがあります。
- システムの設定を変更したいが、担当者が休んでいて対応できない
- 操作方法が分からないものの、質問できる人が社内にいない
- 担当者の異動が決まったが、システムについて説明できる後任者がいない
- 突然退職することになり、十分な引き継ぎ期間を確保できない
- 過去の改修内容について聞かれても、担当者以外は回答できない
受発注や売上管理、顧客管理など日常業務に利用しているシステムの場合、対応が遅れるだけでも現場へ影響が及ぶ可能性があります。
また、担当者が退職すると、その人が持っていた仕様や対応方法などのノウハウまで失われかねません。
「○○さんがいなければ分からない」という状態になっている場合は、早めに保守体制を見直すことが重要です。
2.2. システム障害への対応が遅れる
システム保守の属人化による影響が大きくなりやすいのが、突然トラブルが発生したときです。
- システムへログインできない
- 必要なデータが表示されない
- 帳票を出力できない
- 入力した情報が正しく反映されない
- 一部の端末だけシステムへ接続できない
システムの仕様を理解している担当者が不在であれば、原因の特定から始めなければならず、復旧までに時間がかかります。
受発注や顧客管理、請求管理などのシステムが停止すると、注文処理や問い合わせ対応、請求書発行など日常業務にも影響します。
トラブル時に迅速に対応できるよう、複数人や外部の保守会社が状況を把握できる体制を整えておくことが大切です。
2.3. バージョンアップや機能改善が進まない
システム保守が属人化していると、バージョンアップや機能改善も進めにくくなります。
- 現在のシステム構成を詳しく説明できる人がいない
- 変更すると既存の機能が動かなくなりそうで不安
- 過去の改修履歴が残っておらず影響範囲を確認できない
- 以前の開発担当者が退職しており、設計意図が分からない
- バージョンアップの検証まで行える人材がいない
影響範囲を判断できない状態では、「今動いているから触らない方がよい」と考え、更新を先送りにしがちです。
その結果、古いバージョンや利用環境を使い続けることになり、将来的に互換性やセキュリティ、安定運用の面で問題が生じる可能性があります。
2.4. 業務改善が停滞する
保守の属人化は、会社全体の業務改善を停滞させる原因にもなります。
- 同じ情報を何度も入力する作業をなくしたい
- Excelへ転記している作業を自動化したい
- 毎月手作業で作成している帳票を自動で出力したい
- 営業先からスマートフォンで情報を確認できるようにしたい
- 部署ごとに管理している情報を一つにまとめたい
システムを変更できる担当者が限られていると、日々の問い合わせやトラブル対応が優先され、改善作業は後回しになりがちです。
その結果、Excelへの転記や二重入力、手作業での集計など、非効率な業務が残り続ける可能性があります。
保守の属人化を防ぐことは、現場の要望をシステムへ反映し、継続的な業務改善を進めるうえでも重要です。
2.5. 保守コストや引き継ぎ負担が増加する
保守を一人の担当者へ任せていると、担当者の異動や退職をきっかけに、引き継ぎの負担やコストが一気に増えることがあります。
- 現在のシステム構成を一から確認する
- 過去にどのような改修をしたのか調査する
- 業務フローとシステムの関係を整理する
- 新しい担当者へ操作方法や保守方法を教育する
- 外部の保守会社へシステムの内容を説明する
- 不足しているマニュアルや設計資料を作成する
仕様書や改修履歴が残っていなければ、システムの調査や資料作成から始めなければならず、引き継ぎに時間と費用がかかります。
また、新しい担当者がシステムを理解するまで、通常業務と引き継ぎ業務を並行する必要があり、現場の負担も増加します。
日頃から情報を整理・共有しておくことが、将来的な保守コストや引き継ぎ負担の軽減につながります。
3. FileMaker保守で属人化を防ぐには?
FileMakerは、自社の業務に合わせて柔軟にシステムを構築・改善できるローコード開発プラットフォームです。
一方で、特定の担当者だけが開発や改修を続けると、保守に必要な知識が集中する可能性があります。
FileMakerを長期的に活用するためには、導入時から属人化を防ぐことを意識し、担当者が変わっても継続して保守できる体制を整えることが重要です。
3.1. 保守を見据えたシステム設計を行う
FileMakerでシステムを構築する際は、現在必要な機能だけでなく、導入後の保守まで考えて設計することが大切です。
複雑な構造や独自の運用ルールが増えすぎると、開発した担当者以外がシステムの内容を理解しにくくなり、保守の属人化につながります。
将来的な機能追加や担当者変更も想定し、第三者が見ても内容を把握しやすいシステムを構築しましょう。
- 分かりやすい設計や命名ルールを統一する
- 必要以上に複雑な構造にしない
- 将来的な機能追加や変更を想定して設計する
- 担当者以外でも内容を確認できる状態にする
- 保守や改修のしやすさまで考えて構築する
目の前の業務をシステム化することだけを優先するのではなく、導入後に「誰がどのように保守するのか」まで考えることが重要です。
3.2. システム仕様や改修履歴を文書化する
FileMakerの保守を属人化させないためには、システムに関する情報を担当者個人の知識だけにしないことが重要です。
システムの仕様や設定内容、運用ルールなどが文書化されていれば、担当者が変わった場合でも現在の状態を把握しやすくなります。
特に改修を行った際は、変更した内容だけでなく「なぜ変更したのか」まで残しておくことが大切です。
- システムの基本的な仕様を文書化する
- 運用ルールや操作方法を共有する
- 改修した日時を記録する
- 変更した機能や設定、改修理由を記録する
- 影響する機能や業務、対応した担当者を残す
文書化する項目や記録方法をあらかじめ決め、継続して情報を残すことで、保守に必要な知識を個人ではなく組織に蓄積できます。
3.3. 保守業務を複数人で共有する
一人の担当者だけがFileMakerの保守を行う状態は、属人化につながりやすくなります。
担当者が休職・異動・退職した場合でも保守を継続できるよう、可能な範囲で複数人がシステムについて把握できる体制を整えましょう。
すべての担当者がFileMakerの高度な開発スキルを身につける必要はありません。
担当する範囲を決め、それぞれが必要な情報を共有しておくことが重要です。
- システムの基本的な仕組みを複数人で共有する
- 日常的な操作や設定変更の方法を共有する
- トラブル発生時の対応手順を決めておく
- 担当者ごとの役割や対応範囲を明確にする
- 保守会社など外部の相談先も共有しておく
社内だけで複数人の体制を構築することが難しい場合は、FileMaker保守会社を含めて役割を分担することも選択肢の一つです。
3.4. 定期的に保守・運用体制を見直す
一度保守体制を構築しても、その状態が将来にわたって最適とは限りません。
業務内容や組織体制は時間とともに変化し、担当者の異動などによって、知らないうちに保守業務が特定の社員へ集中している場合があります。
そのため、システムだけでなく、保守・運用体制についても定期的な見直しが必要です。
- 特定の担当者だけに保守業務が集中していないか確認する
- 誰がどこまで対応できるのかを整理する
- 最新のシステム仕様や改修内容が共有されているか確認する
- マニュアルや運用ルールを最新の状態に更新する
- 現在の業務に合った運用方法になっているか確認する
定期的にシステムと保守体制の両方を確認し、必要に応じて改善することがFileMaker保守の属人化防止につながります。
3.5. FileMaker保守会社を活用する
社内だけでFileMakerの保守体制を構築することが難しい場合は、専門の保守会社を活用する方法があります。
FileMakerに関する知識を持つ保守会社と連携することで、社内の特定の担当者だけにシステムの知識や対応業務が集中する状態を防ぎやすくなります。
また、不具合への対応だけでなく、システムを長期的に活用するためのさまざまな支援を受けられます。
- システム障害や不具合について相談する
- バージョンアップの対応を依頼する
- 機能追加や改修について相談する
- システム仕様や改修履歴を共有する
- 現在の業務に合わせた運用改善について相談する
保守会社を活用する場合も、すべてを外部へ任せきりにするのではなく、社内担当者と保守会社の双方がシステムの状況を把握できる環境を整えることが大切です。
4. FileMaker保守会社を活用して属人化を防ぐメリット
FileMaker保守会社の活用は、単にトラブル対応を外部へ任せるためだけのものではありません。
社内担当者と保守会社が情報を共有しながら運用することで、保守の属人化を防ぎ、継続的にFileMakerを改善できる環境を整えられます。
ここでは、FileMaker保守会社を活用する主なメリットを紹介します。
4.1. 特定の担当者に依存しない保守体制を構築できる
保守会社を活用する大きなメリットは、社内の特定の担当者だけに依存しない体制を構築できることです。
社内担当者しかシステムを把握していない状態では、異動や退職によって保守が滞るリスクがあります。
外部の保守会社にもシステムの仕様や改修履歴を共有しておけば、社内担当者が変わった場合にもサポートを受けながら引き継ぎを進められます。
社内と社外の双方で保守できる環境を整えることが、FileMaker保守の属人化防止につながります。
4.2. トラブル発生時も迅速に対応できる
FileMakerを業務の中心で利用している場合、システム障害は日常業務に大きな影響を与えます。
専門知識を持つ保守会社と契約していれば、トラブルが発生した際に原因調査や復旧について相談できます。
自社だけで対応する場合よりも原因を切り分けやすく、復旧に向けた対応を進めやすくなるのは大きな魅力です。
特に、社内にFileMakerの専門知識を持つ社員がいない企業にとって、相談先をあらかじめ確保しておくことは安定運用につながります。
4.3. バージョンアップや改善提案を継続的に受けられる
FileMakerを長く利用するためには、利用環境に合わせたバージョンアップや機能改善も必要です。
保守会社へ継続的に相談できる環境があれば、現在のシステムの状態を踏まえて、必要な対応を検討しやすくなります。
また、現場から出てきた改善要望について「FileMakerでどのように実現できるか」を相談することも可能です。
保守を不具合への対応だけで終わらせず、業務改善につなげられる点も専門会社を活用するメリットといえます。
4.4. 保守ノウハウを社内へ蓄積しやすい
保守会社を利用するからといって、すべての業務を外部へ任せることになるとは限りません。
保守会社と社内担当者が連携し、対応内容や改修履歴を共有することで、自社にFileMakerの運用・保守に関するノウハウを蓄積できます。
重要なのは、外部の保守会社だけがシステムを理解している状態を作らないことです。
対応履歴や運用ルールを社内でも共有し、保守会社と情報を共有できる仕組みを整えることで、新たな属人化を防げます。
4.5. 長期的に安心してFileMakerを運用できる
FileMakerは、業務の変化に合わせながら継続的に改善できることが特徴です。
しかし、長期間利用するほど改修内容が増え、システムの構造や運用方法も変化していきます。
継続的に相談できる保守会社があれば、これまでの経緯を踏まえながら改修やバージョンアップを進めやすくなります。
担当者の変更や業務環境の変化にも対応しやすくなるため、FileMakerを長期的に活用したい企業にとって大きなメリットとなるでしょう。
5. 属人化を防げるFileMaker保守会社の選び方
FileMakerの保守を外部へ依頼する場合、どの会社を選んでも同じというわけではありません。
保守会社側に情報が集中すると、今度は「その会社にしか対応できない」という別の属人化が生まれる可能性もあります。
そのため、FileMakerの技術力だけでなく、情報共有の方法やサポート体制、将来的な業務改善まで含めて比較することが大切です。
FileMakerを安心して運用するためにも、属人化の防止まで考えてサポートしてくれる保守会社を選びましょう。
5.1. FileMakerの保守実績が豊富か
まず確認したいのが、FileMakerに関する保守実績です。
FileMakerは企業ごとにシステムの構成やカスタマイズ内容が異なるため、既存システムを理解したうえで適切に対応できる知識や経験が求められます。
特に、自社で開発したシステムだけでなく、他社が構築したFileMakerの保守や引き継ぎに対応しているかは確認しておきたいポイントです。
- FileMakerの保守実績が豊富にあるか
- FileMakerの開発やカスタマイズにも対応しているか
- 他社が開発したシステムの保守にも対応できるか
- 既存システムの解析や引き継ぎ実績があるか
- 自社と近い業種や業務システムの対応経験があるか
保守実績が豊富な会社であれば、システムの構成や運用状況に応じた対応を期待できます。
また、他社からの引き継ぎ経験がある会社であれば、「現在の開発会社から保守を切り替えたい」「社内担当者が退職するため外部へ保守を依頼したい」といった場合にも相談しやすいでしょう。
5.2. 保守範囲や対応内容が明確か
FileMaker保守会社を選ぶ際は、契約前に保守範囲や対応内容を確認することが重要です。
「保守」といっても、会社によってサービスの範囲は異なります。
不具合への対応のみを行う会社もあれば、日常的な問い合わせや軽微な改修、バージョンアップ、業務改善まで幅広く対応する会社もあります。
- 不具合やシステム障害に対応しているか
- 操作方法について問い合わせできるか
- 軽微な修正や機能追加にも対応しているか
- FileMakerのバージョンアップを相談できるか
- バックアップや運用環境について相談できるか
- 業務改善やシステム改善まで相談できるか
あわせて、どこまでが月額などの保守契約に含まれ、どのような作業から追加費用が発生するのかも確認しておきましょう。
契約前に対応範囲を明確にしておくことで、「保守契約をしているのに対応してもらえない」といった認識のずれを防げます。
5.3. 緊急時のサポート体制が整っているか
通常時のサポートだけでなく、システム障害などが発生した場合の対応体制も重要な判断基準です。
特にFileMakerを受発注や顧客管理、在庫管理などの重要な業務に利用している場合、システムが停止すると複数の業務に影響する可能性があります。
そのため、「トラブルが発生した際にどのように相談できるのか」を契約前に確認しておきましょう。
- 問い合わせできる曜日や時間帯はいつか
- 電話やメールなど、どのような問い合わせ方法があるか
- 緊急時に利用できる連絡手段が用意されているか
- 問い合わせから対応開始までの目安が決められているか
- リモートなどで迅速に状況を確認できる体制があるか
保守契約があっても、必要なタイミングですぐに相談できなければ、業務への影響を抑えられない可能性があります。
自社でFileMakerをどの程度重要な業務に利用するのかも踏まえ、必要なサポート体制を備えた保守会社を選ぶことが大切です。
5.4 保守だけでなく業務改善も提案してくれるか
FileMakerを活用する目的は、システムを問題なく動かし続けることだけではありません。
業務を効率化し、生産性を高めるためには、運用開始後も現場の課題や業務の変化に合わせてシステムを改善していくことが重要です。
そのため、技術的な保守だけでなく、実際の業務内容を理解したうえで改善方法を提案してくれる会社を選ぶとよいでしょう。
- 現在の業務フローまで確認してくれるか
- 現場の課題を踏まえて改善方法を提案してくれるか
- 手入力や転記などの非効率な作業について相談できるか
- 機能追加や自動化について提案を受けられるか
- 将来的なシステムの活用方法まで相談できるか
たとえば、「同じデータを複数回入力している」「Excelへの転記が残っている」といった課題があれば、FileMakerの機能追加や既存システムとの連携によって改善できる可能性があります。
日常業務の課題まで相談できる保守会社であれば、保守を単なるシステム維持ではなく、継続的な業務改善につなげやすくなります。
5.5. 長期的なパートナーとして支援できるか
FileMakerの保守は、一度対応すれば完了するものではありません。
企業の業務内容や組織体制、利用する端末や外部サービスなどは時間とともに変化するため、それに合わせてFileMakerも見直していく必要があります。
そのため、目の前のトラブルだけでなく、将来的な運用まで考えて支援してくれる会社かどうかを確認しましょう。
- 継続的な保守/運用サポートを提供しているか
- システムの仕様や改修履歴を継続して管理/共有できるか
- 担当者が変わっても対応を継続できる体制があるか
- 業務の変化に合わせてシステム改善を相談できるか
- 将来的なバージョンアップや機能追加にも対応できるか
特に属人化を防ぐという観点では、保守会社側でも特定の担当者だけが自社システムを把握している状態にならないことが重要です。
社内と保守会社の双方でシステム仕様や改修履歴を共有し、担当者が変わっても過去の経緯を確認できる仕組みがあれば、長期的な運用もしやすくなります。
FileMakerの属人化を防ぎながら長く活用するためにも、単なる「困ったときの相談先」ではなく、継続的にシステムと業務の改善を支援してくれるパートナーを選びましょう。
6. FileMaker保守で属人化を防ぐために意識したいこと
FileMaker保守の属人化は、保守会社へ依頼するだけで必ず解消できるわけではありません。
社内でも情報共有や定期的な見直しを行い、特定の人や会社だけに知識が集中しない仕組みを作る必要があります。
最後に、FileMaker保守で属人化を防ぐために意識したいポイントを解説します。
6.1. 保守を特定の担当者へ任せきりにしない
FileMakerに詳しい担当者がいると、保守や改修をその人へ任せる方が効率的に感じることがあります。
しかし、長期間任せきりにすると、システムに関する情報や判断基準が一人に集中します。
担当者が不在でも基本的な対応ができるよう、マニュアルや改修履歴を共有し、複数人がシステムの状況を把握できる環境を整えましょう。
また、保守会社を利用している場合も、すべてを外部へ任せるのではなく、対応内容を社内で把握しておくことが大切です。
「誰か一人しか分からない状態」を作らないことが、FileMaker保守の属人化を防ぐ基本となります。
6.2. システムと業務を定期的に見直す
FileMakerを導入した当初と現在では、業務内容が変化しているケースも考えられます。
使わなくなった機能が残っていたり、反対に手作業が増えていたりする場合は、システムと実際の業務にずれが生じている可能性があります。
そのまま改修を繰り返すとシステムが複雑になり、保守できる人が限られる原因にもなりかねません。
定期的に保守体制を確認し、担当者や役割分担を必要に応じて見直すことが保守の属人化防止につながります。
システムと業務をセットで見直すことで、属人化を防ぐだけでなく、さらなる業務効率化にもつなげられます。
6.3. 社内と保守会社の役割分担を明確にする
FileMakerの保守を外部へ依頼する場合は、社内と保守会社の役割分担を明確にしておくことが重要です。
保守会社へすべてを任せきりにすると、今度は保守会社側に情報やノウハウが集中し、新たな属人化につながる可能性があります。
そのため、社内で対応する業務と保守会社へ依頼する業務をあらかじめ整理しておきましょう。
社内と保守会社がそれぞれの役割を把握し、必要な情報を共有できる体制を整えることで、どちらか一方への依存を防ぎやすくなります。
FileMakerを長期的に安定運用するためにも、自社と保守会社が連携しながら対応できる保守体制を構築することが大切です。
7. 属人化を防ぐFileMaker保守なら株式会社ブリエへ
FileMakerは自社の業務に合わせて柔軟にシステムを構築・改善できる一方で、保守に必要な知識が特定の担当者へ集中すると、属人化につながる可能性があります。
担当者の退職や異動によって保守できなくなる事態を防ぐためにも、システム仕様や改修履歴を共有し、継続的に保守できる体制を整えておくことが重要です。
株式会社ブリエでは、FileMakerの開発だけでなく、導入後の保守・運用についてもサポートしています。
現在利用しているFileMakerの保守に不安がある場合や、「社内の担当者しかシステムの内容を把握していない」「今後の保守体制を見直したい」といった課題がある場合もご相談いただけます。
FileMakerを長期的に活用しながら、属人化を防ぎ、継続的な業務改善につなげたい企業様は、ぜひ株式会社ブリエへご相談ください。
株式会社ブリエ代表取締役。Webデザイン、WordPress、Elementor、DTPデザイン、カメラマンなどを経て、FileMakerエンジニアとなる。企業の経営課題であるDX化、業務効率化、ペーパーレス化、情報の一元管理など、ビジネスニーズの変化に合わせてFileMakerで業務システムを開発し、柔軟に拡張して解決いたします。








