FileMakerエンジニア
業務効率化やDX推進の手段として、FileMaker(ファイルメーカー)をはじめとするローコード開発ツールを導入する企業が増えています。
しかし、ローコード開発ツールにはさまざまな種類があり、「FileMakerと他のツールは何が違うのか」「自社にはどのツールが適しているのか」と悩む担当者も少なくありません。
また、システム開発を検討する際には、Power Appsやkintoneなどのローコード開発ツールだけでなく、フルスクラッチ開発との比較も重要です。
FileMakerは柔軟なカスタマイズ性と開発スピードを兼ね備えたローコード開発プラットフォームとして、多くの企業で活用されています。
一方で、他のツールにもそれぞれ強みや特徴があり、企業の課題や目的によって最適な選択肢は異なります。
本記事では、FileMakerのローコード開発と他ツールを比較しながら、それぞれの違いや特徴を分かりやすく解説します。
また、フルスクラッチ開発との比較や、FileMakerが向いている企業の特徴、ツール選定時のポイントについても紹介します。
自社に最適なシステム開発手法を検討している方や、FileMakerによるローコード開発を比較検討している方は、ぜひ参考にしてください。
目次
1. 比較の前に知っておきたい!FileMakerのローコード開発とは?
ローコード開発ツールを比較する際は、まずFileMakerそのものの特徴を理解しておくことが重要です。
FileMakerは単なるデータベースソフトではなく、業務システムを柔軟に構築できるローコード開発プラットフォームとして進化を続けています。
ここでは、FileMakerの概要やローコード開発の特徴について解説します。
1.1. FileMakerとは
FileMakerは、Claris社が提供するローコード開発プラットフォームです。
専門的なプログラミング知識がなくても、顧客管理システムや在庫管理システム、案件管理システムなどの業務システムを比較的短期間で構築できます。
FileMakerの大きな特徴は、ドラッグ&ドロップを中心とした直感的な開発環境と、必要に応じて高度なカスタマイズができる柔軟性を両立している点です。
また、WindowsやMacだけでなく、iPhoneやiPadなどのモバイル端末にも対応しているため、現場業務との相性も良好です。
近年ではクラウド環境での利用や外部システムとの連携機能も強化されており、中小企業から大企業まで幅広く導入されています。
1.2. ローコード開発とは
ローコード開発とは、プログラミングコードを最小限に抑えながらシステムを開発する手法です。
従来のシステム開発では、プログラマーが大量のコードを記述する必要があるため、開発期間が長くなりやすく、コストも高額になりがちでした。
一方でローコード開発では、あらかじめ用意された部品やテンプレートを活用することで、開発工数を大幅に削減できます。
- 短期間でシステムを構築できる
- 開発コストを抑えやすい
- 業務改善のスピードを高められる
- 継続的なシステム改善がしやすい
DX推進や人手不足への対応が求められる現在、多くの企業がローコード開発に注目しています。
1.3. FileMakerがローコード開発で活用される理由
数あるローコード開発ツールの中でも、FileMakerが多くの企業で採用されている理由は、高い柔軟性にあります。
一般的なローコードツールは、標準機能を組み合わせて開発することを前提としているため、業務が複雑になると対応が難しくなる場合があります。
一方でFileMakerは、標準機能だけでは対応できない業務にも柔軟に対応可能です。
- 独自の承認フローを構築する
- 複数の業務データを連携する
- 自動通知機能を実装する
- 帳票出力を最適化する
そのため、「パッケージソフトでは業務に合わない」「業務に合わせてシステムを作りたい」という企業に選ばれています。
1.4. FileMakerで開発できるシステムの例
FileMakerではさまざまな業務システムを開発できます。
- 顧客管理システム(CRM)
- 販売管理システム
- 在庫管理システム
- 生産管理システム
- 案件管理システム
- 見積管理システム
- 請求管理システム
- 設備管理システム
- 勤怠管理システム
- 申請/承認システム
また、システムを個別に構築するだけでなく、複数の業務を一つのシステムで一元管理することも可能です。
たとえば、顧客管理と案件管理、見積管理、請求管理を連携させることで、営業活動から請求業務までを一つのシステム内で完結させることもできます。
このように業務全体を最適化できる点も、FileMakerがローコード開発ツールとして高く評価されている理由の一つです。
2. FileMakerをローコード開発で活用するメリット
FileMakerは数あるローコード開発ツールの中でも、業務システムの構築に強みを持つプラットフォームです。
単に開発スピードが速いだけでなく、業務に合わせた柔軟な設計や継続的な改善ができるため、多くの企業で採用されています。
ここでは、FileMakerをローコード開発で活用するメリットについて解説します。
2.1. 開発期間を短縮できる
FileMakerの大きなメリットの一つが、開発期間を短縮できることです。
従来のシステム開発では、要件定義から設計、プログラミング、テストまで多くの工程が必要となり、システムの完成まで数か月から1年以上かかるケースも珍しくありません。
一方でFileMakerによるローコード開発では、あらかじめ用意された機能や開発環境を活用できるため、開発工数を大幅に削減できます。
具体的には、以下のような機能を比較的短期間で構築できます。
- 入力画面の作成
- データベースの構築
- 検索機能の実装
- 帳票出力機能の設定
そのため、現場の課題を早期に解決しやすく、業務改善のスピード向上につながります。
2.2. 業務に合わせて柔軟にカスタマイズできる
ローコード開発ツールの中には、標準機能の範囲でしか運用できないものもあります。
しかし、企業ごとに業務フローや管理方法は異なるため、既存機能だけでは対応できないケースも少なくありません。
FileMakerは高いカスタマイズ性を持っており、自社の業務に合わせたシステムを構築できます。
具体的には、以下のような対応が可能です。
- 独自の承認フローを組み込む
- 部門ごとに入力画面を変更する
- 自動通知機能を追加する
- 業務ルールに沿った入力制御を行う
そのため、「システムに業務を合わせる」のではなく、「業務にシステムを合わせる」運用を実現できます。
2.3. Excel管理から移行しやすい
現在でも多くの企業でExcelによる業務管理が行われています。
しかし、Excel管理にはさまざまな課題があります。
代表的な課題として、以下のようなものが挙げられます。
- ファイルが複数存在する
- 最新版が分からなくなる
- 入力ミスが発生しやすい
- 担当者しか内容を理解していない
FileMakerはデータベースをベースとしたシステムのため、Excel管理から段階的に移行しやすい特徴があります。
Excelで管理している顧客情報や案件情報を取り込みながらシステム化できるため、現場への負担を抑えながら業務改善を進めることができます。
2.4. データを一元管理できる
業務効率化を進めるうえで重要なのが、情報の一元管理です。
企業では顧客情報、案件情報、在庫情報、請求情報などが別々に管理されていることがあります。
この状態では情報共有に時間がかかり、入力ミスや確認漏れの原因になります。
FileMakerでは複数のデータを関連付けて管理できるため、業務全体を一つのシステムに集約可能です。
具体的には、以下のような情報を連携して管理できます。
- 顧客管理
- 案件管理
- 見積管理
- 請求管理
これらを連携させることで、営業活動から請求業務までを一元管理できるようになります。
情報がリアルタイムで共有されるため、業務スピードの向上にもつながります。
2.5. 導入後も継続的に改善できる
システムは導入して終わりではありません。
事業環境や業務内容は常に変化するため、運用しながら改善を続けることが重要です。
FileMakerはレイアウト変更や機能追加が比較的容易なため、運用開始後も柔軟に改善できます。
たとえば、以下のような改善にも対応しやすくなっています。
- 入力項目の追加
- 帳票レイアウトの変更
- 新しい管理機能の追加
- 業務フローの見直し
そのため、現場の意見を取り入れながらシステムを成長させることが可能です。
2.6 多様なデバイスで利用できる
近年はオフィスだけでなく、現場や外出先で業務を行う機会も増えています。
そのため、PCだけでなくモバイル端末でも利用できるシステムが求められます。
FileMakerは、以下のようなさまざまな環境で利用できます。
- Windows
- Mac
- iPhone
- iPad
- Webブラウザ
たとえば営業担当者が外出先で顧客情報を確認したり、現場スタッフがタブレットから作業報告を入力したりすることも可能です。
場所を問わず情報へアクセスできるため、業務効率化や情報共有の促進につながります。
3. FileMakerのローコード開発と他ツールの比較
ローコード開発ツールには、FileMaker以外にもPower Appsやkintoneなどさまざまな製品があります。
それぞれ特徴が異なるため、自社に適したツールを選ぶには比較検討が欠かせません。
ここでは、FileMakerのローコード開発と他ツールを比較しながら、それぞれの違いを解説します。
3.1. 開発のしやすさ
まずは、FileMakerと他のローコード開発ツールの開発のしやすさを比較してみましょう。
| 比較項目 | FileMaker | Power Apps | kintone |
| 開発のしやすさ | データベース設計から画面作成、帳票出力まで一つの環境で開発可能 | Microsoftサービスとの連携を前提に開発するケースが多い | ノーコードに近い感覚で業務アプリを作成可能 |
| 学習コスト | 比較的低い | Microsoft環境の知識が必要 | 低い |
| 業務システム開発 | 得意 | 得意 | 中規模まで得意 |
比較すると、FileMakerは業務システム開発に必要な機能を一つの環境で管理できるため、開発効率に優れています。
FileMakerはデータベース設計から画面作成、帳票出力までを一つのプラットフォーム上で構築できるため、業務システムを効率的に開発できます。
また、レイアウト編集も視覚的に行えるため、システムの完成イメージを確認しながら開発を進められる点も特徴です。
一方、Power AppsはMicrosoft製品との親和性が高く、Microsoft 365を利用している企業にとって導入しやすいツールです。
しかし、複雑な業務システムを構築する場合は、Power AutomateやDataverseなど複数のサービスとの連携が必要になるケースがあります。
kintoneはノーコードに近い感覚で業務アプリを作成できる点が魅力ですが、細かな要件に対応する場合はプラグインや追加開発が必要になることがあります。
そのため、柔軟性と開発効率のバランスを求める場合は、FileMakerが有力な選択肢となるでしょう。
3.2. カスタマイズ性
ローコード開発ツールを比較する際に大きな差が出るのがカスタマイズ性です。
| 比較項目 | FileMaker | Power Apps | kintone |
| カスタマイズ性 | ◎ | 〇 | △ |
| 独自業務への対応 | ◎ | 〇 | △ |
| 帳票設計の自由度 | ◎ | 〇 | △ |
| 複雑な業務フローへの対応 | ◎ | 〇 | △ |
※ ◎:非常に得意 ○:対応可能 △:追加開発が必要な場合あり
比較すると、FileMakerは業務に合わせた柔軟なシステム構築を得意としており、独自の業務フローにも対応しやすい特徴があります。
企業ごとに業務フローや管理方法は異なるため、自社業務に合わせたシステムを構築できるかどうかは重要なポイントです。
FileMakerは入力画面や処理フロー、帳票レイアウトなどを柔軟に設計できます。
具体的には、以下のような対応が可能です。
- 独自の承認フロー
- 自動メール送信
- 条件分岐による処理
- 複雑なデータ連携
一方でkintoneは標準機能を中心とした構築が前提となるため、複雑な業務に対応する場合は追加開発が必要になることがあります。
Power Appsも高い拡張性を持っていますが、Microsoft環境への依存度が高く、設計が複雑になるケースがあります。
比較すると、FileMakerは業務に合わせた柔軟なシステム構築を得意とするローコード開発ツールといえるでしょう。
3.3. Microsoft製品との連携
Microsoft製品との連携を比較すると、以下のようになります。
| 比較項目 | FileMaker | Power Apps | kintone |
| Excel連携 | 〇 | ◎ | 〇 |
| Outlook連携 | 〇 | ◎ | △ |
| Teams連携 | API対応 | ◎ | △ |
| Power BI連携 | API対応 | ◎ | △ |
| Microsoft 365との親和性 | 〇 | ◎ | △ |
※ ◎:非常に強い ○:対応可能 △:一部対応
比較すると、Microsoft製品との連携ではPower Appsに優位性があります。
一方で、FileMakerはMicrosoft製品に限らず、さまざまな外部システムと柔軟に連携できる点が特徴です。
Excelデータの取り込みや出力、Outlookとの連携、APIを利用した外部システムとの接続などにも対応しています。
Microsoft製品だけを中心に業務を構築するのであればPower Appsに優位性がありますが、Microsoft製品以外のシステムとも連携しながら業務全体を管理したい場合は、FileMakerの柔軟性が活きる場面が多くなります。
3.4. 導入コスト
導入コストを比較すると、以下のような違いがあります。
| 比較項目 | FileMaker | Power Apps | kintone |
| 初期費用 | 中程度 | 低〜中程度 | 低め |
| カスタマイズ費用 | 内容による | 内容による | プラグイン追加で増加する場合あり |
| ライセンス費用 | ユーザ数による | 利用サービスにより変動 | ユーザ数課金 |
| 長期運用コス | ◎ | 〇 | 〇 |
| 一元管理による費用対効果 | ◎ | △ | △ |
※ ◎:優れている ○:標準的 △:状況による
比較すると、初期費用だけではPower Appsやkintoneが有利に見える場合があります。
しかし、ローコード開発ツールはそれぞれ得意分野が異なります。
FileMakerは初期費用が発生するものの、顧客管理・案件管理・在庫管理・請求管理など複数の業務を一つのシステムに集約しやすいのが特徴です。
複数業務を一元管理する場合は、FileMakerの方が長期的な費用対効果が高くなるケースも少なくありません。
単純な初期費用だけでなく、長期的な運用コストや業務効率化による効果も含めて比較することが重要です。
4. FileMakerのローコード開発とフルスクラッチ開発の比較
システム開発を検討する際、ローコード開発だけでなくフルスクラッチ開発も比較対象になることがあります。
フルスクラッチ開発はゼロからシステムを構築する方法であり、高い自由度を持つ一方で、開発期間やコストが大きくなりやすいのが特徴です。
一方、FileMakerによるローコード開発は、開発スピードと柔軟性のバランスに優れています。
ここでは、FileMakerのローコード開発とフルスクラッチ開発を比較しながら、それぞれの違いを解説します。
4.1. 開発期間
FileMakerとフルスクラッチ開発を比較した場合、最も大きな違いの一つが開発期間です。
フルスクラッチ開発では、要件定義から設計、プログラミング、テストまでをすべて個別に行います。
そのため、システムの規模によっては半年から1年以上かかるケースも珍しくありません。
また、開発途中で要件変更が発生すると、設計の見直しやプログラム修正が必要になり、さらに期間が延びることがあります。
一方、FileMakerによるローコード開発では、あらかじめ用意された機能や開発環境を活用できるため、開発期間を大幅に短縮できます。
比較的短期間で構築しやすいシステムとして、以下のようなものが挙げられます。
- 顧客管理システム
- 案件管理システム
- 在庫管理システム
- 請求管理システム
これらのシステムは、フルスクラッチ開発と比較して短期間で構築できるケースが多くあります。
業務改善を早期に実現したい企業にとって、開発スピードは大きなメリットといえるでしょう。
4.2. 開発コスト
開発コストも比較時に重要なポイントです。
フルスクラッチ開発では、多くのエンジニアが長期間にわたって開発を行うため、開発費用が高額になる傾向があります。
また、要件変更や機能追加が発生すると、その都度追加費用が発生するケースもあります。
一方、FileMakerのローコード開発は開発工数を削減できるため、フルスクラッチ開発と比較してコストを抑えやすい特徴があります。
特に中小企業では、以下のような段階的な導入が可能です。
- まずは必要な機能だけを導入する
- 運用しながら機能を追加する
- 段階的にシステムを拡張する
このような進め方ができるため、初期投資の負担を軽減できます。
もちろんシステムの規模や要件によって費用は異なりますが、業務システムを効率的に構築したい場合は、FileMakerによるローコード開発の方が費用対効果が高くなるケースが少なくありません。
4.3. 拡張性
拡張性だけを比較すると、フルスクラッチ開発に優位性があるといえます。
ゼロから設計するため、理論上はあらゆる機能の実装が可能です。
独自性の高いサービスや大規模システムを構築する場合は、フルスクラッチ開発が選択されることも少なくありません。
一方で、FileMakerも高い拡張性を持つローコード開発ツールです。
具体的には、以下のような機能拡張に対応できます。
- 外部システムとのAPI連携
- AI機能との連携
- クラウドサービスとの連携
- 業務フローの自動化
一般的な業務システムで必要とされる機能であれば、十分に対応できるケースがほとんどです。
そのため、「どこまでの拡張性が必要か」を明確にしたうえで比較することが重要になります。
4.4. 保守・運用負担
システムは開発後の運用が長く続くため、保守性も重要な比較ポイントです。
フルスクラッチ開発では、開発時の設計やプログラム内容を理解しているエンジニアが必要になる場合があります。
担当者が変わると改修が難しくなったり、保守費用が高額になったりするケースもみられます。
また、システムの仕様が複雑になるほど、改善や機能追加に時間がかかる傾向があります。
一方、FileMakerによるローコード開発は視覚的に管理しやすく、レイアウト変更や機能追加も比較的容易です。
運用開始後も、以下のような改善を柔軟に行うことができます。
- 入力項目の追加
- 画面レイアウトの変更
- 帳票の修正
- 業務フローの改善
そのため、継続的な業務改善を前提とする企業では、FileMakerの方が運用しやすいケースも多くあります。
5. 比較からわかるFileMakerのローコード開発が向いている企業
FileMakerと他のローコード開発ツール、さらにフルスクラッチ開発を比較すると、それぞれ得意分野が異なることが分かります。
そのため、重要なのは「どのツールが優れているか」ではなく、「自社の課題に合っているか」を判断することです。
ここでは、比較を踏まえたうえでFileMakerのローコード開発が向いている企業の特徴を解説します。
5.1. Excelによる業務管理に限界を感じている企業
FileMakerが特に向いているのは、Excel管理に課題を抱えている企業です。
多くの企業では、以下のような業務をExcelで管理しています。
- 顧客管理
- 案件管理
- 在庫管理
- 請求管理
しかし、運用が長くなるにつれてファイル数が増え、管理が複雑になっていきます。
代表的な課題として、以下のようなものが挙げられます。
- どのファイルが最新版か分からない
- 入力ミスが発生する
- 集計作業に時間がかかる
- 担当者しか管理方法を理解していない
FileMakerはデータベースを活用したローコード開発ツールのため、Excelで分散している情報を一元管理できます。
その結果、入力ミスの削減や業務効率化につながり、Excel管理の限界を解消しやすくなります。
5.2. 業務に合わせたシステムを構築したい企業
パッケージソフトを導入したものの、「自社の業務に合わない」と感じる企業も少なくありません。
標準機能だけでは対応できず、結果的にExcel管理を併用しているケースもあります。
FileMakerは柔軟なカスタマイズが可能なため、業務に合わせたシステムを構築できます。
具体的には、以下のような要件にも対応可能です。
- 独自の承認フロー
- 業界特有の管理項目
- 特殊な帳票レイアウト
- 部門ごとの運用ルール
そのため、「システムに業務を合わせる」のではなく、「業務にシステムを合わせたい」企業に適しています。
5.3. 属人化を解消したい企業
属人化は多くの企業が抱える課題です。
特定の担当者しか業務内容を把握していない状態では、その担当者が休職や退職をした際に業務が停滞するリスクがあります。
特にExcel管理では、以下のような要因によって属人化が発生しやすくなります。
- 独自の関数
- 複雑なマクロ
- 個人管理のファイル
FileMakerを活用すれば、業務ルールやデータをシステム化できるため、誰でも同じ手順で業務を進められる環境を構築できます。
また、情報共有も容易になるため、組織全体の業務品質向上にもつながります。
5.4. 複数の業務を一元管理したい企業
企業では業務ごとに異なるシステムを利用しているケースがあります。
たとえば、以下のようなシステムを個別に運用している企業も少なくありません。
- 顧客管理システム
- 販売管理システム
- 在庫管理システム
- 請求管理システム
しかし、システムが増えるほど情報が分散し、二重入力や確認作業が発生しやすくなります。
FileMakerは複数の業務データを関連付けながら管理できるため、業務全体を一つのシステムに統合しやすい特徴があります。
顧客情報から案件情報、見積情報、請求情報までを連携できるため、業務効率の向上や情報共有の促進につながります。
5.5. スモールスタートでDXを進めたい企業
DXを推進したいものの、「何から始めればよいか分からない」「大規模な投資は難しい」と悩む企業も少なくありません。
フルスクラッチ開発の場合は、最初から大規模な開発になることも多く、費用や期間の負担が大きくなります。
一方、FileMakerによるローコード開発であれば、まずは一部の業務からシステム化を始めることができます。
たとえば、以下のようなスモールスタートが可能です。
- 顧客管理だけ導入する
- 案件管理から始める
- 在庫管理を改善する
その後、運用状況に合わせて機能を追加しながらシステムを成長させられるため、無理なくDXを推進できます。
6. FileMakerと他のローコード開発ツールを比較するときのポイント
ローコード開発ツールにはさまざまな種類があり、それぞれ得意分野が異なります。
そのため、「知名度が高いから」「導入企業が多いから」といった理由だけで選定すると、自社の業務に合わず期待した効果が得られない可能性があります。
重要なのは、自社の課題や目的を整理したうえで比較することです。
ここでは、FileMakerと他のローコード開発ツールを比較する際に確認しておきたいポイントを解説します。
6.1. 解決したい課題を明確にする
最初に行うべきなのは、システム導入によって何を解決したいのかを明確にすることです。
企業によってシステム導入の目的は異なります。代表的な目的として、以下のようなものが挙げられます。
- Excel管理をやめたい
- 情報共有を効率化したい
- 業務を自動化したい
- 複数システムを統合したい
- DXを推進したい
目的が曖昧なまま比較を進めると、必要以上に高機能なツールを選んでしまったり、逆に必要な機能が不足したりする可能性があります。
まずは現状の課題を洗い出し、「どの業務を改善したいのか」を整理することが重要です。
6.2. 必要な機能を整理する
ローコード開発ツールを比較する際は、必要な機能を事前に整理しておくことが大切です。
比較前に整理しておきたい機能として、以下のようなものがあります。
- 顧客管理機能
- 案件管理機能
- 在庫管理機能
- 承認フロー機能
- 帳票出力機能
- モバイル対応
- 外部システム連携
ツールによって得意な機能は異なるため、比較表や製品紹介だけでは判断が難しい場合もあるでしょう。
将来的な運用も考慮しながら、必要な機能を優先順位付きで整理しておくと選定しやすくなります。
6.3. 将来的な拡張性を考慮する
システムは導入したら終わりではありません。
事業の成長や業務の変化に合わせて改善を続けていく必要があります。
そのため、現在の課題だけでなく将来的な拡張性も比較することが重要です。
将来的に想定される変化として、以下のようなものがあります。
- 利用ユーザ数の増加
- 管理業務の追加
- 他部署への展開
- 新規システムとの連携
導入時には問題なくても、将来的な拡張が難しいツールを選ぶと再構築が必要になるケースもあります。
FileMakerは柔軟なカスタマイズや機能追加が可能なため、段階的な拡張を前提とした運用にも対応しやすいのが特徴です。
6.4. 他システムとの連携性を確認する
企業では一つのシステムだけで業務を完結させることはほとんどありません。
会計システムや販売管理システム、ECシステムなど、さまざまなツールを併用しています。
そのため、ローコード開発ツールを比較する際は連携性の確認も欠かせません。
事前に確認しておきたい連携先として、以下のようなものがあります。
- Microsoft 365
- 会計システム
- 基幹システム
- クラウドサービス
- AIツール
FileMakerはAPI連携に対応しているため、さまざまな外部システムと接続できます。
将来的な業務拡張も考慮しながら、連携性を比較することが重要です。
6.5. 開発会社の支援体制を確認する
ローコード開発ツールそのものだけでなく、開発会社の支援体制も重要な比較ポイントです。
同じFileMakerを利用していても、導入成果に影響する要素として以下が挙げられます。
- 要件定義の質
- 業務理解の深さ
- 設計力
- 運用サポート
特にシステム開発が初めての企業では、単なる開発だけでなく、課題整理や業務改善の提案まで行ってくれるパートナーを選ぶことが重要です。
また、導入後の保守や機能追加に対応してもらえるかどうかも確認しておきましょう。
ローコード開発ツールを比較する際は、ツールの機能だけでなく「誰と開発を進めるか」という視点も欠かせません。
自社の課題を正しく理解し、継続的な改善を支援してくれる開発会社を選ぶことが、システム導入を成功させるポイントです。
7. FileMakerによるローコード開発なら株式会社ブリエへ
FileMakerと他のローコード開発ツールを比較すると、それぞれに特徴や強みがあることが分かります。
しかし、実際のシステム導入では「どのツールを選ぶか」だけでなく、「どのように業務へ落とし込むか」が重要です。
同じFileMakerを利用したローコード開発でも、業務分析や要件定義が不十分なまま進めてしまうと、期待した効果を得られない場合があります。
株式会社ブリエでは、FileMakerを活用したローコード開発を通じて、企業ごとの業務課題に合わせたシステム構築を支援しています。
単にシステムを開発するだけではなく、現状業務のヒアリングから課題整理、要件定義、設計、開発、運用サポートまで一貫して対応していることが特徴です。
- Excel管理からの脱却
- 業務の属人化解消
- 顧客管理や案件管理の一元化
- 在庫管理や販売管理の効率化
- 複数システムの統合
- DX推進に向けた業務改善
また、FileMakerの柔軟性を活かしながら、自社業務に合わせたシステムを構築できるため、パッケージソフトでは対応できない業務にも対応可能です。
「FileMakerと他のローコード開発ツールのどちらが自社に合うのか分からない」
「Excel管理に限界を感じている」
「業務に合わせたシステムを構築したい」
このようなお悩みをお持ちでしたら、ぜひ株式会社ブリエへご相談ください。
現状の業務課題を整理しながら、最適なローコード開発の進め方をご提案いたします。
株式会社ブリエ代表取締役。Webデザイン、WordPress、Elementor、DTPデザイン、カメラマンなどを経て、FileMakerエンジニアとなる。企業の経営課題であるDX化、業務効率化、ペーパーレス化、情報の一元管理など、ビジネスニーズの変化に合わせてFileMakerで業務システムを開発し、柔軟に拡張して解決いたします。








