FileMakerエンジニア
ノーコード開発は、プログラミングの専門知識を必要とせず、視覚的なインターフェースを使って簡単に業務システムを構築できる、システム開発における革新的な手法です。
その手軽さとスピード感から、企業のシステム開発における、新たな可能性を提供する選択肢として注目されています。
実際に、業務システムをノーコード開発しようと検討している企業様もいらっしゃるのではないでしょうか。
- 開発に必要コスト
- 開発にかかる期間
- システムの柔軟性と拡張性
- 運用後のメンテナンス
この記事では、ノーコード開発の基本や従来の開発方法との違い、メリット・デメリットについて詳しく解説します。
- ノーコード開発の基本的な仕組み
- ノーコード開発と従来の開発方法との違い
- ノーコード開発のメリットとデメリット
- ノーコード開発が適している業務システムの例
- ノーコード開発を効果的に活用するポイント
ノーコードによる業務システムの開発をお考えの方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
1. ノーコードは業務システム開発の新しい選択肢
ノーコード開発とは、プログラミングの専門知識がなくても、視覚的なインターフェースを使ってシステムを構築できるツールやプラットフォームを指します。
従来のシステム開発には、プログラミングやコーディングの技術を持ったエンジニアが必要でしたが、ノーコード開発なら、業務担当者や非IT部門の社員でも自分の業務ニーズに合わせたシステムを開発できます。
ビジュアルエディタ
ノーコード開発の中心となるのがビジュアルエディタです。
必要な機能がドラッグ&ドロップで追加できることから、画面デザインや機能の構築が直観的に行えます。プリセットテンプレート
よく使われるアプリケーションやシステムのテンプレートが用意されており、それを元にカスタマイズすることで、効率よく開発を進めることが可能です。組み込みの機能モジュール
複雑なシステム開発では、データベース機能やAPI連携、ユーザ認証といった機能が必要になります。
ノーコード開発ではこうした機能があらかじめ組み込まれた「モジュール」として用意されているため、簡単な操作で導入可能です。自動コード生成
必要な機能によっては、動作に個別のコードが必要となる場合があります。
ノーコード開発では自動でコード生成されるため、ユーザは動作方法を指示するだけで、コードを意識する必要はありません。
ノーコード開発では、主に「ドラッグ&ドロップ」や「設定」などの操作を通じて視覚的にシステムやアプリケーションを構築することが可能です。
ユーザは、あらかじめ用意されたテンプレートや機能を組み合わせることで、業務の効率化に必要なシステムを迅速に構築できます。
ノーコード開発環境は開発目的に応じてさまざまな種類がありますが、いずれも従来のようなプログラミングを必要とせず、簡単にシステムの作成が可能です。
そのため、プログラミングの知識を持たない担当者でも、業務フローやデータベースの管理・ユーザインターフェースの作成を自分で行うことができます。
特にリソースが限られている企業にとっては、外部に依存しすぎることなく自社内でシステムを管理できる点が大きなメリットでしょう。
ノーコードは、業務システムの開発・導入ハードルを大きく下げ、スピーディかつ低コストでシステムを開発できる企業のシステム開発における「新しい選択肢」といえます。
2. ノーコードと一般的な開発方法の違い
ノーコード開発と従来の開発方法(コーディングによる開発)には、さまざまな違いがあります。
- コストとスピード
- 柔軟性と拡張性
- 運用後のメンテナンス
これらの違いを理解することで、自社のニーズに最適な開発方法を選ぶことができます。
2.1. コストとスピード
ノーコード開発の最大の特長は、その圧倒的な開発スピードとコストの削減です。
従来の開発方法では、システム開発に数カ月から数年かかることがありますが、ノーコード開発では数週間でシステムが完成することもあります。
また、専任のエンジニアやデザイナー、プロジェクトマネージャーが必要なために高額な費用がかかる従来の方法に対して、ノーコード開発では、 専用ツールの利用料を中心としたコスト構成です。
比較的低コストで始められることが多いのが特長です。
開発方法 | 開発スピード | コスト |
従来の開発方法 | 数カ月~数年 | 高い |
ノーコード開発 | 数週間~数カ月 | 低い |
特に、小規模プロジェクトやスタートアップなどの、 開発リソースを確保しにくい状況では、開発スピードとコスト構成の違いが大きな魅力となるでしょう。
2.2. 柔軟性と拡張性
ノーコード開発は、その性質上、開発者が直接コードを記述する場合に比べて柔軟性が制限されることがあります。
従来の開発方法はコードを書くことで非常に細かなカスタマイズが可能ですが、ノーコード開発ではその範囲が限られてしまうのです。
開発方法 | 柔軟性 | 拡張性 |
従来の開発方法 | 高い | 高い |
ノーコード開発 | 制約あり | 制約あり |
そのため、複雑な業務プロセスや特殊な機能を必要とする業務システムの場合には、ノーコード開発では対応しきれないことがあります。
システム開発の前に、どの程度の柔軟性や拡張性が必要かを慎重に検討することが重要です。
2.3. 運用後のメンテナンス
ノーコード開発は従来の開発方法と比較すると、システムの運用や変更が容易である場合が多いです。
特に、ノーコード開発では専門の技術者を必要としないため、システム変更の手間を大幅に削減できます。
開発方法 | メンテナンスの容易さ | 技術的サポートの必要性 |
従来の開発方法 | やや難しい | 高い |
ノーコード開発 | 容易 | 低い(※限界あり) |
ただし、問題が発生した場合や拡張が必要な場合、ノーコード開発に精通した技術者がいないとトラブルシューティングが難しくなる場合はあります。
ノーコード開発が、業務システム開発を効率化する大きなチャンスであることは確かです。
しかし、すべてのシステムに適しているわけではありません。
自社のニーズに合わせたうえでノーコード開発の活用を検討し、最適なシステム構築方法を選ぶことが求められます。
業務システムを開発する場合は、どのような方法が適しているのか、システム開発会社からアドバイスを受けるようにしましょう。
3. ノーコードで業務システムを開発するメリット
ノーコードによる業務システムの開発は、導入や管理のハードルを下げるのに効果的な手法です。
特に、コストに対する不安が大きいという場合は魅力的な選択肢でしょう。
自社での開発だけでなく、システム開発会社に依頼する場合でも享受できるメリットは多くあります。
- 開発スピードが向上する
- コスト削減につながる
- 柔軟な運用と変更が可能
- 品質の確保が容易になる
- 高度なITスキルが不要
ここからは、ノーコード開発を活用することで得られる具体的なメリットと、システム開発会社に依頼する場合のメリットを詳しく解説します。
3.1. 開発スピードが向上する
従来の開発手法では、プログラミングを用いてシステムをゼロから構築する必要があり、開発期間が数カ月から数年と長期化しがちでした。
しかし、ノーコード開発では視覚的なインターフェースを活用した「ドラッグ&ドロップ」による直感的な操作で、数週間から数カ月以内に開発を完了できます。
- 迅速なプロトタイプ作成
新規プロジェクトでも数週間以内にプロトタイプを完成させることが可能になる - 開発期間の短縮でコスト削減
開発スピードが上がることで外注費用や間接費が大幅に削減される - 緊急要件への対応力向上
簡単な操作で即時修正が可能なため、急な仕様変更にも柔軟に対応できる
- 開発期間の大幅短縮
従来の約1/3の期間でシステムを納品が可能になる - 要件変更への迅速な対応
再設計時間を短縮し、変更要求をスピーディに反映できる - 早期プロトタイプ提示で効率的なイメージ共有
フィードバックの迅速化によるスムーズな開発ができる
3.2. コスト削減につながる
従来のシステム開発では、専門的なスキルを持つエンジニアチームや長期的な開発期間が必要でした。
ノーコード開発では整った開発環境とテンプレートを活用するため、初期費用から運用コストまでを大幅に削減できます。
- 人件費の削減
プログラミング工程が省略されるため、専門エンジニアを大量に採用する必要がない - テンプレートの活用
カスタマイズ中心の開発で効率化され、開発期間も短縮できる - 保守運用の内製化
外部依存を減らし、運用コストを削減が可能になる
- 開発工数の削減
工数削減により、見積額が低減される - 追加改修時の費用削減
小規模な変更であれば社内対応が可能なため、改修費が抑えられる - 保守契約の柔軟化
シンプルな運用設計で、最小限のサポート契約も選択可能になる
3.3. 柔軟な運用と変更が可能
従来型のシステムでは修正や変更に多大なリソースが必要でしたが、ノーコードによる開発は直感的な操作で即座に対応できる柔軟性を備えています。
- 即時対応力
ビジネスプロセス変更への迅速な対応が可能になる - 直感的な管理画面操作
特別な知識が不要で、新機能の追加や改修が容易になる - 内製化による対応力向上
運用中の調整や微修正の対応が社内で可能になる
- 柔軟な要件定義
初期段階での仕様変更や調整が容易になる - 変更要望への対応力
開発中でも優先度に応じた柔軟な計画立案が可能になる - 段階的な機能拡張の実現
長期視点でのスケーラブルなシステム構築が可能になる
3.4. 品質の確保が容易になる
従来の開発手法では、開発者ごとの個人スキルに依存し、品質にばらつきが生じるリスクがありました。
一方、ノーコード開発では標準化された機能とモジュールを活用することで、安定した品質が確保しやすくなります。
- 標準機能の活用
検証済みの機能を統合することで、システム全体の信頼性を確保できる - 統一されたUI設計
デザインの一貫性を保ち、一貫性のあるユーザ体験を提供できる - トラブルやリスクの低減
ボタン、入力フォーム、チャートなどはテスト済みの部品を使用するため、バグ発生を最小限に抑制できる
- 標準化された開発手法
長年の経験や豊富な実績を基にした標準化された開発手法を採用しているため、安定した品質の成果物が提供される - 信頼性の高い設計
将来の拡張性を考慮した保守性の高いシステム構築ができる
3.5. 高度なITスキルが不要
従来のシステム開発では、専門的なITスキルが求められ、IT部門や外部に依存するケースが一般的でした。
しかし、ノーコードツールを導入することで業務部門のスタッフがシステム開発に直接関与できるため、業務現場のニーズに合致したシステム構築が迅速かつ効果的に行えるようになります。
- 業務担当者によるシステム構築が可能
IT部門などを介さず、業務を熟知している担当者が開発に携わることで、要件定義のズレを最小限に抑えられる - 迅速な更新や改修が実現
必要な修正が即座に行えるため、外部に依頼する手間や時間を最小限に抑えながら、ビジネス環境の変化にも柔軟に対応できる - 教育コストの削減
ノーコードツールのシンプルさにより、導入後のトレーニングや操作説明の負担が軽減され、スムーズな運用が可能になる
- 効率的な要件定義と業務ニーズの反映
業務部門とスムーズにコミュニケーションを図り、ニーズを的確に反映させたシステムを構築できる - エンドユーザの操作確認による迅速な改善
開発中に業務担当者やエンドユーザが操作性を確認できるため、要件変更や改善点の反映が容易になる
このように、ノーコードによる業務システム開発は、あらゆる面で大きなメリットをもたらします。
また、システム開発会社に依頼すれば、プラットフォームの選定から要件定義、開発、そして運用まで、専門家のサポートを受けることできます。
より確実にプロジェクトを成功に導くことができるでしょう。
さらに、将来的な拡張性や保守性も考慮した適切な設計提案を受けられるため、長期的な視点でも有利です。
まずは実績のあるシステム開発会社に相談し、プロジェクトの進め方や注意点など、アドバイスを得るようにしましょう。
ノーコード開発の経験が豊富なシステム開発会社に依頼することで、ノーコード開発のメリットを最大限に活用できます。
4. ノーコードで業務システムを開発するデメリット
ノーコード開発には数々のメリットがありますが、同時にいくつかのデメリットも存在します。
- カスタマイズ性の制約
- パフォーマンスの制約
- ツールに依存するリスク
- セキュリティの懸念
- スケールアップが困難
ここからは、ノーコードで業務システムを開発するデメリットの具体例や解決策を紹介します。
4.1. カスタマイズ性の制約
ノーコード開発の大きなデメリットの一つは、カスタマイズ性が制限される点です。
ノーコードツールは基本的に、あらかじめ用意された機能やテンプレートを活用する設計になっているため、独自性の高い要件や業務フローを実現することが難しい場合があります。
たとえば、業界特有の規制対応や非常に複雑なデータ処理が求められる場合、標準機能では対応できない場合もあります。
【デメリットの例】
- 独自のビジネスプロセスに完全対応したシステムの構築が難しい
- 特殊な要件や高度なロジックが求められる場合には、ノーコード開発では対応できないことがある
- カスタマイズが必要な部分のみを従来のプログラミングで補完する、「ローコード」アプローチを検討する
- システム開発会社に相談し、特定の部分を専門家に依頼することで柔軟性を確保する
4.2. パフォーマンスの制約
ノーコード開発は視覚的な操作で手軽にシステムを構築できる反面、内部的にはコードが自動生成されているため、特定の条件下ではパフォーマンスが制約される場合があります。
たとえば、リアルタイムで大量のデータを処理するシステムや、膨大なトランザクションを瞬時に処理する必要がある場合、システムのパフォーマンスが不十分になることがあります。
【デメリットの例】
- 大量データを取り扱う業務システムでの動作が遅くなる
- 設定可能な範囲を超える規模のプロジェクトでパフォーマンスが劣化する
- 事前にツールの限界を理解し、小規模または中規模のシステムに限定して利用する
- パフォーマンスの問題を見越して、システム開発会社に処理速度の最適化を依頼する
4.3. ツールへの依存リスク
ノーコード開発の特性上、特定のプラットフォームやツールに依存する形でシステムが構築されます。
この依存関係が原因で、ツールの提供元がサービスを終了したり機能変更を行ったりした場合、システムの移行や再構築が必要になるリスクがあります。
また、ツールのバージョンアップが原因で既存のシステムが正常に動作しなくなる場合もあります。
【デメリットの例】
- 使用中のツールが廃止されると、システムが使用できなくなる
- ツールのアップデートにより互換性が失われる
- データのエクスポート機能や他のプラットフォームとの互換性を事前に確認する
- 長期的に安定したサポートが期待できるツールを選定する
4.4. セキュリティの懸念
多くの場合、ノーコードツールには標準的なセキュリティ対策が施されていますが、企業固有のセキュリティ要件に対しては追加的なカスタマイズが必要になる場合があります。
特定の業界基準やコンプライアンス要件を満たすためには、ツールが提供する機能以上のセキュリティ対策が必要になることもあるでしょう。
【デメリットの例】
- 外部サーバーを利用するため、情報漏洩のリスクが高まる
- 特殊なセキュリティ対策が必要な場合に対応が難しい
- プライバシーやセキュリティ要件に厳格な規制に準拠したプラットフォームを選択する
- 必要に応じて、開発会社と協力して追加のセキュリティ対策を実装する
4.5. スケールアップが困難
ノーコード開発は、迅速にシステムを構築することには優れているものの、大規模な業務システムの構築やスケールアップには制約がある場合があります。
特に、業務が複雑化して処理能力やデータの一貫性が求められる場合、ノーコードツールだけでは限界を迎えることがあります。
【デメリットの例】
- 利用可能なデータベースや機能に制限がある
- 大規模なユーザ数やトランザクションを処理できない
- スケールアップが必要な場合には、従来のプログラミングや他のプラットフォームに移行できる計画を立てておく
- 将来の拡張性を考慮し、専門のシステム開発会社と相談して段階的な移行プランを検討する
デメリットを回避・克服するためには、ノーコードの強みを活かしつつ課題を最小化しなければなりません。
デメリットを熟知したシステム開発会社と連携すれば、課題を最小化することができるでしょう。
ノーコード開発のメリットを最大限活用し、効率的かつ安全にシステムを運用することで、ビジネスの競争力をさらに強化できます。
5. ノーコード開発が適している業務システムの例
ノーコード開発にはメリットとデメリットが存在し、すべての業務システムに適しているわけではありません
ただし、特定の業務システムにおいては、コストや開発スピードの向上に非常に有効な手法です。
特に以下のようなシステムにおいては、大きなメリットがあります。
- 顧客管理システム(CRM)
- 売上管理システム
- 予約システム
- 社内ポータルサイト
それぞれのシステムにおけるメリットと必要な機能やノーコード開発での実現性について、詳しく解説していきます。
5.1. 顧客管理システム(CRM)
顧客管理システム(CRM)は、顧客情報の整理、営業活動の追跡、顧客とのコミュニケーション履歴の管理など、顧客関連のデータを統合して管理するシステムです。
- 顧客情報の一元管理により業務効率が向上
- 営業活動の進捗状況をリアルタイムで把握
- 顧客とのコミュニケーション履歴の可視化
必要な機能 | ノーコード開発での実現性 |
顧客情報の入力と管理 | 〇 |
顧客データの検索・フィルタリング | 〇 |
商談・案件管理 | 〇 |
営業活動の進捗管理 | 〇 |
コミュニケーション履歴の記録 | 〇 |
レポート・分析機能 | 〇 |
他システムとの連携(API連携) | △ |
ノーコード開発で、フォーム作成やデータベース管理、ダッシュボードなどの生成が容易になるため、初期構築と運用コストの削減ができます。
5.2. 売上管理システム
売上管理システムは、売上データを入力・集計し、財務レポートを作成するシステムです。
- 売上データを効率的に集計/分析
- 財務レポートを迅速に生成
- リアルタイムで売上状況を把握可能
必要な機能 | ノーコード開発での実現性 |
売上データの入力 | 〇 |
売上集計・分析 | 〇 |
財務レポート作成 | 〇 |
リアルタイムデータ更新 | 〇 |
請求書作成 | 〇 |
売上予測コミュニケーション履歴の記録 | △ (※一部制限あり) |
在庫連動管理 | △ |
ノーコード開発することで売上状況を迅速に把握できるようになり、データ分析が容易になります。
5.3 予約システム
シンプルな予約システムやカレンダーシステムは、レストランの予約システムや医療機関の予約管理、施設の利用予約など、業種を問わず利用されます。
- 業種に合わせた柔軟なカスタマイズが可能
- 自動化機能で業務負担を軽減
- 効率的なスケジュール管理を実現
必要な機能 | ノーコード開発での実現性 |
カレンダー表示 | 〇 |
予約枠の設定 | 〇 |
オンライン予約受付 | 〇 |
自動確認メール送信 | 〇 |
予約変更・キャンセル管理 | 〇 |
顧客情報管理 | 〇 |
決済システム連携在庫連動管理 | △ |
ノーコード開発による構築で迅速な運用開始が可能になり、手作業の煩雑さが解消されます。
5.4. 社内ポータルサイト
社内ポータルサイトは、従業員向けに社内の情報を集約し、社内の情報共有が効率的にするためのシステムです。
- 従業員間の情報共有が円滑化
- 必要な情報へのアクセス性が向上
- 簡単な申請・承認フローの構築
必要な機能 | ノーコード開発での実現性 |
お知らせ掲示板 | 〇 |
文書管理・共有 | 〇 |
社内FAQ | 〇 |
申請フォーム作成 | 〇 |
承認ワークフロー | 〇 |
権限管理 | 〇 |
社内システムとの統合ログイン | △ |
ノーコード開発することでポータルサイトの構築が短期間で完了し、業務フローの変更などによる追加要件にも迅速に対応可能です。
当然ながら、従来の開発方法でもこれらの業務システムを開発することは可能です。
しかし、ノーコード開発を採用することで、コスト削減や開発スピードの向上など、非常に多くのメリットが得られる可能性は高まります。
リソースやコストが不足することで業務システムの開発が困難であった場合でも、ノーコードによる開発であれば検討できるかもしれません。
また、一部制限がある機能については、システム開発会社との連携によって解決できる場合があります。
開発したい業務システムがノーコード開発に適しているかが気になる場合は、システム開発会社に確認してみましょう。
6. ノーコード開発で業務システムを開発する際のポイント
ノーコード開発は迅速な開発を可能にしますが、計画と運用体制が整っていなければ十分な成果を得ることは難しいものです。
しっかりと準備を整えることが、システム開発成功の鍵を握っているといっても過言ではありません。
準備においては。以下のような重要なポイントを押さえておく必要があります。
- 目的と要件を明確にする
- セキュリティ対策を強化する
- 運用後のサポート体制を整える
- ノーコードに強いシステム開発会社を選ぶ
- テストと評価を徹底的に行う
ここからは、それぞれのポイントを詳しく解説します。
6.1. 目的と要件を明確にする
システム開発に着手する前に、目的や要件を明確にすることは最も重要なステップです。
目的が曖昧なままだと、システムが期待通りに機能しない場合があります。
◆目的の明確化
システムが解決すべき課題を具体的に洗い出しましょう。
たとえば、「顧客情報を効率よく管理したい」「売上データをリアルタイムで確認したい」など、解決すべき問題を明確にします。
◆機能要件の洗い出し
システムに必要な機能をリストアップしましょう。
顧客管理システムなら「顧客情報の登録・更新機能」「取引履歴の表示」など、具体的な機能を挙げます。
◆優先順位の設定
すべての機能が同じ重要度ではないため、優先すべき機能を明確にします。
最初に実装するべき機能を決め、その後段階的に追加していきましょう。
6.2. セキュリティ対策を強化する
システム開発を行う場合は、セキュリティに十分な配慮が必要です。
特に顧客データや売上データを扱う場合、セキュリティ対策を強化することは必須といえます。
◆プラットフォームのセキュリティ機能の確認
ノーコードツールには、アクセス制御やデータ暗号化などのセキュリティ機能があります。
使用するツールが提供するセキュリティオプションを最大限に活用しましょう。
◆データ暗号化
機密データを暗号化することで、不正アクセスからデータを保護できます。
データベースの暗号化やSSL/TLSによる通信の暗号化を確保することが重要です。
◆アクセス管理
従業員やユーザごとにアクセス権限を設定し、必要な情報だけにアクセスできるようにしましょう。
機密データには管理者だけがアクセスできるように制限をかけることも有効です。
◆定期的なバックアップ
重要なデータが失われないよう、システムのバックアップを定期的に実施し、災害対策などを講じます。
6.3. 運用後のサポート体制を整える
システム開発を行う場合は、運用開始後に問題が発生することも想定しておく必要があります。
運用中に発生するトラブルに迅速に対応できるサポート体制を、十分に整えておきましょう。
◆トラブルシューティングガイドの作成
よくあるトラブルやエラーについて、迅速に対応できるガイドを作成しておくと役立ちます。
たとえば、データ入力ミスやシステムダウン時の対応方法などをまとめておくのが有効です。
◆サポートチームの設置
社内に専任のサポートチームを設置するか、外部のサポートサービスと契約しましょう。
システム運用中の問題を速やかに解決できます。
◆フィードバックの収集
システムを実際に使用する従業員からフィードバックを収集し、改善点を反映させていくことが大切です。
ユーザの意見をもとに、必要な改善を随時行いましょう。
6.4. ノーコードに強いシステム開発会社を選ぶ
ノーコード開発の成功には、ノーコードツールに精通した開発会社の選定が非常に重要です。
適切なパートナーを選ぶことで、スムーズかつ効率的なシステム開発が可能になります。
◆ノーコードツールの経験と実績
選定するシステム開発会社が、使用するノーコードツールに関する十分な知識と経験を持っていることを確認しましょう。
問題解決がスムーズに行えるようになります。
◆プロジェクト管理能力
システム開発会社のプロジェクト管理能力も重要です。
進捗管理、納期の遵守、柔軟な対応など、開発の進行中に発生する課題にしっかりと対応できる会社を選びましょう。
◆サポートとアフターケア
ノーコード開発後のサポート体制がしっかりしているかも確認しておきましょう。
システム運用後に問題が発生した場合に迅速に対応してもらえるかどうかも、選定のポイントです。
6.5. テストと評価を徹底的に行う
システムを実際に運用する前に、十分なテストを行う必要があります。
実際の業務に即したテストを行うことで、運用開始後のトラブルを未然に防げます。
◆ユーザビリティテスト
ユーザが直感的に操作できるかどうかをチェックするために行うテストです。
システムを実際に使用するユーザによるテストを実施し、使い勝手や操作性を確認しましょう。
◆負荷テスト
トラフィックが急増する場合に備えて、システムが耐えられるかをチェックするためのテストです。
複数のユーザが同時に操作したり、や大量のデータを扱ったりした場合でも正常に動作するかを確認しましょう。
◆フィードバックを反映
システムの安定性と信頼性を確保するための、重要なステップです。
テストの結果から得られたフィードバックを反映し、必要な修正や改善を加えましょう。
これらのポイントを押さえてノーコードでのシステム開発を進めることで、より効率的で高品質な業務システムを構築できるでしょう。
7. ノーコードによる業務システム開発なら「ブリエ」
業務システムを迅速に構築し、効率化を図るためには、専門的な知識と経験が欠かせません。
ノーコード開発の導入やシステム構築を検討されている企業様は、ぜひ「株式会社ブリエ」にご相談ください。
ノーコード開発はスピーディな構築だけでなく、運用中の柔軟な変更にも対応できるため、事業環境の変化に迅速に適応可能です。
しかし、いくら従来よりも簡単な手法とはいえ、導入後の業務プロセス全体を見据えた設計をして、使いやすいシステムを維持する必要はあります。
弊社では、専門的な知識を有したエンジニアがノーコード開発を活用し、お客様企業の業務課題を解決する最適なシステムをご提案いたします。
◆業務プロセスの詳細な分析と最適化提案
◆トラブルを未然に防ぐ設計と開発
◆長期間快適に使えるシステム運用の支援
ノーコードツールを最大限に活用しながら、企業様の目指す事業ビジョンを実現するために、柔軟かつ未来志向の開発を心がけております。
無料相談も承っておりますので、ノーコード開発に関するお悩みは、「株式会社ブリエ」にお問い合わせください。
まとめ
この記事では、ノーコード開発を活用した業務システム構築を検討している企業向けに、ノーコードの特徴や導入のポイントについて解説しました。
◆ ノーコード開発のメリット
- 開発スピードの大幅な向上
- 開発コストの削減ができる
- プログラミング知識不要で直感的な操作が可能
- システム変更や運用の柔軟性が高い
◆ ノーコード開発のデメリット
- カスタマイズの制約があ
- ツール依存による運用リスクがあ
- 大規模なシステムには適さない場合がある
◆ ノーコード開発を成功させるための準備
目的と課題の明確化
自社の業務フローや改善すべきポイントを洗い出し、ノーコード開発で解決可能かを判断する必要な機能の整理と要件定義
必須機能と優先順位を明確にしておくことで、適切なツールを選択しやすくなるチーム体制の構築
開発過程を管理する担当者や、運用後のメンテナンスを担うメンバーを確保する
◆ システム開発会社を選ぶポイント
豊富な実績
業界特化型や類似システムの開発経験があるか確認する柔軟な提案力
自社の業務内容や規模に応じた最適なソリューションを提供できる企業を選ぶ導入後のサポート体制
運用支援やトラブル対応が充実していることを確認する
◆ ノーコード開発プロジェクトの進め方
<導入前>
- 既存業務フローを分析し、改善点を特定する
- ノーコードツールの選定とトライアルを実施する
<導入中>
- 開発進捗を定期的に確認し、機能や画面についてフィードバックを行
- 操作マニュアルの作成や社員向けトレーニングを実施する
<導入後>
- システムの効果を測定し、必要に応じて改善を行う
- 運用サポートを受けながら、システムの継続的な最適化を進める
ノーコード開発を活用すれば、迅速かつ低コストで業務システムを構築できるため、多くの企業が導入を検討しています。
スピード・コストの面で企業に大きな利点をもたらす一方、柔軟性やセキュリティの制約があることを理解した上で活用することが重要です。
自社のニーズを明確にし、信頼できる開発パートナーと共に、最適なシステム構築を目指しましょう。
この記事が、企業のシステム開発プロジェクトを円滑に進めるための参考になれば幸いです。
株式会社ブリエ代表取締役。Webデザイン、WordPress、Elementor、DTPデザイン、カメラマンなどを経て、FileMakerエンジニアとなる。企業の経営課題であるDX化、業務効率化、ペーパーレス化、情報の一元管理など、ビジネスニーズの変化に合わせてFileMakerで業務システムを開発し、柔軟に拡張して解決いたします。