
FileMakerエンジニア

急速に進むデジタル化の波の中で、効率的かつ迅速にアプリケーションを開発する手法として「ローコード開発」が注目を集めています。
プログラミングの専門知識がなくても直感的にシステムを構築できるローコード開発は、企業に競争力の向上やコスト削減をもたらす新しい選択肢です。
- ビジュアルベースの開発環境
- 迅速なプロトタイピング
- 多様なテンプレート
- 非エンジニアでも活用可能
本記事では、ローコード開発の基本的な仕組みや従来の開発方法との違い について詳しく解説します。
- ビジュアルな開発環境による直感的な操作
- 豊富なテンプレートやコンポーネントによる効率的な開発
- 業務部門とIT部門の協働を促進する開発手法
- 迅速な開発とデプロイメントの実現
ローコード開発がどのようにビジネスの成長を加速させるか、一緒に探っていきましょう。
目次
1. ローコード開発とは

ビジネスのデジタル化が加速する現代において、ローコード開発はシステム開発における革新的なアプローチ方法として注目を集めています。
まずは、ローコード開発の基本的な概念と主な仕組みについて解説します。
1.1. ローコード開発の仕組み
ローコード開発は、プログラミングの専門知識が少なくてもソフトウェア開発を可能にする、革新的なアプローチ方法です。
専用のプラットフォームを通じて、視覚的な開発環境とドラッグ&ドロップを活用した効率的なシステムが構築できます。
ビジュアル開発環境
直感的なインターフェースを通じてUIコンポーネントを配置し、画面レイアウトやワークフローを設計できます。
必要に応じてコードを記述することで、柔軟なカスタマイズが可能です。
コーディング量を削減しつつ、視覚的に設計を進めることで効率化できます。モジュール化されたテンプレート
開発の際には、よく使われる機能やデザインパターンが組み込まれた「モジュール」を活用できます。
モジュールは多用途に活用可能で、さまざまな開発条件に対応できるよう設計されています。
必要に応じて最低限のコードも追加編集することで、高度な機能に対応可能です。自動生成コードの機能
プラットフォームが基本的なシステム構造やデータベース連携などを自動生成します。
自動生成されたコードは、必要に応じて手動で修正や追加が可能です。
開発者は生成されたコードを基に機能拡張に注力できるため、作業負担が軽減されます。統合されたバックエンド
データベース操作やAPI連携の設定が簡単に行える仕組みを備えています。
データの保存方法や外部システムとの通信ルールを、プログラミングではなくプラットフォーム内で指定するだけで設定可能です。
システム開発の方法にプログラミング全く必要としない「ノーコード開発」がありますが、ローコード開発ではプログラミング知識が必要な場面があります。
ノーコード開発が非エンジニア向けの簡易なツールであるのに対し、ローコード開発はエンジニアと非エンジニアが協力して効率的に開発を進められるのが特長です。
より高度なカスタマイズや複雑なシステム構築が可能な点が、これらの大きな違いでしょう。
なお、以下の記事では「ノーコード開発」について詳しく解説しています。
併せてご覧ください。
1.2. ローコード開発が注目される理由
現代のビジネス環境において、ローコード開発が注目を集める背景には複数の要因があります。
迅速な市場投入が可能
ビジネスアイデアを素早く形にできます。
従来の開発手法と比べて開発期間を大幅に短縮でき、市場競争力の向上につながります。IT人材不足の解消
基礎的な技術があれば、スピーディーにアプリケーション開発に携われます。
開発リソースの制約が克服できるため、より多くのデジタル化プロジェクトを推進できます。コスト削減効果が高い
開発期間の短縮と専門エンジニアの工数削減により、開発コストを抑制できます。
特に中小企業やスタートアップにとって、重要な利点となっています。DX化の加速に貢献
企業の業務プロセスやサービスのデジタル化を効率的に進められます。
従来のレガシーシステムの刷新や新規デジタルサービスの立ち上げを加速します。
ローコード開発は、目まぐるしく変化する市場のニーズに迅速に対応し、企業の競争力を維持するための強力なツールとなります。
2. ローコード開発と従来の開発方法の違い

ローコード開発と従来の開発手法と比較すると、さまざまな違いが見られます。
- 開発スピードの違い
- コスト構造の違い
- プログラミングスキルの違い
- 運用・保守の手間の違い
- カスタマイズ可能性の違い
ここでは、開発スピードやコスト、必要なスキルなど、主要な観点から両者の違いを詳しく説明します。
2.1. 開発スピードの違い
従来の開発では、詳細な設計や仕様書の作成、手動でのコーディング作業が必要で、開発期間は数カ月から数年に及ぶことが一般的です。
しかし、ローコード開発ではこれらの作業が簡素化されるため、開発期間を大幅に短縮することができます。
場合によっては、数週間で機能の追加やシステムの立ち上げが可能になることもあります。
要件定義、設計、コーディング、テストなどを手作業で行うため、開発期間が長くなる
新規機能の開発には時間とリソースが必要
視覚的な開発環境(ドラッグ&ドロップ)やテンプレート、よく使われる機能やデザインパターンを活用し、迅速な開発が可能
開発期間が数週間から数ヶ月単位で短縮される
2.2. コスト構造の違い
従来の開発では、要件定義から設計、実装、テストまで、各工程で専門的なスキルを持つエンジニアが必要となり、人件費が高騰する傾向にあります。
一方、ローコード開発では、「コンポーネント」と呼ばれる部品や要素の活用で開発者の労力を軽減することにより、開発コストを大幅に削減できます。
さらに、開発期間の短縮によって、プロジェクト全体のコストも抑制されます。
各工程に専門エンジニアが必要
開発チームの人件費がプロジェクト全体の80%以上を占める場合がある
非エンジニアも活用可能で、少人数のチームで開発が進められる。
- 再利用可能なコンポーネントの活用によりコスト削減が可能。
2.3. プログラミングスキルの違い
従来の開発では、プログラミング言語やフレームワーク、データベース技術など、多岐にわたる専門知識が必要です。
特に複雑なシステムの開発では、高度な技術力と経験が求められます。
これに対しローコード開発では、視覚的にコンテンツを作成・編集できるビジュアルエディタ機能を使用して直感的に開発を進められるため、技術的なハードルが大幅に低減されます。
高度なプログラミングスキルやフレームワークの理解が必要
複雑なシステムや特殊な要件に対応するため、専門的な技術知識を持つエンジニアの関与が不可欠
高度なプログラミング知識が不要であり、基本的な技術スキルがあれば利用可能
技術者のサポートを受けながら、ビジネス部門が直接関与してプロトタイプを迅速に作成可能
2.4. 運用・保守の手間の違い
従来のシステム開発では、ソフトウェアの運用・保守のために専門のエンジニアが継続的に関与しなければなりません。
システム更新や保守作業が手動で行われることが多く、これが運用負荷をさらに増大させます。
一方、ローコード開発ではセキュリティアップデートやシステム更新の多くが自動化されているため、手動での作業が減少することで運用負荷が軽減されます。
専門エンジニアが手作業での保守作業を継続的に行う必要がある
独自に開発されたコードが多い場合、変更や修正に多くの時間と手間がかかる
プラットフォームによる自動アップデートでメンテナンス負荷が軽減される
運用作業が自動化されているため、IT部門のリソースを効率的に活用できる
2.5. カスタマイズ可能性の違い
従来の開発では要件に応じて完全なカスタマイズが可能であり、独自の機能や特殊な要件にも対応できます。
ただし、カスタマイズの度合いが高まるほど、開発コストと期間も増大します。
ローコード開発では、プラットフォームが提供する機能の範囲内での開発となりますが、多くの場合、プラグインや追加のカスタマイズコードによって必要な機能を実装できます。
完全な自由度で設計可能。ただし、時間とコストが増加
特殊な要件や複雑なシステムに対応可能
プラットフォーム内の制約があるが、プラグインや追加スクリプトで拡張可能
一般的な要件は短期間で実現可能
ローコード開発と従来の開発方法は、スピードやコスト、必要なスキル、運用の手間に大きな違いがあります。
そのため、プロジェクトの規模や目的に応じて適切な手法を選択することが重要です。
どちらが適切であるか迷う場合には、システム開発会社に相談するようにしましょう。
3. ローコード開発のメリット

ローコード開発の主要なメリットは、従来の開発手法と比較して大幅な効率化とコスト削減を実現できる点ですが、他にもさまざまなメリットがあります。
- 開発期間の短縮ができる
- 初期コストの削減ができる
- 高度なプログラミング知識が不要
- 簡単なプロトタイプ作成ができる
- ビジネスニーズへの素早い対応が可能
以下では、具体的なメリットを詳しく解説していきます。
3.1. 開発期間の短縮ができる
ローコード開発では、プラットフォームが提供する視覚的な開発環境と、あらかじめ用意された豊富なテンプレートにより、開発工程が大幅に簡素化されます。
従来の手法では数ヶ月かかっていた開発が、数週間で完了することも可能な場合もあります。
ビジネスアイデアを素早く市場に投入でき、競争優位性を確保できるでしょう。
従来の手法で約6ヶ月かかると見積もられていた配送管理システムを、ローコード開発によって1ヶ月以内に完成させ、すぐに運用を開始しました。
迅速な開発により、繁忙期の需要増加にも即座に対応可能となり、顧客からの注文の取りこぼしが減少。
リアルタイムで配送状況を把握できるため、遅延やトラブルが減少し、サービスの質が向上しました。
3.2. 初期コストの削減ができる
ローコード開発では、専門的なプログラミングスキルを持つエンジニアの需要が減少するため、人件費を含む初期開発コストが大幅に削減できます。
特に、限られた予算で開発を進める必要があるスタートアップや中小企業にとって、この利点は非常に重要でしょう。
社内の勤怠管理アプリを開発する際、ローコード開発を選択することで従来の外部委託費用の3分の1でシステムを導入。
さらに、従業員が自らフォームを作成することで、追加コストも削減しました。
システムの導入により、従業員の労働時間の正確な追跡が可能になり、残業時間の減少による人件費削減にもつながっています。
3.3. 高度なプログラミング知識が不要
直感的なドラッグ&ドロップインターフェースと視覚的な開発ツールにより、プログラミングの専門知識がない業務担当者でもアプリケーション開発に参加できます。
ビジネスの現場を熟知した社員が直接開発に関わることができるため、より実務に即したシステムを構築できます。
営業チームが、IT部門のリソースを消費せずに顧客情報管理ツールを作成。
契約ステータスや見積もり履歴を視覚化するなど、現場ならではのアイデアを活かしたことで個別の営業戦略が立てやすくなりました。
チームメンバーが開発に関わることでシステムが業務にフィットしやすく、運用がスムーズに進みました。
3.4. 簡単なプロトタイプ作成ができる
アイデアを素早くプロトタイプとして形にできるため、関係者との早期の合意形成が可能です。
実際の動作を確認しながら要件を具体化できるので、開発の方向性を誤るリスクも低減できます。
また、顧客からのフィードバックを素早く反映させることで、より満足度の高い製品開発が可能になります。
小売業者が新しいモバイルオーダーアプリのプロトタイプを3日間で作成し、顧客へのテストを実施。
顧客からのフィードバックを基にUI(ユーザインターフェース)を改善し、再度テストを行いました。
実際のリリースまでの期間を2ヶ月短縮することができ、売上の向上に繋がりました。
また、プロトタイプを早期に顧客に見せることで顧客の期待に応える形で改良を重ね、顧客満足度も向上しています。
3.5. ビジネスニーズへの素早い対応が可能
市場環境や顧客ニーズの変化に応じて、迅速にアプリケーションを修正・改善できます。
従来の開発手法では時間がかかっていた機能追加や変更も、ローコード開発では素早く対応できるため、ビジネスへの適応力が向上します。
ローコード開発で構築した顧客データ分析ツールを活用し、新商品の売れ筋分析を迅速に実施。
競合が同様の商品を市場に出す前に、プロモーションキャンペーンを展開し、売上を最大化しました。
分析ツールに新たにトレンド予測機能を追加するために、1週間以内にアップデートが完了。
新しいデータを基にリアルタイムで顧客動向を把握し、最適なタイミングでマーケティング戦略を打ち出せました。
ローコード開発は、開発期間の短縮や初期コストの削減、高度なプログラミング知識の不要性など、さまざまなメリットを企業にもたらします。
特に変化の激しい市場環境において、ローコード開発の迅速な対応力は競争力を維持するうえで非常に重要です。
これらの利点を最大限活用することで、企業は革新的なビジネスの実現に一歩近づくことができるでしょう。
4. ローコード開発のデメリット

ローコード開発には多くのメリットがある一方で、いくつかの課題や制限も存在します。
- カスタマイズ性の制約がある
- セキュリティリスクの懸念がある
- 長期的なコスト増大する場合がある
- 技術的負債のリスクがある
- データ連携が複雑な場合がある
ここでは、ローコード開発によるプロジェクトを成功に導くために認識しておくべき、主要な課題について説明します。
4.1. カスタマイズ性の制約がある
ローコード開発はプラットフォームが提供している機能やテンプレートの範囲内での開発が基本となるため、高度なカスタマイズや独自の機能実装が制限される場合があります。
特に複雑な業務ロジックや特殊な要件への対応が必要な場合、実現が困難になることがあります。
独自の計算ロジックや高度なデータ分析機能を組み込む必要がある場合、ローコード開発では対応できない場合があります。
特に、外部APIとの複雑な連携や細かな動作調整が必要な場面では、プラットフォームの制約に直面することが少なくありません。
結果として、ローコードでの開発を選択したものの、最終的に従来の開発手法でコードを書き直す必要が生じることもあり得ます。
4.2. セキュリティリスクの懸念がある
使用するプラットフォームのセキュリティ機能に依存するため、企業独自のセキュリティポリシーの完全な実装が難しい場合があります。
また、クラウドベースのプラットフォームを使用する場合、データの管理や保護に関する懸念が生じるリスクもあります。
ローコード開発を利用して顧客情報を管理するアプリケーションを開発した場合、プラットフォームが提供するセキュリティ機能だけでは、企業の高度なデータ保護要求に対応できないことがあります。
特に規模の大きい企業や医療、金融など高いセキュリティ基準が求められる業界では、プラットフォームに依存することがリスクになる場合が多いでしょう。
外部のセキュリティ脅威から守るために、追加的なセキュリティ対策が必要なこともあります。
4.3. 長期的なコストが増大する場合がある
初期コストは抑えられても、プラットフォームの利用料やライセンス費用が継続的に発生するため、長期的には従来の開発手法よりもコストが高くなる場合があります。
特にユーザ数やデータ量が増加した場合、費用が予想以上に膨らむことがあります。
ローコード開発によって初期のプロジェクトを開発した場合、初期投資は抑えられる一方で、ユーザ数が増えたり、データ量が膨大になったりすると、ライセンス費用やクラウドサービスの利用料が高額になることがあります。
たとえば、月額数千円で使用していたプラットフォームが、利用者の増加に伴い数十万の費用が発生する場合もあり、長期的には予算を圧迫することがあります。
4.4. 技術的負債のリスクがある
プラットフォームのバージョンアップや仕様変更、さらにはサービス終了などにより、開発したシステムの維持が困難になるリスクがあります。
また、プラットフォームへの依存度が高いため、別のプラットフォームへの移行も容易ではありません。
ローコード開発によって作成したシステムが、プラットフォーム側で機能変更やサービス終了のアナウンスを受けた場合、既存のアプリケーションが使えなくなったり、大幅な変更が必要になったりする場合があります。
特に、プラットフォームのアップデートが行われる際、互換性の問題でアプリケーションが正常に動作しないリスクもあります。
結果として、再開発や移行作業に追加のコストが必要になる場合も少なくありません。
4.5. データ連携が複雑な場合がある
既存のシステムや外部サービスとの連携が必要な場合、ローコードプラットフォームの標準機能だけでは対応が難しいことがあります。
特に複雑なデータ変換や高度な連携機能が必要な場合は、追加的な開発作業が発生することが少なくありません。
ローコード開発したシステムと、統合基幹システム(ERP)や顧客関係管理(CRM)システムなどの既存システムとデータを連携させようとしても、プラットフォームの標準的なデータ連携機能では対応できないことがあります。
たとえば、リアルタイムでデータを同期する必要がある場合、ローコードでの簡単な連携ではデータ変換や整合性の問題が発生し、追加のプログラミングやカスタマイズが必要になるなどです。
このようなケースではローコード開発の簡便さがかえって制約になり、開発の手間が増えることがあります。
これらのデメリットは、ローコード開発の利便性を最大限に活用するために理解しておくべき重要なポイントです。
適切な選定と戦略的な対策を講じることで、ローコード開発の利点を活かすことができます。
5. ローコード開発を成功させるためのポイント

ローコード開発プロジェクトを成功に導くためには、適切な準備と計画が不可欠です。
- 要件定義を綿密に検討する
- 適切なプラットフォームを選ぶ
- 専門家のサポートを得る
このセクションでは、プロジェクトを成功に導くための特に重要な要素と、具体的な実践方法を紹介します。
5.1. 要件定義を綿密に検討する
ローコード開発においても、従来型の開発と同様に綿密な要件定義が欠かせません。
ビジネスゴールを明確にして必要な機能や非機能要件を詳細に洗い出すことで、開発の方向性が定まり、手戻りを防ぐことができるでしょう。
要件定義では以下の点を特に注意して検討する必要があります。
- ビジネスゴールの明確化
- 必要な機能の優先順位付け
- ユーザ数と同時アクセス数の想定
- データ量の予測と成長率
- セキュリティ要件の特定
- 既存システムとの連携要件
- 将来的な拡張性の考慮
- コンプライアンス要件の確認
将来的な拡張性やスケーラビリティについても考慮に入れた要件定義を策定することで、長期的な運用を見据えたシステム構築が可能となります。
5.2. 適切なプラットフォームを選ぶ
プラットフォームの選定はローコード開発の成否を左右する重要な要素です。
業界特有の要件に対応可能か、セキュリティ基準を満たしているか、既存システムとの連携が可能か、などの観点から慎重に検討する必要があります。
評価項目 | 確認ポイント |
機能性 |
必要な機能の提供状況、カスタマイズ性
|
使いやすさ |
UI(ユーザインターフェース)、学習容易性
|
信頼性 |
実績、安定性、バックアップ機能
|
拡張性 |
スケーラビリティ、API連携機能
|
セキュリティ |
認証機能、暗号化対応、監査ログ
|
サポート |
技術サポート体制、ドキュメント充実度
|
コスト | 初期費用、運用コスト、ライセンス体系 |
プラットフォームの選定は、ライセンス体系や保守サポート体制なども含めて総合的に評価することが重要です。
専門的な知識が必要になる場合もあるため、システム開発会社などからの専門的なアドバイスを参考にすることをおすすめします。
5.3. 専門家のサポートを得る
ローコード開発は技術的な障壁を下げますが、効率的な開発やベストプラクティスの導入にはシステム開発会社などの専門家の知見が有用です。
- 要件定義の段階で、自社のビジネスプロセスに最適な設計を行う必要がある場合
- 初期段階で開発ツールやプラットフォームの選定に迷った場合
- プロジェクトのスケジュールがひっ迫していて、迅速な開発を求められる場合
- 複雑な業務プロセスをシステムに反映させる必要がある場合
- 外部システムとの連携やデータ統合が必要な場合
- 開発中に技術的な課題や障壁に直面した場合
- システム運用後の保守や追加開発を見越して、効率的な開発体制を整えたい場合
特に初期段階での設計支援や複雑な機能の実装時には、経験豊富な専門家のサポートを受けることで、品質の高いシステムを構築できます。
なお、「株式会社ブリエ」は豊富なローコード開発の実績を活かして、最適なシステム開発をサポートしています。
無料相談も行っておりますので、お気軽にお問合せください。
6. ローコード開発をシステム開発会社に依頼する方法

外部のシステム開発会社にローコード開発を依頼する際には、適切なパートナー選びと綿密な準備が重要です。
- ニーズに合った会社を選定する
- ポートフォリオや事例を確認する
- 要件定義と見積もりを明確にする
- コミュニケーション体制を確認する
- 開発プロセスやスケジュールを共有する
ここでは、成功的な開発パートナーシップを築くための具体的なステップと注意点を解説します。
6.1. ニーズに合った会社を選定する
ローコード開発の経験が豊富で、自社の業界に精通したシステム開発会社を選ぶことが重要です。
開発実績、技術力、業界知識などを総合的に評価し、長期的なパートナーシップを築ける会社を選定します。
企業規模や文化の親和性も考慮に入れるとよいでしょう。

- 採用しているローコードプラットフォームの種類と専門性
- 自社業界における開発実績と業務知識
- システム開発における技術力と品質管理体制
- 保守や運用段階を含めた長期的なサポート体制
- 開発チームの規模と経験レベル
6.2. ポートフォリオや事例を確認する
候補となるシステム開発会社の過去の開発事例やポートフォリオを詳細に確認しましょう。
特に類似案件の実績や、その開発で使用したローコードプラットフォームの種類、開発期間、コスト感などの情報を収集するのが重要です。
過去の顧客からの評価や満足度なども確認するとよいでしょう。

- 類似業界での開発事例と具体的な成果
- プロジェクトの規模と期間の実績
- 採用したローコードプラットフォームの活用方法
- カスタマイズや外部システム連携の実績
- アジャイル開発やスクラム開発の経験
6.3. 要件定義と見積もりを明確にする
プロジェクトの目的や期待する成果、必要な機能などを明確に文書化し、開発会社と共有しましょう。
これに基づいて、設計や実装の対象範囲、コスト、納期などの見積もりを取得し、双方で合意を形成します。

- システムの目的と期待する効果
- 必要な機能の詳細仕様
- パフォーマンス要件とスケーラビリティ
- セキュリティ要件と認証方式
- データ移行の範囲と方法
- 他システムとの連携要件
- 保守・運用要件
6.4. コミュニケーション体制を確認する
プロジェクトの進捗管理方法、報告頻度、主要な連絡窓口、問題発生時の対応フローなど、コミュニケーション体制を事前に確立しましょう。

- プロジェクトマネージャーと主要メンバーの役割
- 定例会議の頻度と参加者
- 進捗報告のフォーマットと提出タイミング
- 課題管理の方法とエスカレーションフロー
- 仕様変更時の合意形成プロセス
また、遠隔での開発となる場合は、オンラインツールの活用方法や定例会議の実施方法などについても確認するとよいでしょう。

- 使用するコミュニケーションツール
- オンラインミーティングのルール
- ドキュメント共有の方法
- セキュアなデータ共有の手順
6.5. 開発プロセスやスケジュールを共有する
開発のマイルストーン、各フェーズでの成果物、テストの実施方法、リリース計画など、プロジェクト全体のプロセスとスケジュールを明確にします。

- 採用する開発手法
- 各フェーズでの成果物の定義
- 品質管理基準とテスト計画
- リリース戦略とユーザトレーニング計画
- 本番環境への展開手順
さらに、想定されるリスクと対応策についても事前に協議しておくこと安心です。
想定リスク | 効果的な対策 |
新技術や設計の問題が開発を遅延させる | 開発前に技術的な課題をリストアップし、プロトタイプや技術検証を実施する。 |
タスクの遅延や不測のトラブルでスケジュールが崩れる | 余裕を持ったスケジュール設定、進捗をリアルタイムで共有できるツール導入、クリティカルパスの明確化。 |
ツールが動作しない、または環境に適さない | 動作環境を事前テストし、複数の選択肢を検討。ベンダーのサポート体制を確認する。 |
APIやデータフォーマットの不整合で問題が発生 | 事前に互換性を検証し、仕様変更時にも対応できる柔軟な設計を採用する。 |
情報共有不足やタスクの進捗が不透明になる | 定期的なミーティングとタスク管理ツールの活用により、透明性を持った進捗管理を実施する。 |
人員不足やスキルの不足で進行が停滞する | クロストレーニングを実施し、外部リソースを活用できる準備を整える。 |
規制違反や適応遅れでプロジェクトに影響が出る | 専門家のサポートを受け、チェックリストを作成。法規制の最新情報を定期的に確認し、変更に迅速対応できる体制を整える。 |
システム開発会社との強固なパートナーシップが、ローコード開発を成功させるカギとなります。
綿密な準備と計画を行うことで、効率的かつ効果的な開発プロジェクトの実現が可能となるのです。
決してシステム開発会社だけに任せず、プロジェクト開始後も定期的な評価と改善を行い、継続的な関係構築を目指すことも意識しましょう。
7. ローコード開発なら「ブリエ」

ローコード開発は、専門的なプログラミング知識がなくても迅速にシステムを開発できるため、企業にとって大きなメリットをもたらします。
コストを抑えつつ、ビジネスのデジタル化を加速させることができるのは、大きな魅力でしょう。
しかし、より複雑な要件やカスタマイズが必要な場合、専門的な知識と経験が求められることもあります。
「ブリエ」は、豊富なローコード開発の実績を持ち、システム設計から機能実装、運用サポートまで幅広い提案・対応をしております。
企業が求める複雑な業務ロジックや高度なカスタマイズにも対しても、短期間で高品質なシステムを構築することが可能です。
御社のビジネスニーズに合わせたシステムを迅速に開発し、無駄を省いた効率的なソリューションを提供いたします。
ローコード開発の最適なパートナーをお探しなら、信頼の実績を誇る「ブリエ」にお任せください。
8. まとめ
この記事では、ローコード開発の導入を検討している企業に向けて、ローコード開発の特長や、導入のタイミングについて解説しました。
- 開発スピードが大幅に向上する
- 専門的なプログラミングが不要
- 業務プロセスを効率的にデジタル化できる
- 開発コストを削減できる
- ローコード開発の制約が影響を与えることがある
- 大規模なシステムや複雑な要件に対応するには限界がある
- 将来的な移行や拡張が難しくなる場合がある
- プラットフォームに依存するリスクがある
- 開発期間を短縮したい場合
- 予算が限られている中でシステムを構築する必要がある場合
- プログラミングスキルを持たないメンバーでも開発に参加したい場合
- 小規模なプロジェクトやプロトタイプの作成を行う場合
- 簡単な業務システムや内部ツールを迅速に構築したい場合
- ローコード開発における成功事例や顧客のフィードバックを重視する
- 自社のニーズや業務フローに適した提案ができるパートナーを選ぶ
- 開発後のサポートや運用支援が充実しているパートナーを選ぶ
- 技術的な柔軟性や拡張性の高いプラットフォームを提供できるか確認する
- 予算やスケジュールに適合する提案を行えるか検討する
- 現状の業務フローを分析
- システム要件を明確化
- 開発状況の確認
- 定期的な進捗レビューを実施する
- 導入後のサポート体制を整える
- 専門家からの継続的なサポートを受ける
ローコード開発のスピードを活かせば、業務のデジタル化と効率化を加速させることができます。
業務内容に応じた適切なプラットフォームを選定し、信頼できる開発パートナーと連携ながら、効率的かつ効果的なシステム開発を目指しましょう。
この記事が、企業のローコード開発を導入する参考となれば幸いです。

株式会社ブリエ代表取締役。Webデザイン、WordPress、Elementor、DTPデザイン、カメラマンなどを経て、FileMakerエンジニアとなる。企業の経営課題であるDX化、業務効率化、ペーパーレス化、情報の一元管理など、ビジネスニーズの変化に合わせてFileMakerで業務システムを開発し、柔軟に拡張して解決いたします。