システム開発の外注を成功させる!外注の流れから注意点まで網羅解説

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監修:神保 和匡

FileMakerエンジニア

「新しいシステムを導入したいが、自社で開発するには技術やリソースが足りず、外注を検討している」
「システム開発の外注は初めてで、何から手を付けたらいいかわからない」

新しくシステムを開発するにあたり、このようなお悩みをお持ちの企業様は多いのではないでしょうか。

システム開発の外注がどのようなものか、今すぐ簡単に知りたいという場合は、基礎知識をまとめた以下の表をご覧ください。

システム開発外注の基礎知識
外注の流れ

・外注先を選定する
・要件定義(システムの内容決め)を行う
・設計・プログラミング・テスト
・納品されたシステムを受け取る
・稼働後は運用・保守を行う

※赤字部分の作業は、外注先のシステム開発会社が行うのが一般的

費用

小規模なシステム:200万~400万円
中規模なシステム:400万~800万円
大規模なシステム:~3,000万円

※大規模・複雑なシステムほど費用は高額になる

期間

小規模なシステム:1~4カ月
中規模なシステム:6カ月~1年
大規模なシステム:2~3年

※大規模・複雑なシステムほど期間は長くなる

メリット

・専門知識や技術を駆使したスピーディーな開発が実現する
・システム開発に割くリソースを柔軟に調整できる
・総合的にはコスト削減に繋がる可能性がある

→小規模・短期間のプロジェクトであるほど、専門的な業務をスポット利用できる外注のメリットが大きい

デメリット

・自社開発と比べて開発費用が高額になりやすい
・社内にシステム開発のノウハウがたまらない
・セキュリティリスクが高くなりやすい

企業の成長と共に拡大していくような大規模プロジェクトの場合は、外注せずに内製化※も検討した方が良い

※外部委託していた業務を自社のリソースを使って実施するよう切り替えること

システム開発の外注は、専門知識や技術を駆使したスピーディーな開発が可能ですが、一方でコスト管理やセキュリティ面では注意が必要です。

そのため、システム開発の外注を成功させるためには

・技術面
・コスト面
・セキュリティ面

といったあらゆる面で信頼できる、総合能力の高いシステム開発会社を選んで依頼することが重要になります。

本記事では、これからシステム開発を外注しようと考えている企業様に向けて、「システム開発の外注がどのようなものか」を以下の順にわかりやすくお伝えします。

・システム開発外注の基礎知識(流れ・費用・期間)
・システム開発を外注するメリット・デメリット
・システム開発の外注先の選び方
・システム開発の外注を成功させる8つのポイント

システム開発の外注について正しく理解し、貴社の成長に繋がるような新システムをスムーズに導入できるよう、情報収集の入口としてぜひご活用ください。

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目次

システム開発の外注とはどのようなもの?押さえておきたい基礎知識

まずは、システム開発の外注に関する基礎知識を

・システム開発を外注する流れ
・システム開発を外注する費用と期間の相場

の順に解説します。

実際に行動を起こす前に、システム開発の外注がどのようなものか、大まかに把握しておきましょう。

システム開発を外注する流れ

システム開発を外注する流れは、以下のとおりです。

システム開発を外注する流れ
1.外注先の選定

複数のシステム開発会社から見積もりを取り、発注する1社を選定して契約する

※詳しくは記事の後半「4.システム開発の外注先の選び方」で解説します

2.要件定義

システムの具体的な内容を決める

【要件定義で決めるもの】
・必要な機能
・対応ブラウザ・ OS
・運用方法
・予算
・スケジュール
・必要な人員

※発注者が外注先に「提案依頼書」を提出し、それを元に双方で話し合って決めていくのが一般的

3.設計

要件定義を元に、システムの仕様や構造をまとめる

・外部設計:操作画面のレイアウトなど、ユーザーインターフェースを設計
・内部設計:システムの内部やインフラなど、詳細な部分の設計

4.プログラミング

設計を元に、エンジニア・プログラマーがプログラミングを行う

5.テスト

作成したプログラムが正常に作動するか、テストを行う
バグが見つかれば適宜修正する

6.納品 

完成したシステムが納品される

外注先から操作方法のレクチャーを受け、問題なく作動するか発注者側もチェックする

7.保守・運用 

システムが安定して作動し続けるよう、定期的にメンテナンスや修正を行う

※外注先が有償オプションとして提供するケースが一般的

上記の流れの中で、発注者側の企業が行う作業は

・外注先の選定
・提案依頼書の提出
・要件定義の話し合い
・テスト、検収

のみです。

基本的には外注先の企業が主導となってプロジェクトが進められますが、

・進捗の共有
・絶対に譲れないポイントの確認

といった外注先とのコミュニケーションを密に取ることで、希望通りのシステムをスムーズに開発しやすくなります。

システム開発を外注する費用と期間の相場

システム開発を外注する費用と期間の相場は、次のとおりです。

【システム開発を外注する費用と期間の相場】

費用の相場

小規模:200万~400万円
中規模:400万~800万円
大規模:1,000万~3,000万円


期間の相場

小規模1~4カ月
中規模:6カ月~1年
大規模:2~3年

相場の範囲が広く、「結局どのくらいのお金と時間がかかるの?」と感じるかもしれませんが、システム開発の費用と期間は

・プロジェクトの規模
・システムの複雑さ
・開発手段

によって大きく左右されるため、相場を詳細な数値で示すことは難しいのが実情です。

ここで、実際にシステム開発を外注した企業がどのくらいの費用・期間をかけているのか、事例をいくつか見てみましょう。

事例1.様々な業種の見積・請求システム

・プロジェクト規模:小規模
・システムの複雑さ:比較的簡単(見積、請求、顧客管理など)
・開発手段:※スクラッチ

費用:250万円程度
期間:約6カ月

※スクラッチ:オーダーメイドのシステムを一から開発する方法。開発コストが高くなりやすい

事例2.工事系の基幹システム

・プロジェクト規模:中規模
・システムの複雑さ:比較的簡単(見積、請求、顧客管理、案件管理、ワークフローなど)
・開発手段:※スクラッチ

費用:600万円程度
期間:約6カ月

事例3.医薬品卸の業務システム

・プロジェクト規模:大規模
・システムの複雑さ:比較的複雑(社内側の業務システムと顧客側の注文システムが連携した管理システムなど)
・開発手段:スクラッチ※

費用:2,000万円程度
期間:約1年

あなたの会社が新システムを導入した際にかかる具体的な費用と期間は、見積もりを出してみるまでわかりません。

上記の事例は、あくまで参考程度に費用感を捉えておくと良いでしょう。

システム開発を外注するメリット

本章では、システム開発を外注する3つのメリットについて解説します。

・専門知識や技術を駆使したスピーディーな開発が実現する
・システム開発に割くリソースを柔軟に調整できる
・総合的にはコスト削減に繋がる可能性がある

自社でシステム開発する場合と比べてどのような点が優れているのか、正しく把握しましょう。

専門知識や技術を駆使したスピーディーな開発が実現する

システム開発を外注する最大のメリットとも言えるのが、「専門知識や技術を駆使したスピーディーな開発が実現する」という点です。

システム開発のノウハウやリソースが無い企業でも、最新の技術や知識を持つプロに外注することで高品質・短期間の実装が可能になり、

・課題解決(人手不足の解消など)
・企業の成長(顧客満足度向上など)

といった「システム開発によって達成したい未来」を最短ルートで叶えることができます。

反対に、専門知識を持たない企業が外注せずに自社でシステムを開発しようした場合、以下のような失敗に繋がるリスクがあります。

専門知識を持たない企業がシステムを自社開発した場合によくある失敗

・新たにエンジニアを雇用・育成するのに時間がかかる
・最新の技術をキャッチアップできず、競合他社のシステムに遅れを取ってしまう
・時間をかけて開発したシステムが上手く機能せず、期待していた効果を得られない

以上のことから、システム開発の外注は

「1日でも早く新システムを開発・実装したい」
「システム開発ができる社員を一から雇用・教育する余裕がない」

といった企業にとっては特に大きなメリットがあると言えるでしょう。

システム開発に割くリソースを柔軟に調整できる

システム開発に割くリソースを柔軟に調整できるというのも、システム開発を外注する大きなメリットです。

プロジェクトの内容やフェーズに応じて「その時必要な人材」を確保・配置できるため、コストに無駄が生じにくくなります。

具体的にどういうことか、ECサイトの開発を例に見てみましょう。

システム開発の外注によってリソースを調整できる例
(中規模業務システム開発の場合)
プロジェクトのフェーズ

必要なリソース

企画・設計

・プロジェクトマネージャー:1名
・UI/UX設計のデザイナー:1名

開発

・SE(システムエンジニア):1名
・PG(プログラマー):1名
・テストエンジニア:1名

を増員し、チームを拡大

テスト・修正

・テストエンジニアを1名増員

納品後の運用・保守

SE、PG2名のみに縮小

上の例を見て分かるとおり、システム開発はプロジェクトのフェーズによって必要な人材や人数が変動していきます。

上記のような柔軟なリソースの増減を、自社で雇っている社員の間で行うのは非常に困難です。

特定の分野に強いプロフェッショナルを最も必要なタイミングで自由に配置できるのは、外注でしか実現し得ないチーム編成と言っても過言ではないでしょう。

以上のことから、最適化されたリソースで無駄なくプロジェクトを進行させたい企業にとっては、システム開発の外注によって

・技術
・時間
・人数

を自由に調整できるのが大きなメリットになり得ます。

総合的にはコスト削減に繋がる可能性がある

システム開発を外注するメリット、最後は「総合的にはコスト削減に繋がる可能性がある」という点です。

他社に外注することで開発費用は当然かかるものの、

・スキルの高いエンジニア・デザイナーを自社で新たに雇用する人件費
・社内のエンジニアに最新の技術や知識を習得させる研修・教育費用

といった「内製化に必要なコスト」がかからないことを考えると、トータルのコストは自社開発するよりも低くなる可能性があります。

システム開発を外注した場合と、内製化した(自社で行った)場合とでは必要なコストにどのような差があるのか、具体的に比較してみましょう。

システム開発を外注した場合・内製化した場合の必要コスト比較
外注した場合

内製化した場合

・開発費用
・開発後の保守費用

※内訳の大部分がプロジェクトマネージャー・エンジニア・デザイナー等の人件費

→技術が高いほど単価も高くなるが、開発が終わればランニングコストは保守費用のみ

【新たに人材を雇用する場合】
・開発に必要な人材を雇用する求人・採用コスト
・エンジニア・デザイナー等の人件費

→正規雇用の場合、プロジェクトが終了しても人件費は発生し続ける

【すでに在籍している社員で賄う場合】
・不足している技術や知識を習得させる研修・教育費用

→経済的コストだけではなく、時間的コストも発生する

一概にどちらが安くなるとは言えませんが、「初期費用が高額になりやすいのが外注・金銭以外のコストがかさみやすいのが内製化」といった傾向があると言えます。

そのため、

・短期的なプロジェクト(長期・継続的な人件費がかからない)
・継続的にブラッシュアップする必要がないシステム開発(自社内で定期的に話し合う必要がない)

においては、専門家の技術と知識をスポット活用できる外注を採用することで、コスト削減につながる可能性があるでしょう。

システム開発を外注するデメリット

システム開発の外注は、多くのメリットがある一方で、次のようなデメリットもあります。

・自社開発と比べて開発費用が高額になりやすい
・社内にシステム開発のノウハウがたまらない
・セキュリティリスクが高くなりやすい

良い面も悪い面も知ったうえで、外注するかどうかの最終的な判断を下すと良いでしょう。

自社開発と比べて開発費用が高額になりやすい

システム開発を外注する最大のデメリットとも言えるのが、自社開発と比べて開発費用が高額になりやすいという点です。

システム開発を他社のプロに依頼した場合、数百万~数千万円の開発費用がかかり、外注する以上この出費は避けられません。

自社内にシステム開発の担当者がいない・高い技術やノウハウがない場合は、

・システム開発会社に外注する
・自社で新たにエンジニアを雇用する(自社開発)
・自社に在籍している社員にシステム開発スキルを習得してもらう(自社開発)

以上のいずれかを選択しなければならず、場合によっては自社開発した方がコストが安くなる可能性もあります。

これは、システム開発を外注する3つめのメリット「2-3.総合的にはコスト削減に繋がる可能性がある」と表裏一体のデメリットとも言えるでしょう。

Q.外注と自社開発・結局コストがかからないのはどちら?
A.システムの規模や内容によって変わるため、どちらが安い・高いとは一概に言えない

システム開発を外注した場合と自社で開発した場合、最終的にいくらコストがかかるかは、蓋を開けてみなければわかりません。

そのため、「どちらか一方の方が安い」と一概に言うことはできませんが、一般的な傾向としては以下のようなものがあります。

・短期間のプロジェクト:ピンポイントでリソースを調達できる外注の方が向いている
・長期間のプロジェクト:社員がコミットできる自社開発の方が向いている

数年~数十年スパンで会社の成長と共にシステムの内容も変わっていくような、大規模プロジェクトの場合は、新たにスタッフを雇う・教育するなどして内製化させた方がコストがかからないケースもあります。

以上のことから、大規模・長期間のプロジェクトを予定している場合は外注にこだわらず、自社開発も視野に入れてみてはいかがでしょうか。

社内にシステム開発のノウハウがたまらない

社内にシステム開発のノウハウがたまらないというのも、システム開発を外注するデメリットのひとつです。

システム開発を外注すると、

・設計
・プログラミング
・テスト・修正

といった作業はほぼ全て外注先に任せることになるため、社内のメンバーがシステムに関して深く理解することは基本的にありません。

つまり、「システム開発を他社に外注するノウハウ」は蓄積されるものの、システム開発そのものは外注先に依存している状態にあります。

今後新たにシステム開発をしようと思った場合、また一から外注するか、内製化に向けてコンサルタントや外部の専門家から技術を学ばなければなりません。

もし貴社が「ゆくゆくはシステム開発を内製化できるよう、今回の外注で開発の技術や知識を吸収しよう」と考えているのであれば、望むような効果はあまり期待できないと思っておいた方が良いでしょう。

セキュリティリスクが高くなりやすい

セキュリティリスクが高くなりやすいというのも、システム開発を外注するデメリットです。

企業の情報を他社と共有することになるため、システムのセキュリティが甘かった場合、情報管理が自社内で完結している内製化と比べて

・情報漏洩
・システム障害

といった問題が発生するリスクが高まりやすくなります。

システム開発を外注したことによって、セキュリティ上の問題が発生した事例には、次のようなものがあります。

事例1.情報漏洩が発生した大手教育関連企業のケース
発生日

2014年6月

被害内容

3,000万件以上の顧客情報が外部に流出
(氏名・住所・電話番号・メールアドレスなど)

原因

システム開発を担当していた業務委託先の社員が、不正に社内情報を持ち出していた

事例2.システム障害が発生した大手食品会社のケース
発生日

2024年4月

被害内容

基幹システムの移行時にシステム障害が発生し、商品の出荷停止が2カ月間以上続いた

原因

未発表

いずれも自社開発のシステムであっても起こり得るトラブルであり、一概に外注そのものが危険とは言えませんが、上記のような事例が発生しているのが実情です。

しかし、セキュリティに関して高い技術を持つ専門家に外注することで、かえってセキュリティリスクが低減されるというケースもあるため、必ずしも「外注=セキュリティリスクが高い」とは言いきれないということも把握しておきましょう。

【結局のところ、「どの外注先を選ぶか」が最重要!】

ここまで、システム開発を外注するメリット・デメリットについて解説してきましたが、メリットを最大化・デメリットを最小化するためには「優れた外注先を選ぶこと」が最も重要です。

・技術面
・コスト面
・セキュリティ面

といったあらゆる面で信頼できる、総合力の高い開発会社を選んで依頼すれば、自社開発よりも高品質・低予算・安全なシステム開発も夢ではありません。

では、実際にどのような外注先を選べばいいのか、次章で詳しくお話しします。

システム開発の外注先の選び方

ここからは、システム開発の外注先の選び方を、以下の順に解説します。

・外注できる範囲を確認する
・開発担当者とスムーズにコミュニケーションが取れるかを確認する
・納品後のサポート体制が整っているかを確認する

外注によるシステム開発が成功するか失敗するかは、「どのシステム開発会社を選ぶか」にかかっていると言っても過言ではありません。

本章の内容を意識しながら外注先を比較検討することで、技術面・コスト面・セキュリティ面に優れた総合力の高い外注先を選べるようになります。

外注できる範囲を確認する

システム開発の外注先の選び方として最も初歩的なものと言えるのが、外注できる範囲の確認です。

一口に「システム会社」と言っても、得意とする技術や分野は、開発会社によって異なります。

外注先の候補となるシステム開発会社を見つけたら、依頼したいシステムの開発が「そもそもその会社で技術的に実現可能かどうか」を確認しましょう。

具体的な確認方法としては、以下のようなものが一般的です。

・公式Webサイトで過去の実績・事例を確認
・担当者に直接問い合わせる

自社で開発したいシステムに似た実績・事例のある開発会社を見つけるのが理想ですが、

・ニッチな業界・特殊な技術を要するシステムの場合、似た事例を見つけるのが困難
・優れた技術を持つ開発会社でも、具体的な事例を公開していない場合もある

といった理由から、理想的な開発会社を見つけられないというケースもあります。

理想的な開発会社がなかなか見つからない場合は、業界や規模を問わず幅広いシステム開発を取り扱う開発会社に直接問い合わせてみると良いでしょう。

業種やシステムの種類を問わず受託開発を行っている会社であれば、顧客のオーダーに柔軟に対応してくれる可能性が高いです。

開発担当者とスムーズにコミュニケーションが取れるかを確認する

システム開発の外注先の選び方、続いては開発担当者とスムーズにコミュニケーションが取れるかを確認します。

機能面・コスト面で過不足のないシステムを開発してもらうためには、顧客の要望を的確に汲み取るコミュニケーション能力を備えた外注先を選ぶことが重要です。

要件定義やテスト時の打ち合わせで円滑なコミュニケーションが取れるのか、契約前の段階で見定めておくと良いでしょう。

具体的には、以下のようなポイントに注目して担当者のコミュニケーション能力をチェックすることをおすすめします。

開発担当者のコミュニケーション能力のチェック方法
タイミング

確認するポイント

問合せ・資料請求への対応

・メールの返信は早いか
・質問に対して的確・丁寧に回答があるか

契約に向けた面談

・技術的にできること・できないことを開示してくれるか
・要望に対する提案が的確か
・契約を急かす・他社を悪く言う等の態度が見られないか

見積り

・内訳や費用感に対して、明確な根拠を自ら提示してくれるか
・予算を考慮した提案があるか

プロジェクトの規模や内容によっては、開発担当者と頻繁に打ち合わせをしなければならないケースや、長い付き合いになるケースもあります。

プロジェクト成功のためには、人当たりの良さなどの表面的なコミュニケーション能力よりも、迅速・的確・真摯な対応をしてくれる開発会社を選ぶと良いでしょう。

納品後のサポート体制が整っているかを確認する

システム開発の外注先の選び方、最後は納品後のサポート体制が整っているかを確認しましょう。

納品されたシステムを安全に稼動させるためには、継続的なメンテナンスが必要であるため、長期的に適切な保守・運用支援をしてくれる開発会社を選ぶことが重要になります。

契約前に、以下の項目をあらかじめ担当者に確認しておきましょう。

納品後のサポート体制で確認しておきたい項目

・納品後の保守・運用費があらかじめ予算に組み込まれているか
・保守・運用に関する内容が契約書に明確に定義されているか
・システム障害など緊急時に対応してくれる窓口があるか

サポート体制が不十分な企業にシステム開発を依頼してしまうと、

・納品後にシステムの不具合が見つかっても対応してもらえない
・サイバー攻撃等のセキュリティリスクが高まる
・メンテナンスや更新を行わないことで安定性が低下し、システム障害が生じるリスクが高まる

といったリスクがあります。

定期的なメンテナンスやアップデートを必要とするシステムの場合は、特に納品後のサポート体制を念入りに確認しましょう。

システム開発の外注を成功させる5つのポイント

最後は、システム開発の外注を成功させる5つのポイントを解説します。

システム開発の外注を成功させる5つのポイント
契約前

契約後

1.「何を作りたいか」を明確にする

2.費用の安さだけで外注先を選ばない

3.契約前から委託会社の動きをよく観察する

4.契約内容をよく確認する

5.発注者もプロジェクトに参加し、外注先に丸投げしない

システム開発を外注した場合、基本的には外注先の開発会社が主導となってプロジェクトが進められていくため、

・要望とは違うものが出来上がった
・納期が予定より大幅に遅れた

といった失敗が発生するリスクがあります。

上記のような失敗を防ぎ、自社の成長や課題解決に繋がるシステムを開発・導入するために発注側の企業が何をすればいいか、順番に見ていきましょう。

「何を作りたいか」を明確にする

システム開発の外注を成功させるためにまずするべきなのは、「何を作りたいか」を明確にすることです。

システム開発をする際、発注者側が「何を作りたいか」を明確に描けていないと、外注先に的確に要望を伝えることができず、本来の目的からずれたものが納入されてしまうリスクがあります。

外注先のシステム開発会社と打ち合わせをする前に、

・システムを開発する目的
・システムの導入によって達成したい未来
・目標達成のために譲れない条件・必要な機能

といったものを具体的に言語化し、社内の人間で認識をすり合わせておくことで、イメージしていたものと違うシステムが出来上がってしまう失敗の防止になります。

以下の例を参考に、あなたの会社が考える「何を作りたいか」を言語化しましょう。

「何を作りたいか」を言語化した例

例1.生産管理システムを開発したい製造業・A社の場合

【開発する目的・達成したい未来】

・生産効率アップ
・人件費削減
→傾きかけている経営を立て直す

【目的達成のために譲れない条件・必要な機能】

・導入費用の予算は500万円まで
・現場の管理者が問題なく扱える操作性の高さ

例2.医療機関の電子カルテシステムを開発したいB社の場合

【開発する目的・達成したい未来】

・医療サービスの品質向上(患者の待ち時間短縮・医療ミスの防止など)
・医師・事務員の負担軽減

【目的達成のために譲れない条件・必要な機能】

・Web予約・キャッシュレス決済機能は必須

※自動整理機能も欲しいが、予算を大幅オーバーするようなら必須ではない

例3.飲食店の予約・注文システムを開発したいC社の場合

【開発する目的・達成したい未来】

・予約率30%アップ
・客単価15%アップ

【目的達成のために譲れない条件・必要な機能】

・Web予約機能にはこだわりたい(キャンセル防止・折り返し連絡の自動化など)

※その他、おすすめメニューの自動提案機能など、追加注文を促す機能も可能であれば欲しい

書き出した内容を元に「提案依頼書」を作成し、システム開発会社との打ち合わせに活用することで、自社の要望が的確に伝わりやすくなります。

費用の安さだけで外注先を選ばない

システム開発の外注を成功させる5つのポイント、2つめは「費用の安さだけで外注先を選ばない」というものです。

外注先を選定するうえで「費用が予算内におさまるか」は重要な選択基準ですが、「4.システム開発の外注先の選び方」でもお伝えしたとおり、システム開発を成功させるには

・コスト面
・技術面
・セキュリティ面

といった多角的な視点から総合点の高い開発会社に依頼することが重要です。

システム開発に限らず、どのようなサービスでも費用の安さだけを売りにした「安かろう悪かろうの業者」というものは存在します。

費用の安さのみを重視し、技術面やセキュリティ面で品質の低い外注先を選んでしまうと、次のような失敗のリスクが伴うでしょう。

費用が安いだけの外注先にシステム開発を依頼した際に考えられる失敗のリスク(一例)

納品されたシステムが不具合だらけで使いものにならなかった
・オプションによる追加料金がかさみ、契約前に出した見積もりよりも大幅に高額な費用を請求された
納期遅れや連絡の遅延が重なり、実装したい時期に間に合わなかった
・情報管理が甘く、サイバー攻撃により顧客情報が漏洩してしまった

業務の根幹となるシステムを開発する場合は特に、費用の安さだけで外注先を選ばないよう注意が必要です。

契約前から委託会社の動きをよく観察する

システム開発の外注を成功させる5つのポイント、3つめは「契約前から委託会社の動きをよく観察する」です。

外注する会社の候補をある程度絞れたら、問い合わせや商談での担当者の対応をチェックし、

・コミュニケーション能力の高さ
・誠実さ
・仕事のスピード感

といった能力を見定めます。

具体的には、次のようなポイントに注意すると良いでしょう。

委託会社の動きの観察ポイント

ポイント1.コミュニケーション能力の高さは十分か

・問い合わせへの回答が的確
・発注者の要望を汲み取った提案ができる

・問い合わせへの回答が不明瞭
・発注者の要望への理解が足りず、「自社の得意とするシステム」に寄せようとする動きがある

→発注内容とずれたシステムが納品されるリスクがある

ポイント2.対応は誠実か

・苦手分野や技術的にできないことを事前に開示してくれる
・見積もりの内訳が明記されており、別途必要になりそうなオプションなども提案される

・良い面しか伝えようとしない
・見積もりの内訳が不透明

→契約後に発注者にとって不都合な情報を後出しされるリスクがある
(追加料金の発生など)

ポイント3.仕事のスピード感があるか

・問い合わせへの返信・資料請求への対応が迅速
・打ち合わせの日取りや段取りの決定に無駄がない

・連絡への返信・対応がルーズ

→契約後も連絡が滞る・納期遅れなどのリスクがある

システム開発の技術やセキュリティ管理の品質は、実際に完成したシステムを稼働してみなければわからないことですが、上記のような要素は契約前にもある程度見極めることができます。

見積もりや商談の段階で不信感を抱くような動きをする委託会社は、リスク回避のため契約は避けておくのがベターだと言えるでしょう。

契約内容をよく確認する

契約内容をよく確認するというのも、システム開発の外注を成功させるポイントのひとつです。

商談がまとまり、一度プロジェクトをスタートさせてしまうと、

「打ち合わせの時と話が違う」
「取り決めをしていない分野でトラブルが発生し、同対応すれば良いかわからない」

といった主張の食い違いやトラブルが発生しても契約を白紙に戻すのは困難です。

そのため、契約書にサインをする段階に差し掛かったタイミングで、以下の例を参考に契約内容に不透明・不都合な点がないかよく確認しましょう。

契約内容の確認ポイント
項目

確認ポイント

システム開発の目的・開発内容

・「どのような問題解決を目的とするシステム開発なのか」「問題解決・目標達成に向けて開発者は何をするのか」が明記されているか

・開発者が作成した仕様書(システムの機能等をまとめたもの)があれば、内容に問題がないか

→双方の認識にずれがないことを確認・明記しておくことで、プロジェクト開始後の主張の食い違いによるトラブルを回避する

報酬の支払い時期・支払い方法

・双方が納得できる支払時期・支払い方法が明記されているか

→記載がない場合、納品が完了していない状態で報酬を請求される等のトラブルが発生するリスクがある

仕様変更が起きた場合の対応

・修正対応の費用・納期の変更などの具体的なルールが設けられているか

→発注者が希望していた機能が契約時の仕様では実現できないと発覚した場合に、予定外の追加料金発生・納期延長等のリスクを回避できる

※仕様が変わることを前提とした「アジャイル開発」の場合は特に注意

トラブル発生時の対応

・トラブルが発生しプロジェクトが中断・中止となった場合、発注側と受注側それぞれの対応や責任の所在が明記されているか

・責任を果たさなかった場合、損害賠償責任を負わなければならない旨が契約書に記載されているか

→万が一受注側責任でプロジェクトが中断・中止となった場合、適切な損害賠償を受けられる

納品後のサポート内容

・システム完成後も保守・運用をサポートしてくれるか
・サポートの内容・費用・期間に問題がないか

→導入したシステムを長期的に安定して稼働させられる
※システム導入後の保守・運用を自社でできない場合は特に注意

契約書に発注者を守る内容が明記されていれば、万が一トラブルが発生し裁判等に発展した場合でも、発注側に不利な判決が下されにくくなります。

細かい部分も曖昧にせず、双方が納得できる契約を交わせているか確認するのは、システム開発成功のために必須の作業です。

発注者もプロジェクトに参加し、外注先に丸投げしない

システム開発の外注を成功させるポイント、最後は「発注者もプロジェクトに参加し、外注先に丸投げしない」です。

システム開発の専門知識を持たない発注側は、「プロに任せた方が成功するだろう」と考えてプロジェクトを外注先に丸投げしやすい傾向にありますが、このような受け身の姿勢は

・開発が遅れる
・想定と異なるシステムが完成してしまう

といった失敗を招きます。

委託会社は、あくまで発注者の要望に沿ったシステムを開発するのが仕事であるため、「完成したシステムをどう活用すれば顧客の成長や課題解決に繋がるか」まで考えてくれるとは限りません。

以下の例を参考に、積極的にプロジェクトに参加しましょう。

システム開発の知識を持たない発注者が積極的にプロジェクトへ参加する方法

1.担当者とのコミュニケーション

要件定義書を徹底的に読み込み、気になる部分があれば担当者に都度確認する

2.プロジェクトの進捗共有

スケジュール通りに進行していない場合は原因を確認し、納期やシステムの内容を調整する
※納期と品質のどちらを優先させるかなど、発注側が主導となって交渉する

3.システム開発に関する知識の習得

開発の流れ・一般的な開発の手法・専門用語など、わからないものは都度調べておく
システム開発に最低限必要の知識を習得しておくことで、委託会社と対等な打ち合わせがしやすくなる

このように、当事者意識を持ってプロジェクトに参加して開発会社と密に連携を取ることが、自社にマッチした完成度の高いシステム開発を実現させる近道です。

技術・コスト・セキュリティに加え「使いやすいデザイン性」も兼ね備えた、ブリエのFileMakerシステム開発

ここまでは、システム開発外注についての基本的な知識や外注先の選び方をお伝えしてきましたが、

「結局のところ、どの会社に見積もりを取れば良いのか?」
「『技術面・コスト面・セキュリティ面に優れた総合力の高い外注先を選べばいい』と言われても、どこにそんな委託会社があるかわからない」

と疑問に感じる企業様もいらっしゃるのではないでしょうか。

株式会社ブリエでは、本記事内でご紹介してきた「こんな外注先を選ぶべき」のポイントを高水準で満たすシステムの開発が可能です。

ブリエの5つの強み

1.様々な業種・システムの開発プロジェクトに携わってきた豊富な実績

様々な業種の企業の基幹システム・業務システム・便利ツールなどの開発実績を持つブリエでは、業界や内容を問わず、幅広いシステム開発に対応します。

豊富なプロジェクト経験をもつプロジェクトマネージャーが在籍しており、貴社のビジネスにマッチしたオリジナルのシステムの開発が可能です。

2.密なコミュニケーションで発注者と「伴走」するシステム開発

プロジェクトをスタートさせる前に

・丁寧なヒアリング調査
・発注者からの要望とプロの視点をすり合わせながらの明確な要件定義

を行い、システム開発の知識がない方にもわかりやすい打ち合わせ・提案を行います。

発注者様と伴走するようなプロジェクトの進行で、「出来上がったシステムが要望と違う」といったトラブルを防ぎます。

3.納品後のサポート体制が手厚い

納品後は、システム要件を熟知したエンジニアが、そのまま保守や運用も担当するため、安心してお任せいただけます。

安定した運用やバックアップ、保守管理などのアフターサポートを提案するほか、更なる実績向上・業務効率化・ワークフローの自動化などの機能追加も承ります。

4.短期間でローコストなシステム開発を実現する「FileMaker」での開発

ローコード開発ツール「FileMaker」を活用し、短期間・ローコストで変化に強いシステム開発を行います。

【なぜ短期間での開発が実現できるの?】
FileMakerは改良や修正を加えながら開発を進めていく「アジャイル開発」と相性が良く、スピーディーなプロジェクト進行が期待できる

【なぜローコストでの開発が実現できるの?】
ローコードの開発であるため工数を削減しやすく、それに伴いエンジニアの人件費も抑えやすい

5.直感的な使いやすさを追求した、優れたデザイン性

説明書がなくてもユーザーが快適・直感的に操作できることを目指したUI・UXデザインが、ブリエのシステム開発の大きな特長です。

【UIの例】
・どのページからでもTOPに戻るボタンが認識しやすい
・テキストリンクの位置や色がユーザーにとって違和感がない
・見やすいフォント、レイアウト
・フォームに入力補助の機能がある
・ユーザーが迷うことなくメニューや申し込みボタンを見つけられる

【UXの例】
・システム内の導線がわかりやすい(欲しい情報にすぐ辿り着ける)
・入力フォームでの手順がスムーズ

システムの専門知識を持たない社員でも使いやすいことから、新しい業務をスムーズに定着できます。

ブリエのFileMakerシステム開発についての詳細や、これまでの開発実績は、以下のページからご覧いただけます。

「特殊なシステムを開発したいが、実現可能か相談してみたい」
「まずは一度話を聞いてみたい」

といった場合は、まずは一度、お気軽にお問い合わせください。

費用面が気になる場合は、導入見積もりの資料を以下のページからダウンロードしていただけます。

まとめ

最後に、本記事の重要ポイントをおさらいします。

▼システム開発の外注とはどのようなものか

【システム開発を外注する流れ】
・外注先の選定
・要件定義
・設計
・プログラミング
・テスト
・納品
・保守・運用

【費用と期間の相場】
小規模:200万~400万円・1~4カ月
中規模:400万~800万円・6カ月~1年
大規模:1,000万~3,000万円・2~3年

→プロジェクトの規模やシステムの複雑さによって、期間や費用が大きく変わる


▼システム開発を外注するメリット・デメリット

【メリット】
・専門知識や技術を駆使したスピーディーな開発が実現する
・システム開発に割くリソースを柔軟に調整できる
・総合的にはコスト削減に繋がる可能性がある

【デメリット】
・自社開発と比べて開発費用が高額になりやすい
・社内にシステム開発のノウハウがたまらない
・セキュリティリスクが高くなりやすい

→メリットを最大化・デメリットを最小化するためには、外注先選びが重要


▼ システム開発の外注先の選び方

・外注できる範囲を確認する
・システム開発会社の実績を確認する
・開発担当者とスムーズにコミュニケーションが取れるかを確認する
・納品後のサポート体制が整っているかを確認する


▼システム開発の外注を成功させるポイント

【契約前】
・「何を作りたいか」を明確にする
・費用の安さだけで外注先を選ばない
・契約前から委託会社の動きをよく観察する

【契約後】
・契約内容をよく確認する
・発注者もプロジェクトに参加し、外注先に丸投げしない

→外注するからといって受け身にならず、積極的にプロジェクトへ参加するのが成功の秘訣

本記事の内容を参考に、貴社の繁栄に繋がるようなシステムを開発できることを願っています。

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監修:神保 和匡

株式会社ブリエ代表取締役。Webデザイン、WordPress、Elementor、DTPデザイン、カメラマンなどを経て、FileMakerエンジニアとなる。企業の経営課題であるDX化、業務効率化、ペーパーレス化、情報の一元管理など、ビジネスニーズの変化に合わせてFileMakerで業務システムを開発し、柔軟に拡張して解決いたします。

【全国対応】株式会社ブリエは、企業の経営課題であるDX化、業務効率化、ペーパーレス化、情報の一元管理など、ビジネスニーズの変化に合わせてFileMakerで業務システムを開発し、柔軟に拡張して解決します。あらゆる業種や規模の企業、非営利団体、学校に固有の課題を解決するカスタムAppをご提案します。

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