FileMaker 2026の新機能|フィールド名を任意の名前に変更

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執筆者:諏訪田 隆星

FileMakerエンジニア

本日は、Claris FileMaker 2026(クラリス ファイルメーカー)で新たに追加された機能の一つ、「フィールド名のカスタマイズ」についてご紹介します。
この機能の追加により、これまで開発時にさまざまな工夫が必要だったエクスポート機能や、多言語対応のカスタムAppを、保守性を維持しながら、より効率的に開発できるようになりました。
「フィールド名をカスタマイズできる」と聞いても、具体的にどのような場面で役立つのかイメージしにくいかと思います。
そこでまずは、この機能がどのようなものなのか、その概要からわかりやすくご説明していきます。

目次

従来の課題

会社ごとの開発ルールによっては、フィールド名の先頭に「プレフィックス」と呼ばれる文字列や番号を付けて管理しているケースが多いのではないでしょうか。
例えば、テキストフィールドには「t_」、数字フィールドには「n_」といったように、データの型や用途に応じたプレフィックスを付与することで、フィールドの分類や管理をしやすくしています。
このような命名ルールは、開発者にとって非常に分かりやすく、保守性の高いデータベースを構築するために欠かせないものです。
また、以下の画像のように日本語で作成されている場合もあれば英語で作成されている場合もあります。

しかし、その一方で、CSVやExcelへデータをエクスポートする際には、内部で管理しているフィールド名がそのまま列名として出力されてしまいます。
そのため、利用者から見ると「t_名前」や「n_年齢」といった分かりにくい項目名が並び、どのデータを表しているのか直感的に理解しづらいという課題がありました。

例えば、日本語では「氏名」、英語では「Name」と表示したい場合でも、内部のフィールド名は変更できないため、表示名だけを切り替えるための計算フィールドや別レイアウト、スクリプトなどを用意する必要があり、開発や保守の負担が大きくなっていました。

FileMaker 2026でどう解決されるのか

FileMaker 2026では、「フィールド名のカスタマイズ」の機能により、開発時に使用する内部フィールド名はそのまま維持しながら、利用者に表示するフィールド名を自由に設定できるようになりました。
例えば、開発者は従来どおり「t_名前」や「n_年齢」といった命名ルールで開発を進めることができます。
一方で、利用者には「氏名」「年齢」といった分かりやすい名称を表示したり、英語環境では「Name」「Age」と表示したりすることが可能です。

このため、これまでエクスポート用にフィールド名を変更したり、計算フィールドを作成したり、用途ごとにレイアウトを分けたりといった工夫をする必要があった場面でも、よりシンプルに対応できるようになります。
また、内部フィールド名を変更しないため、既存のスクリプトや計算式、リレーションシップへの影響を最小限に抑えながら、利用者に見せる名称だけを変更できます。
開発ルールを維持したまま運用できるため、保守性も損なわれません。

実際の使い方

設定場所

それでは、実際に「フィールド名のカスタマイズ」の設定方法を見ていきましょう。
まずは、[ファイル] → [管理] → [データベース]を開き、表示名を変更したいフィールドを選択します。
すると、FileMaker 2026では従来のバージョンにはなかった 「詳細」ボタンが追加されています。
このボタンをクリックします。
「詳細」をクリックすると、新たなウインドウが表示され、以下の2つの設定項目が表示されます。

  • データ定義言語(DDL)にアノテーションを追加
  • フィールド表示名をカスタマイズ

今回は「フィールド表示名をカスタマイズ」を選択します。
選択すると、フィールド表示名を設定するための編集ウインドウが開き、初期状態では計算式のJSON関数の入力欄が表示されます。
このJSON関数によりフィールド名を自由にカスタマイズできます。

JSON

さて、編集のウインドウには以下のような計算式がデフォルトで入っています。

				
					JSONSetElement ( "{}" ;
  [ "fm_common" ; "" ; JSONString ] ;
  [ "fm_export" ; "" ; JSONString ] ;
  [ "fm_sort" ; "" ; JSONString ] ;
  [ "fm_table_view" ; "" ; JSONString ]
)
				
			

それぞれどのような役目があるかを解説していきます。

fm_common

これはデフォルト値です。
commonを設定することにより後ほど説明するexport、sort、table_viewの設定がない場合の表示名となります。

fm_export

これはエクスポート時の設定となります。

				
					JSONSetElement ( "{}" ;
  [ "fm_common" ; "" ; JSONString ] ;
  [ "fm_export" ; "名前" ; JSONString ] ;
  [ "fm_sort" ; "" ; JSONString ] ;
  [ "fm_table_view" ; "" ; JSONString ]
)
				
			

このように設定すると、エクスポートをするときのダイアログとエクスポート後のファイルのヘッダーが指定した名前に変更されます。

fm_sort

これはソート時の設定となります。

				
					JSONSetElement ( "{}" ;
  [ "fm_common" ; "" ; JSONString ] ;
  [ "fm_export" ; "" ; JSONString ] ;
  [ "fm_sort" ; "名前" ; JSONString ] ;
  [ "fm_table_view" ; "" ; JSONString ]
)
				
			

このように設定するとソートするときのダイアログが指定した名前に変更されています。

fm_table_view

これはテーブルビューの設定となります。

				
					JSONSetElement ( "{}" ;
  [ "fm_common" ; "" ; JSONString ] ;
  [ "fm_export" ; "" ; JSONString ] ;
  [ "fm_sort" ; "" ; JSONString ] ;
  [ "fm_table_view" ; "名前" ; JSONString ]
)
				
			

このように設定すると表形式でのテーブルビューの名前が指定した名前に変更されています。

また、今まで子テーブルの表示としては「テーブル名::フィールド名」となっていましたが、この設定を行うことで表示もすっきりさせることもできます。

設定後はテーブル名が消えて見やすくなりました。

多言語対応

この設定はJSON関数で行なっているため計算式での設定となります。
そのため、応用することにより多言語の対応なども保守性を担保しつつ行えるようになりました。
例えば以下のように設定します。

				
					Case(
	$$authority = "English";
	JSONSetElement(
		"{}";
		[ "fm_common"; "name"; JSONString ];
		[ "fm_export"; ""; JSONString ];
		[ "fm_sort"; ""; JSONString ];
		[ "fm_table_view"; ""; JSONString ]
	) ; 
	$$authority = "Japanese";
	JSONSetElement(
		"{}";
		[ "fm_common"; "名前"; JSONString ];
		[ "fm_export"; ""; JSONString ];
		[ "fm_sort"; ""; JSONString ];
		[ "fm_table_view"; ""; JSONString ]
	)
)
				
			

これによりログインしたアカウントによってグローバル変数「$$authority」に値を入れることで表示を柔軟に切り替えることができます。

まとめ

いかがでしょうか。
今まで工夫し開発していた箇所も追加された機能によって保守性を担保しつつ実装ができるようになりました。
特に出力などはヘッダーの名前を変えるためだけに別テーブルを作成したりなどしていたと思いますのでかなり良いと感じています。
しかし、こちらの機能は「Self」関数を含めるとFileMaker Proが強制終了するといった不具合が報告されていますので、現時点での使用の際はお気をつけください。

また、株式会社ブリエでは、FileMakerを活用したシステム開発や運用支援を行っています。
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執筆者:諏訪田 隆星

多岐にわたる業種での経験を経て、現在はFileMakerを中心に活躍中のエンジニアです。ローコード開発を得意としながらも、Django、React、Flutterなどの技術にも挑戦し、幅広い開発スキルを習得。常に自分の技術を磨き、より良いソリューションを提供できるよう、継続的にスキルアップを図っています。多彩な技術を駆使して、クライアントのニーズに応える柔軟性と、迅速かつ効果的な開発力が強みです。

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