
FileMakerエンジニア

業務効率化や生産性向上が求められるいま、バックオフィスのDX(デジタルトランスフォーメーション)化が企業の重要な経営課題として注目を集めています。
経理・人事・総務・契約管理といったバックオフィス業務は、長年にわたり属人化やアナログ運用が根付いてきた領域です。
その結果、「手作業が多く非効率」「出社しないと処理できない」「人材が定着しない」といった課題に直面している企業も少なくありません。
- 紙やExcel中心の運用でミスや手戻りが多い
- 業務の属人化が進み、担当者が不在だと処理が止まる
- 在宅勤務やハイブリッドワークに対応できない
- 情報が分散しており、経営判断に必要なデータが揃わない
バックオフィスのDX化を進めることで、こうした課題を解決しながら、業務の標準化・自動化・可視化を実現し、企業全体の意思決定スピードや働き方の柔軟性を高めることができます。
本記事では、バックオフィスDXの基礎知識から注目される背景、得られる効果、業務ごとの活用事例、そしてDX化を成功させるための実践的なステップまでを網羅的に解説します。
- バックオフィスDXの意味と必要性
- なぜバックオフィスDXが注目されているのか
- DX化によって得られる具体的な効果とメリット
- 業務領域ごとの活用事例と改善イメージ
- バックオフィスDXを成功させる導入ステップと注意点
- 開発会社選びで失敗しないためのポイント
「バックオフィスをもっとスムーズに、強くしたい」とお考えの方は、ぜひ参考にしてください。
目次
1. バックオフィスのDX化とは

デジタル技術を活用し、業務効率化や業務変革を実現する「DX(デジタルトランスフォーメーション)」は、フロント業務だけでなく、バックオフィス業務においても急速に求められています。
では、そもそも「バックオフィスのDX化」とは何を意味するのでしょうか。
- バックオフィスとは
- DX化とは
ここでは、まず「バックオフィス」と「DX化」の基本的な定義から整理し、両者が組み合わさることで企業にもたらされる変化について解説します。
1.1. バックオフィスとは
バックオフィスとは、企業の顧客対応や営業活動といった「フロント業務」を支える内部業務全般を指します。具体的には、以下のような業務が該当します。
- 経理/財務(請求書処理、決算業務、入出金管理 など)
- 人事/労務(採用、給与計算、勤怠管理、社会保険手続き など)
- 総務(備品管理、社内インフラ整備、文書管理 など)
- 法務/庶務(契約管理、規程整備、コンプライアンス対応 など)
これらは企業活動における「縁の下の力持ち」とも言える重要な機能ですが、多くの場合、アナログ業務や属人的な運用が残りやすい領域でもあります。
1.2. DX化とは
DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、単なるITツールの導入にとどまらず、デジタル技術を活用して業務プロセスや企業文化そのものを変革する取り組みを意味します。
経済産業省では「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して競争優位性を確立すること」と定義しています。
DX化の実現には、次のような段階的な変化を伴います。
改善ポイント | 課題例 |
デジタイゼーション | 紙をExcelに置き換えるなど、業務のデジタル化 |
デジタライゼーション | デジタルツールを使って業務プロセス全体を効率化 |
DX(変革) | データ活用や自動化を通じて、企業の在り方そのものを再設計 |
バックオフィスのDX化とは、「バックオフィス業務」に対して、クラウドサービスや自動化ツール、データ連携プラットフォームなどを導入し、業務プロセスの最適化・再構築を図る取り組みです。
たとえば、以下のような変化が実現可能です。
- 紙の請求書 → 電子請求書の自動発行・自動仕訳
- 勤怠情報の手集計 → クラウド勤怠管理システムでリアルタイム把握
- 契約書の押印/郵送 → 電子契約で即時締結/保管
また、よく混同されるのが「IT化」です。
IT化は「既存業務をツールで置き換える」ことであり、旧来の非効率なプロセスをそのまま残したまま、ExcelやRPAを導入するだけではDX化とは言えません。
DX化では、業務プロセスそのものを見直し、ツールに合わせて業務を再設計する必要があります。
たとえば、電子契約システムを導入しただけでなく、稟議・承認フローそのものを簡略化することで、初めて業務変革と言えるのです。
単なる業務効率化だけでなく、「人為的ミスの削減」「データの可視化」「意思決定の迅速化」といった経営レベルでの変化を促す点がバックオフィスのDX化の本質と言えるでしょう。
2. バックオフィスのDX化が注目される理由

バックオフィスDXは単なる流行ではなく、日本企業が直面する構造的課題の解決策として、急速にその重要性が高まっています。
- 人手不足への対策が求められているから
- 働き方改革への対応が必要だから
- 経営のスピード感が重要だから
- リモート対応の基盤整備になるから
ここでは、バックオフィスのDX化が注目される要因を整理し、なぜ今取り組むべきなのかを明らかにします。
2.1. 人手不足への対策が求められているから
少子高齢化が進む日本では、生産年齢人口が年々減少しており、人手不足が深刻化しています。
とりわけバックオフィス部門では、特定の担当者が不在になると業務が滞るような属人化の課題を抱えているケースが多く、人材の定着や業務の安定運用が困難になっています。
加えて、採用難によって「人手を増やすことで対応する」というこれまでの解決策が通用しづらくなっているのが現状です。
これらの状況を打開する手段として、業務の自動化や標準化によって業務量を減らし、少ない人員でも回せる体制を構築するバックオフィスのDX化が注目を集めています。
- 少子高齢化により、生産年齢人口が年々減少している
- 採用難や離職率の上昇で、人材の確保が困難になっている
- 属人化した業務が増え、特定の人に依存するリスクが高まっている
- 人材に頼らず業務を回す体制づくりが企業に求められている
2.2. 働き方改革への対応が必要だから
政府主導の「働き方改革関連法」により、企業には長時間労働の是正や多様な働き方への対応が求められるようになりました。
しかし、バックオフィス業務では今なお「紙の資料への押印」「社内書類の物理保管」など、出社前提の運用やアナログ業務が温存されているケースが少なくありません。
こうした旧来の運用は、テレワークやフレックスタイムといった柔軟な働き方の妨げになるだけでなく、従業員の生産性や満足度にも悪影響を及ぼす要因となっています。
バックオフィスDXを進めることで、業務手続きのオンライン化やペーパーレス化を実現し、従業員の働きやすい環境づくりを推進できる可能性があります。
- 長時間労働の是正や多様な働き方の実現が法制度上求められている
- 出社を前提とした紙ベース/押印業務が柔軟な働き方を阻害している
- コロナ禍を機に、社内手続きのデジタル対応の遅れが浮き彫りになった
- バックオフィス業務の見直しなしに、全社的な働き方改革は実現しにくい
2.3 経営のスピード感が重要だから
市場の変化が激しい現代では、意思決定のスピードと正確性が企業の競争力を大きく左右します。
しかし現実には、バックオフィス業務においてデータが各部門ごとに分散されていたり、情報の収集や分析に時間がかかったりすることで、迅速な経営判断を妨げる要因となっています。
たとえば、紙ベースやExcelファイルによる手動集計では、リアルタイムな経営指標の把握は困難です。
また、異なるシステム間で情報が連携していない場合には、全体像をつかむのに時間がかかるだけでなく、データの整合性にも不安が残ります。
DX化によるデータの一元管理や可視化は、経営判断のスピードを大幅に高める手段として最適な選択肢になり得ます。
- 変化の激しい市場環境のなかで、迅速な意思決定が求められている
- 情報が部門ごとに分断され、経営層が必要なデータをすぐに得られない
- 紙やExcelによる集計/報告では、リアルタイム性に限界がある
- データ活用の遅れが、経営判断のタイミングや精度に悪影響を与えている
2.4. リモート対応の基盤整備になるから
新型コロナウイルスの影響以降、多くの企業がリモートワークを導入・定着させる流れとなりました。
しかし、バックオフィス業務は紙やハンコ、オンプレミス(社内サーバ)といった出社前提の仕組みに縛られている企業が多く、リモート移行の大きな障壁となっています。
DX化により、クラウドベースの業務運用にシフトすることで、場所や時間にとらわれない業務遂行が可能になります。
地方在住や育児中といった制約のある人材を活用するためにも、柔軟な働き方を支える基盤づくりは欠かせません。
- コロナ禍以降もリモートワークが常態化しつつある
- 紙文化/対面文化が根強く、バックオフィスがリモート対応の障壁になっている
- BCP(事業継続計画)の観点からも、出社不要の仕組みが必要とされている
- 地方/育児中などの多様な人材活用を実現するには柔軟な業務体制が不可欠である
3. バックオフィスのDX化で得られる効果

バックオフィス業務のDX化は、単なる効率化にとどまらず、業務品質の向上・経営基盤の強化・働き方の進化など、企業活動全体に幅広い恩恵をもたらします。
- 業務の自動化による工数削減
- 人為的ミスの削減と品質向上
- データの一元管理と可視化
- 経営判断の迅速化
- 柔軟な働き方の実現
- 属人化の解消
ここでは、DX化によって得られる代表的な効果について具体的に解説します。
3.1. 業務の自動化による工数削減
バックオフィスには、請求書の発行や勤怠データの集計、交通費の精算、契約書の管理といった反復的で時間のかかる業務が多く存在します。
これらをRPA(業務自動化)やクラウドサービスによって自動化すれば、手作業が削減され、担当者の負担が大幅に軽減されます。
DX化の内容 |
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DX化による効果 |
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単純作業から解放されたバックオフィス人材は、より付加価値の高い業務(制度設計、人材戦略、内部統制の強化など)にリソースを割けるようになります。
3.2. 人為的ミスの削減と品質向上
手書き・手入力が多いバックオフィス業務では、転記ミス・確認漏れ・集計ミスといったヒューマンエラーが発生しやすい状況にあります。
しかし、DX化により処理がシステムに一元化されると、データの整合性や処理の一貫性が保たれ、業務品質が飛躍的に向上します。
DX化の内容 |
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DX化による効果 |
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特に財務・会計や法務など正確性が求められる業務では、ミス削減が直接的な企業リスクの軽減にもつながります
3.3. データの一元管理と可視化
バックオフィス業務では、経理、人事、在庫管理などの情報が部門ごと・ツールごとに分断されているケースが多く、全体を俯瞰した管理が難しい状況にあります。
DX化を進めることで、これらのデータをクラウド上で一元化し、リアルタイムに可視化できるようになる点が大きなメリットです。
DX化の内容 |
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DX化による効果 |
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経営に必要な情報を見たいときに見られる状態が実現し、業務効率と判断スピードの両面でパフォーマンスが向上します。
部門間の情報連携が強化され、全社的な最適化にもつながるでしょう。
3.4. 経営判断の迅速化
バックオフィスDXによってデータがリアルタイムで集約・可視化されると、意思決定のスピードと精度が飛躍的に向上します。
DX化の内容 |
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DX化による効果 |
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バックオフィスのデジタル化は、単なる「内勤業務の効率化」ではなく、企業全体の意思決定を支えるインフラとしての役割を担うようになります。
3.5. 柔軟な働き方の実現
紙文化や出社前提のオペレーションから脱却することで、バックオフィスでもリモートワークや時短勤務が可能になります。
DX化の内容 |
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DX化による効果 |
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こうした環境整備は、人材の多様化・働き方の柔軟性確保・離職防止にもつながり、人材面での企業競争力を高める結果につながります。
3.6. 属人化の解消
「〇〇さんしかできない」「△△さんが休むと処理が止まる」といった属人化は、多くの企業で悩まれている課題です。
DX化により業務フローを見える化・標準化し、システム上に処理ルールや履歴が残る仕組みを構築することで、この問題に対応できます。
DX化の内容 |
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DX化による効果 |
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結果として、人材の急な入れ替わりにも強い組織となり、安定的な業務運営が可能になります。
4. バックオフィスのDX化による効果が大きい業務領域

バックオフィスの中でも、特に反復的な作業が多い領域や情報の一元管理が求められる業務は、DX化による効果が顕著に現れます。
- 経理/会計業務
- 人事/労務管理
- 契約書/文書管理
- 購買/在庫管理
- 総務業務
ここでは、代表的な領域について、それぞれDX化による改善ポイントと期待される効果を紹介します。
4.1. 経理/会計業務
経理・会計は、データ入力、集計、仕訳、帳票出力などのルーチン業務が多く、自動化による効率化が非常に進めやすい領域です。
- 請求書処理が自動化できる
- 仕訳の自動ルール設定による作業時間の削減につながる
- 経費精算システムの導入で紙レシート提出が不要になる
- 月次/年次決算の早期化、リアルタイムな収支状況が把握できる
結果として、決算作業や監査対応の迅速化・人的ミスの減少・ガバナンスの強化が実現します。
4.2. 人事/労務管理
人事・労務領域では、社員データの登録・変更、勤怠管理、給与計算、社会保険対応などが日常的に発生します。
法令順守が求められる一方、紙とメールベースでのやり取りが残っている企業も少なくありません。
- 勤怠管理のクラウド化で勤務状況がリアルタイムで可視化できる
- 給与計算ソフトとの連携で月末処理が自動化される
- 年末調整や入退社手続きの電子化で事務負担が軽減される
- 従業員ポータルによる申請/変更手続きがセルフ対応になる
人事担当者の業務負荷を大幅に軽減することで、従業員満足度の向上にもつながります。
4.3. 契約書/文書管理
契約書や社内文書は、従来「紙で保管・押印・回覧」といったアナログなフローが主流でした。
DX化により、契約業務の電子化・検索性向上・承認プロセスの迅速化が可能になります。
- 電子契約サービスの導入で締結までの時間が短縮される
- ワークフローシステムで承認フローが自動化される
- クラウド文書管理により、バージョン管理やアクセス権設定ができる
- 契約期限のアラート機能による更新・解約漏れの防止につながる
法務リスクの低減と、BCP(事業継続計画)対応の強化が期待できます。
4.4. 購買/在庫管理
バックオフィスの中でも、製造業・小売業などで特に重要性が高いのが購買・在庫管理業務です。
複数の拠点や部門で在庫情報が分断されている場合、DX化の効果は極めて大きくなります。
- 発注~受入~在庫管理までを一元化できる
- バーコードやQRコードでの出入庫管理ができる
- リアルタイム在庫の可視化と在庫適正化ができる
- 発注点や在庫回転率の自動計算による発注精度が向上する
結果として、在庫ロスや欠品の削減・適正在庫の維持・棚卸工数の削減といった成果につながります。
4.5. 総務業務
総務部門は、備品・施設・社内イベント・福利厚生などの管理業務を広く担っており、煩雑で属人化しやすい領域です。
DX化することで、これらの業務を見える化・効率化できます。
- 備品管理のクラウド化で持ち出し/在庫の一元管理ができる
- 問い合わせ対応のナレッジ共有/チャットボット導入ができる
- 社内申請や承認業務の電子化・ペーパーレス化につながる
- 施設予約や来客対応のシステム化ができる
総務業務の標準化・可視化が進み、属人化の解消にも効果があります。
5. バックオフィスのDX化を進めるためのステップ

バックオフィスのDX化は、一度にすべてを変えるものではなく、段階的かつ戦略的に進めていく必要があるプロジェクトです。
- 現状業務の棚卸と課題の可視化
- DXの目的や優先順位の明確化
- ツールの選定と導入計画の策定
- 社内への展開と教育
- 導入後の効果測定と継続的改善
- システム開発会社の選定
ここでは、DX化を成功させるための具体的な進行ステップを解説します。
5.1. 現状業務の棚卸と課題の可視化
最初に行うべきは、自社のバックオフィス業務がどのように行われているかを整理することです。
業務フローや担当者、使っているツール、紙での運用などを一覧化し、業務ごとの工数やボトルネックを可視化しましょう。

- 手作業や二重入力が発生している工程はどこか?
- 属人化している業務、マニュアルが存在しない業務はあるか?
- 時間がかかっている業務やミスが多い業務は何か?
現場ヒアリングや業務フロー図の作成などを通じて、「何が問題なのか」「どこから着手すべきか」を明らかにすることがDXの第一歩です。
5.2. DXの目的や優先順位の明確化
DX化を通じて何を達成したいのかを明確化するフェーズです。
目的が曖昧なまま進めると、現場の理解を得られず、ツール導入が目的化してしまう危険があります。

- DX化で解決したい課題を具体的に言語化しているか?
- 経営戦略や中長期計画との整合性が取れているか?
- 「業務効率化」「コスト削減」「品質向上」などの目標を数値化できているか?
- 各部門や現場担当者のニーズが正しく反映されているか?
たとえば、「毎日発生する業務」「人の入れ替わりが多い業務」などは優先的にDX化すべき対象です。
目的に基づき、業務ごとに優先度を設定しましょう。
5.3. ツールの選定と導入計画の策定
目的に合致するツールやシステムの選定を行います。
この段階では、現場の課題と照らし合わせながら、使いやすさや連携性、拡張性などを軸に検討することが重要です。

- 自社の業務フローに合うか?
- 他のシステムとの連携は容易か?
- 現場でも直感的に操作できるか?
- サポート体制やセキュリティは万全か?
あわせて、導入スケジュールや教育・移行期間、試験運用の有無などを含む実行計画を策定し、関係部署と共有します。
5.4. 社内への展開と教育
DX化が現場に浸透するかどうかは、利用者である従業員の理解と納得、習熟度に大きく左右されます。
ツール導入と同時に、さまざまな教育・展開施策が必要です。

- 操作説明会やトレーニングの計画はあるか
- マニュアル/FAQ/動画解説など、学習コンテンツが整っているか?
- 現場の疑問や課題を吸い上げるサポート体制を設けているか?
- 小規模チームでの試験運用やフィードバックの仕組みがあるか?
現場が、「自分たちの業務が改善されている」「前より便利になった」と実感できる仕組みを整えることで、DXは継続的な取り組みとして定着します。
5.5. 導入後の効果測定と継続的改善
導入後は、初期目的に照らして、どの程度効果が出ているかを定量・定性の両面で評価します。

- 工数削減やコスト削減など、事前に設定したKPIを達成できているか?
- 現場からの利用満足度や不満点はどうか?
- データ分析やレポートを用いて改善点を抽出できているか?
- 継続的にアップデートや追加機能の検討を行っているか?
運用の見直しやツールの追加、他部署への展開など、改善を積み重ねることがDX定着のカギとなります。
5.6. システム開発会社の選定
自社の業務や体制にフィットしたDXを実現するためには、システム開発や運用支援を担うパートナーの選定も重要です。

- 自社業務に近い実績やノウハウがあるか?
- カスタマイズ開発/運用支援の柔軟性があるか?
- セキュリティ対策や法令対応がしっかりしているか?
- 導入後も改善提案/サポートを継続してくれるか?
テンプレート型のクラウドサービスで対応しきれない課題に対しては、業務に合わせたカスタマイズ開発やコンサルティングが求められます。
自社だけでは対応が難しい場合は、システム開発会社などに相談してみるのがおすすめです。
なお、株式会社ブリエにはバックオフィスのDX化における豊富な実績があります。
「何から手をつけたらいいのか分からない」というご相談でも構いません。
ぜひお気軽にお問い合わせください。
6. バックオフィスのDX化を成功させるためのポイント

バックオフィスDX化は、単にシステムやツールを導入するだけで完結するものではありません。
組織全体の理解と協力、段階的な展開、業務フローの見直しなど、いくつかの重要なポイントを押さえて取り組むことが、成功の鍵となります。
- 経営層のコミットメント
- 現場との連携と巻き込み
- スモールスタートと段階的な展開
- ツールに合わせた業務フローの見直し
ここからは、DX化を円滑かつ効果的に進めるために意識すべきポイントを紹介します。
6.1. 経営層のコミットメント
DX化は、現場任せでは成功しません。
経営層が明確な方針を示し、積極的にコミットすることが最も重要な成功要因のひとつです。
「なぜDXを行うのか」「会社全体にどのようなメリットがあるのか」を全社に伝え、関係者の合意形成を図ることが必要です。
- キックオフミーティングで経営トップがメッセージを発信
- 全社目標にDX推進を組み込む
- DX推進プロジェクトに経営直轄の担当者を配置する
トップのリーダーシップがあることで、現場の理解・協力も得やすくなります。
6.2. 現場との連携と巻き込み
システム導入が現場の実態とズレてしまうのは、「現場の声」が計画段階で反映されていないことが大きな要因です。
DX化を成功させるには、現場業務をよく理解している担当者をプロジェクトに巻き込み、導入前から積極的にフィードバックを得る姿勢が欠かせません。
- 各部門にDX推進の「現場代表者」を立てる
- システム仕様に現場ニーズを反映する
- 「使いにくい」という声が上がった際の改善体制を整備する
現場を無視したシステム導入は、利用定着せず形骸化する恐れがあるため、特に注意が必要です。
6.3. スモールスタートと段階的な展開
バックオフィスDXを一気に全社展開するのはリスクが高く、現場にも混乱を生じさせかねません。
最初は限定的な範囲・業務からスタートし、成果を見ながら順次拡大する「スモールスタート」が理想的です。
- まずは経費精算だけをクラウド化する
- 勤怠管理や給与計算はその後に連携して展開する
- 最終的に文書管理/申請ワークフローまでカバーする
このように段階的に展開することで、導入効果を確認しながら改善を重ねられるため、現場の理解とシステムの成熟が両立しやすくなります。
6.4. ツールに合わせた業務フローの見直し
DX化において忘れてはならないのが、「ツール導入はゴールではなく、あくまで手段」ということです。
業務フローが従来のままでは、ツールを導入しても非効率が残ったままとなり、十分な効果を得られません。
- この承認フローは本当に必要か?
- この業務は他の部署でもやっていないか?
- DX化ではなく、手続き自体を廃止できないか?
システムに合わせて業務を再構築する業務起点の発想が、DXによる抜本的な効率化と価値創出を可能にします。
7. バックオフィスのDX化に最適なシステム開発会社の選び方

バックオフィスDXを成功させるためには、ツールやシステムの選定だけでなく、それを開発・導入・運用支援してくれる信頼できる開発会社の選定が欠かせません。
特にバックオフィス業務は企業ごとの運用ルールや事情が異なるため、「パッケージツールを導入して終わり」ではなく、自社にフィットした提案・柔軟な対応ができる開発会社とパートナーシップを組むことが重要です。
- バックオフィス業務への理解と提案力
- カスタマイズ性と将来的な拡張性
- セキュリティと法令対応の実績
- サポート体制と運用支援の充実度
- 導入後の改善提案・伴走支援ができるか
- 同業種/同規模での開発実績
ここでは、バックオフィスDXにおける開発会社選定時に見るべきポイントを紹介します。
7.1. バックオフィス業務への理解と提案力
業務に対する理解が浅い開発会社では、見た目の操作性や機能の豊富さばかりを重視し、実際の業務フローにフィットしないシステムを提案されてしまうことがあります。
- 経理/人事/総務など、部門ごとの業務知識があるか?
- 現場の課題やボトルネックをヒアリングし、構造的に捉えてくれるか?
- 「単なる要望」ではなく「あるべき業務像」から逆算して提案してくれるか?
業務課題を技術で解決する視点を持った提案力のあるシステム開発会社を選びましょう。
7.2. カスタマイズ性と将来的な拡張性
バックオフィスDXは一度で完了するものではなく、業務や組織の変化にあわせて進化し続けるものです。
初期導入時だけでなく、将来的な拡張にも柔軟に対応できるシステム設計ができる開発会社かどうかを見極めましょう。
- 業務内容の変化に合わせて画面や項目をカスタマイズできるか?
- 他部門の業務とも連携できる拡張性があるか?
- 小さく始めて段階的に広げられる設計になっているか?
システム会社に依存せずに長期運用できる仕組みが理想です。
7.3. セキュリティと法令対応の実績
バックオフィス業務は、個人情報・機密情報・財務情報などを多く扱うため、セキュリティやコンプライアンス対応の実績は非常に重要です。
- 個人情報保護法、電子帳簿保存法、インボイス制度などへの対応実績があるか?
- 通信の暗号化、二要素認証、アクセス制御などの技術的対策が実装されているか?
- 万が一の障害や情報漏えい時の対応マニュアルや復旧手順が整備されているか?
システムを安全に長く使うためには、開発の技術力だけでなく、リスク管理体制の信頼性が不可欠です。
7.4. サポート体制と運用支援の充実度
システム導入後の運用フェーズでは、不具合対応・操作サポート・バージョンアップ・トラブル対応など、日々のサポートが不可欠です。
- 導入後の問い合わせ対応体制はあるか?
- マニュアルや研修コンテンツは整っているか?
- 定期的なヒアリングや運用改善の提案は受けられるか?
「作って終わり」ではなく、中長期で伴走してくれる支援体制があるかを必ず確認しましょう。
7.5. 導入後の改善提案/伴走支援ができるか
バックオフィスDXは「使いながら改善していく」ことが非常に重要です。
一度作ったシステムでも、業務の変化や新たな課題に応じて継続的な改善提案を受けられるかどうかは、ベンダー選定の大きなポイントになります。
- 運用データを分析して改善案を出してくれるか?
- 現場の声を拾って、アップデートに反映してくれるか?
- 「改善文化」を支援するスタンスがあるか?
改善を前提とした協働関係が築けるパートナーが理想です。
7.6. 同業種/同規模での開発実績
自社と類似した業界や規模感の企業での導入実績があるかも、重要な選定基準です。
特にバックオフィス業務は、業種によってルールや慣習が異なるため、業界知識に基づいたノウハウがあるかどうかで成果に大きな差が出ます。
- 中小企業向けの導入経験はあるか?
- 製造業/サービス業など、同業界の事例はあるか?
- 類似課題の解決実績は提示できるか?
同業種・同業界の実績が豊富であれば、要件定義や運用面でも安心して任せることができるでしょう。
8. バックオフィスのDX化ならブリエ

バックオフィスDXは、単にシステムを導入するだけではなく、現場に根ざした業務改善と、継続的な変革を伴うプロジェクトです。
そのため、信頼できる開発パートナーの存在が成功のカギを握ります。
株式会社ブリエは、中小企業・現場密着型のDX支援に強みを持つシステム開発会社として、多くの企業の業務改善を支援してきました。
特にバックオフィス業務における実績とノウハウが豊富で、現場の声に寄り添った柔軟な開発・提案力が評価されています。
- 豊富なバックオフィスDXの開発実績
- 自社業務にフィットしたカスタム開発
- 業務フロー全体の改善提案が可能
- 現場視点のサポートと改善提案
- 同業種/同規模の中小企業への対応力
「DXって何から始めたらいいの?」「ITに詳しくないけれど大丈夫?」という方でも、ブリエなら安心してご相談いただけます。
初回の業務棚卸しから、目的の整理、導入ステップの策定まで、現場に寄り添った提案と対応で、丁寧にサポートいたしますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
9. まとめ
- 経理/人事/総務などの内部業務にデジタル技術を活用し、業務改革を行う
- IT化とDXの違いは「プロセスの変革」にある
- 人手不足の対応
- 働き方改革とテレワークの実現
- 経営のスピード向上
- 柔軟な働き方とBCP対策
- 業務の自動化/工数削減
- ミスの削減と品質向上
- データの一元管理と可視化
- 経営判断の迅速化
- 属人化の解消と業務の標準化
- 現状業務の棚卸と課題の可視化
- 目的と優先順位の明確化
- スモールスタートと業務フローの再構築
- 経営層のコミットメントと現場の巻き込み
バックオフィスDXは、単なるシステム導入ではなく、働き方を変え、組織の在り方を見直し、企業の未来をつくる業務改革です。
「アナログな業務が多くて非効率」「リモート対応が進まない」「人手不足で現場が疲弊している」
そうした課題を抱える企業こそ、バックオフィスのデジタル化から第一歩を踏み出しましょう。

株式会社ブリエ代表取締役。Webデザイン、WordPress、Elementor、DTPデザイン、カメラマンなどを経て、FileMakerエンジニアとなる。企業の経営課題であるDX化、業務効率化、ペーパーレス化、情報の一元管理など、ビジネスニーズの変化に合わせてFileMakerで業務システムを開発し、柔軟に拡張して解決いたします。