【システム事例】複数サイトを一元管理!FileMakerによるEC出品管理システム

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執筆者:中富 悠貴

FileMakerエンジニア

EC出品管理システム

年々市場規模が増加傾向にあるEC市場では参入のハードルが下がる一方で、多種多様なECモールCMS(コンテンツ・マネジメント・システム)が、ひしめき合っております。

商品を販売するにあたって、顧客の目に触れる機会を増やすことは販促における重要な戦略ですが、露出の多さに比例して管理する手間も増えてしまいます。

複数のECモールを運営している事業者様にとって「商品情報の登録・修正・管理」は、恒常的にリソースを割かなければならない課題の一つと言えるでしょう。

今回は、そのような煩雑にも思える出品作業をFileMakerによって大幅に効率化し、改善できた導入事例をご紹介します。

こんな企業におすすめ
  • 複数のECモール(楽天・Amazon・Yahoo!など)に出店している企業
  • 商品情報をExcelなどで手作業している中小企業
  • 出品作業に時間がかかっており、業務効率を改善したい企業
  • EC運営を少人数で行い、システム化による省力化を求めている企業
  • FileMakerを既に導入しており、業務範囲を広げたい企業
  • 専任者がいなくてもカスタマイズ可能な管理ツールを探している企業
  • 自社ECとモールを併用していて、情報の一元管理ができていない企業

目次

Excelと手作業に限界

EC出品管理システム課題

FileMakerによる一元管理機能を導入する前のクライアント企業(アパレル販売業)では、複数ECモールの運営に対し、以下のような課題を抱えていました。

  • 商品情報をExcelで管理し、各ECサイトに手作業で転記
  • 手動入力ゆえの更新ミス情報の重複が頻発
  • 出品に1商品あたり平均15~20分かかっている
  • 各ECモールのルール(画像サイズ、文字数制限など)に対応できていない

FileMakerでの商品出品管理システムを構築

EC出品管理システム導入

上記の課題を解決するために提案させていただいたものが、FileMakerによって構築された「商品出品管理システム」になります。

商品マスタの一元管理

全てのECモールで使用する商品情報(商品名、説明文、価格、SKU、在庫数、画像パスなど)を一括で管理できるデータベースを構築。 

カテゴリ・ブランド・タグなども自由に追加可能で、検索・並べ替え・フィルター機能も実装。

ECモール別テンプレートへの自動整形

各モール(例:楽天、Amazon、Yahoo!ショッピング)には独自の出品フォーマットや制限があります。 

このシステムでは、一つの商品データから自動的に各モールに最適化された出力形式に変換。 

文字数制限や改行コード、HTMLタグの違いにも対応し、フォーマットミスを防止できるようにしました。

CSV出力機能

各モールが求めるCSV形式に合わせて、ボタン一つで必要な情報だけを抽出・整形して出力。

 専用のテンプレートを用意し、即時アップロード可能な仕組みを用意しました。

画像リサイズ&リネームの自動化

商品画像のサイズ変更やファイル名などの情報の紐づけと管理をFileMakerから外部連携で自動実行。 

手動での画像編集やリネーム作業を不要にし、複数商品への一括処理も行えるようにしました。

出品作業の時間が3分の1に!

EC出品管理システム成果

システム導入後、目に見える成果が出始めました。

内容 導入前 導入後
1商品の出品作業時間 約18分 約5分
出品ミスの件数 毎月10件以上 ほぼゼロ
管理ファイルの数 5種類(EC毎に分かれていた) FileMakerに統合

担当者様からの声

FileMakerでここまでできるとは驚きました。

これから新規モールへの展開も安心して進められます。

FileMakerが選ばれる理由

FileMakerが選ばれる理由

カスタマイズ性の高さ

FileMakerはノーコード・ローコードで開発できるプラットフォームでありながら、レイアウトや機能のカスタマイズ性が非常に高いのが特長です。

 たとえば、「商品カテゴリーによって表示する項目を変える」「出力形式をボタン一つで切り替える」といった細やかなニーズにも柔軟に対応できます。

 現場の実務に合ったインターフェースを構築できるため、使いやすさ・定着率が高くなるのもメリットです。

スモールスタートが可能

一般的な業務システムでは、要件定義や開発に長期間と多額の費用がかかるケースも少なくありません。 

しかしFileMakerなら、最小限の機能から短期間でリリース可能です。 

その後、運用しながら機能を拡張していく「段階的導入」ができるため、初期投資を抑えつつ、スピーディに現場の課題解決が図れます。

内製化・運用のしやすさ

FileMakerは専門的なプログラミング知識がなくても、基本的な設計・修正が社内担当者で行えるという利点があります。

 たとえば、「フィールドの追加」「出力条件の変更」「レイアウトの調整」など、ちょっとした改修が外注に頼らず対応することが可能です。

 業務の変化にも即時に対応できるため、運用コストの削減とスピード感のある改善サイクルを実現できます。

導入までのスケジュールと費用感

導入スケジュール

工程 内容 スケジュール
ヒアリング・要件定義 業務フローの把握、モールの種類、出力形式の確認、UI希望など 1週間
設計・プロトタイプ作成 商品マスタ構成、CSVテンプレート定義、画面設計など 1~2週間
開発・構築 レイアウト構築、スクリプト作成、出力処理、自動リネーム連携など 2~3週間
テスト・微調整 実データを用いた出力チェック、UI調整、担当者操作トレーニング 1週間
本番移行・運用開始 本番環境導入、初期データ登録サポート 1週間
合計期間 6~8週間

費用感(目安)

項目 内容 費用(目安)
要件定義・設計費 ヒアリング、設計書作成、テンプレート確認など 約10~15万円
システム構築費 商品マスタ、出力処理、UI、画像処理連携等 約30~50万円
テスト・調整・導入支援 動作確認、微調整、操作レクチャーなど 約5~10万円
合計費用 約45~75万円

その他の費用

  • FileMakerライセンス費(クライアント数により変動)
  • クラウド運用の場合は別途サーバー利用料
  • 運用保守(出力先モールの仕様変更などに伴う定期的なメンテナンス)

まとめ

FileMakerは「様々な形の情報を集約し、一元管理することで効率化を図る」業務システムとして非常に優れております。

 今回の事例のように、複雑なEC出品業務もローコード開発によって、迅速に要望を反映し、各々に使い勝手の良いユーザビリティを提供することが可能です。 

この事例が、貴社の課題解決のヒントとなれば幸いです。

株式会社ブリエでは、FileMakerを活用した業務システムの開発・改善を行っております。 

Eコマースの業務効率に課題を感じている、販路拡大を目指し更なる躍進を検討している事業者様は、ぜひ一度ご相談ください!

 

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執筆者:中富 悠貴

株式会社ブリエFileMakerエンジニア。ローコード開発を筆頭にプロコードからフロントエンドまで、多種多様な開発経験を活かしたフットワークの軽さが自慢のオールラウンダー。より便利に、より使いやすいUI/UXデザインをモットーに、新しい分野にも積極的に挑戦することで、あらゆるニーズに柔軟に対応できるよう、日々勉強を続けております。

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