
FileMakerエンジニア

「議事録、あとで書き起こすの大変じゃないですか?」
「大事な発言をメモし損ねた」
「共有が遅れて確認漏れが起きた」
日々の打合せでこんな議事録ストレスを抱えているチームは少なくありません。
そこでブリエは FileMaker と AWS Bedrock を連携し、話した瞬間に議事録が生成される生成AIベースの打合せ記録システム を開発しました。
本文では、首都圏でBtoBを提供する営業会社S社に導入した議事録自動生成を例に、導入背景から効果までリアルなプロセスをご紹介します。
目次
背景と課題
S社では、営業が週に延べ 30件以上 の打合せを実施。
議事録は担当者の手入力で作成し、共有は Slack 投稿とExcel台帳の併用。
その結果、次のような課題が顕在化していました。
①タイムリーに共有されない
・議事録完成は会議翌日以降が常態化
②記録品質が属人化
・メモ漏れ、表現揺れで検索性が低下
③履歴の検索が煩雑
・Excel 管理では「いつ、誰が、何を」が探しにくい
お客様からの要望
今回の要望として以下の5つが挙げられました。

システムソリューションの概要
システムの全体像

厳密には動きが違う部分もございますが、大きな流れとしては上記図のようになります。
IAMやVPSを使用しセキュリティを意識した作り、またSlackへの通知も実装していきます。
提案のポイント
①権限制御を FileMaker で完結
・既存アカウント管理を流用し、閲覧範囲を自動フィルタリング。
②非エンジニアでも扱える UI
・WebViewerでボタン「音声取込 ↔ 停止」を切替。(Web Direct)
③コスト最適化
・Transcribe は会議時間に応じた従量課金、Bedrock はトークン課金。
月間 200 時間利用で 約 2.1 万円(試算)に抑制
実装プロセス
要望定義(2週間)
業務での音声データ取込フローを可視化し、システム導入後の動作イメージを共有しました。 そのイメージを基に、自社内での運用にどの様な機能が必要かを洗い出していただきます。
要件定義(3週間)
必要な機能が決まりましたら、実際にどのように運用するのかを決めていきます。 その中で、最終的にどのような生成テキストが返ってきたら良いのかをテストし、AIの基盤モデルや生成パラメータの調節、プロンプトの修正を行なっていきます。
開発(10週間)
今回の開発範囲は以下のとおりになります。
①FileMakerの録音ボタンのUI開発
②AWSの構築
③FileMakerとAWSを繋げるAPIの開発
運用

議事録の作成がかなり改善され、今まで議事録の作成に使っていた時間が別の打合せに時間を使えるようになっていることがわかります。
また、件数が増えているにもかかわらず、アポ獲得率は上がっているのことがわかります。 このことから、生成AIによる議事録作成が顧客に対してもメリットがあることが読み取れます。
ユーザの声


まとめ
今回の導入事例はいかがでしたでしょうか。
生成AIは、業務効率を飛躍的に高める手段として注目されています。
一方で「情報漏洩が心配」「導入が難しそう」といった理由で活用に踏み切れていない企業様も少なくありません。
そのため、セキュリティ対策が施されたAWS上での実装を今回ご紹介しました。
また、株式会社ブリエでは、FileMakerを活用したシステム開発や運用支援を行っています。
業務システムのセキュリティについてのご相談もお気軽にお問い合わせください。

多岐にわたる業種での経験を経て、現在はFileMakerを中心に活躍中のエンジニアです。ローコード開発を得意としながらも、Django、React、Flutterなどの技術にも挑戦し、幅広い開発スキルを習得。常に自分の技術を磨き、より良いソリューションを提供できるよう、継続的にスキルアップを図っています。多彩な技術を駆使して、クライアントのニーズに応える柔軟性と、迅速かつ効果的な開発力が強みです。