FileMakerエンジニア
FileMaker(ファイルメーカー)システムを長年運用している企業では、サーバーの老朽化・リモートワークへの対応・災害対策・保守コストの増加などを理由に、クラウド移行を検討するケースが増えています。
その中でも候補としてよく挙がるのが、Amazon Web Services(AWS)です。
しかし「AWSに移行した方が良いの?」「オンプレミスと何が違うの?」という疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
今回はFileMaker ServerをAWSへ移行するメリット・デメリットについて解説します。
目次
オンプレミスとAWSの違い
まずは両者の特徴を簡単に整理してみます。
| 項目 | オンプレミス | AWS |
|---|---|---|
| サーバー設置場所 | 自社内 | クラウド |
| 初期費用 | 高い | 低い |
| 機器故障対応 | 自社 | AWS基盤 |
| 拡張性 | 低い | 高い |
| 災害対策 | 自社対応 | 容易 |
| 運用管理 | 自社 | 自社+AWS |
初期費用を抑え、災害に強く柔軟な運用ができるのがAWS(クラウド)の強みです。
一方で、オンプレミス環境とはコストの考え方や管理方法に違いがあります。
では、AWSには具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。詳しく見ていきましょう。
AWSへ移行するメリット
サーバー故障リスクを低減できる
オンプレミスではハードウェアの老朽化による突然のHDD故障や電源トラブルなどが発生します。
特に5年以上利用しているサーバーでは故障リスクが高まります。
AWSでは物理サーバーの管理を利用者が行う必要がなく、サーバー故障による緊急対応のリスクを大幅に軽減できます。
リモートアクセス環境を構築しやすい
働き方の多様化が進むなか、AWS上にFileMaker Serverを配置することで、インターネット経由で安全に接続できる環境を構築しやすくなります。
VPNや固定IP環境に依存しない構成も実現可能です。
バックアップ環境を強化できる
オンプレミスではバックアップ先も社内にあるケースが多く、火災や災害時に本番とバックアップの両方を失う可能性があります。
AWSでは EBSスナップショット・S3バックアップ・別リージョン保管 などが利用できます。
サーバースペック変更が容易
利用者が増えた場合、オンプレミスではメモリ増設やサーバー買い替えが必要になります。AWSでは数分でCPU・メモリの増強を行うことができ、繁忙期だけスペックを上げるといった運用も可能です。
AIとの連携がしやすい
最近増えているのが、Amazon BedrockやAmazon SageMakerといったAWSのAIサービスとの連携です。
例えば、FileMakerデータをAIが検索し回答する仕組みも構築できます。
FileMakerと生成AIを連携したい場合、AWSとの相性は非常に良いといえます。
AWSへ移行するデメリット
月額費用が継続的に発生する
オンプレミスではサーバー購入後は比較的費用が安定しますが、AWSでは EC2・EBS・バックアップ などの費用が毎月発生します。
小規模環境では月額数千円~数万円、中規模以上では数万円~十数万円になることもあります。
AWSの知識が必要
AWSではVPC(仮想ネットワーク)の設定やIAM(権限管理)などの知識が必要になります。FileMaker管理者だけでは対応が難しいケースもあります。
ネットワーク品質に依存する
オンプレミスの社内LAN環境よりも、インターネット回線品質の影響を受けます。
特に大量データ転送・コンテナフィールド運用・画像管理では注意が必要です。
FileMaker Serverの設定は必要
AWSに移行しただけで自動的に安全になるわけではありません。以下の設定は必須です。
・SSL証明書
・ファイアウォール
・バックアップ
・セキュリティ更新
移行後も適切な運用設計が重要になります。
どんな企業に向いているか
AWS移行が向いている企業
- 複数拠点で利用している
- リモートワークが多い
- サーバーが5年以上経過している
- 災害対策を強化したい
- AI活用を検討している
- 社内にサーバー管理者がいない
オンプレミス継続も選択肢
- 利用者が数人程度
- 社内LANのみで利用
- ネットワーク接続が不安定
- サーバー更新直後
- クラウド運用担当者がいない
実際の現場で感じること
FileMaker ServerのAWS移行は、単なる「サーバー移設」ではありません。
重要なのは「今後の運用をどうするか」という視点こそが、移行の成否を分けます。
特に近年は AI活用・Webシステム連携・API連携・モバイル活用 が増えています。
そのため、新規構築やサーバー更新のタイミングであれば、AWSを選択するメリットは年々大きくなっています。
まとめ
最大のメリットは、「拡張性」と「将来性」。
一方で、AWS特有の知識や運用設計も必要になります。「クラウドだから正解」ではなく、利用人数・運用体制・将来計画を踏まえて判断することが重要です。
特に今後、以下のような取り組みを考えている企業にとって、AWSは有力な選択肢になるでしょう。
また、株式会社ブリエでは、FileMakerを活用したシステム開発や運用支援を行っています。
業務システムのセキュリティについてのご相談もお気軽にお問い合わせください。
多岐にわたる業種での経験を経て、現在はFileMakerを中心に活躍中のエンジニアです。ローコード開発を得意としながらも、Django、React、Flutterなどの技術にも挑戦し、幅広い開発スキルを習得。常に自分の技術を磨き、より良いソリューションを提供できるよう、継続的にスキルアップを図っています。多彩な技術を駆使して、クライアントのニーズに応える柔軟性と、迅速かつ効果的な開発力が強みです。








