執筆者:山崎 勇也
FileMakerエンジニア
「この請求とあの請求をまとめて1枚にしたい」——そんなとき、皆さんはどうしていますか?
FileMaker(ファイルメーカー)で請求管理を運用しているあるお客様では、合算請求書を作るたびに、1件ずつ請求書をPDFとして出力し、Acrobatなどのソフトを利用して結合するという手順を踏んでいました。
今回ご紹介するのは、既存の請求管理システムに「チェックボックスによるレコード選択機能」を追加することで、この手作業を丸ごと自動化した事例です。
導入後は、合算したい請求にチェックを入れてボタンを押すだけで、合算請求書が自動的に生成されるようになりました。
目次
既存システムが抱えていた課題
このお客様のシステムでは、複数の請求をまとめて処理する場面で、いくつかの課題が積み重なっていました。
具体的には、以下の3つが主な課題でした。
- 合算対象を選択する煩雑さ
合算したいレコードは必ずしも同じ条件で検索できないため、目視で発見
- 個別でPDFを出力しては手作業で結合
合算のたびにFileMakerから離れ、手作業で結合する手間が発生
- 画面の「行ったり来たり」で発生するタイムロス何件もの請求で一覧画面と詳細画面を行き来しながら選択、出力することの煩雑さ
特に検索性の問題は大きく、請求書の担当者が画面を目で追いながら行う必要がありました。検索条件をいくら組み合わせても思い通りに絞り込めず、結局、人の目で見て判断するしかないという状況でした。
「チェックしてボタンを押すだけ」に変わった合算請求処理
チェックボックスで「選ぶ」を直感的に
一覧画面の各行にチェックボックスを設け、ユーザーが任意のレコードを直感的に選択できる仕組みを追加しました。
一覧を目で確認しながら「これとこれ」とチェックを入れ、処理ボタンを押すだけで、選択したレコードをまとめた合算請求書が自動で生成されます。
課題への解決策
チェックボックスが解決したこと
- PDF手作業結合の廃止チェックしてまとめて処理することで、合算請求書の生成が自動化
- 選び間違いの防止チェック状態が視覚的に確認できるため、対象の見落としや誤選択を防止
- 操作の統一誰でも同じ手順で処理できるシンプルさにより、人に依存しない運用が可能
改善前と改善後
改善前
合算対象のレコードを1件ずつ開いてPDFを個別出力
AcrobatなどのソフトでPDFを手動で結合
対象が多いほど工数が増え、ミスも起きやすい状況
改善後
一覧画面でチェックを入れて処理ボタンを押すだけ
合算請求書が自動生成され、PDF結合作業は不要に
対象の選択状態が画面上で一目でわかる
同じ仕組みを複数の画面に展開できる
今回実装したチェックボックスによる選択の仕組みは、一括処理だけでなく、表示対象の絞り込みにも応用できます。
「検索条件として言語化しにくいが、目で見るとわかる」対象を素早く選び出す場面、たとえば「この請求とあの請求だけ今すぐ確認したい」といったケースでも、検索を組まずにチェックだけで絞り込みが完結します。
同じ顧客のシステムでも、用途に応じて複数の画面にこの仕組みを展開しており、操作の一貫性を保ちながら様々な業務シーンに対応しています。
まとめ
今回の事例では、既存の請求管理システムにチェックボックスによるレコード選択機能を追加することで、手作業のPDF結合という余分な工数をそのまま解消することができました。
チェックボックスによる選択の仕組みは、一括処理の起点としても表示の絞り込みとしても活用できる汎用性の高い機能です。誰でも同じ操作で処理できるシンプルなUIは、担当者への属人化防止にもつながります。
「うちのシステムでも、似たような手作業が残ってる」とお感じであれば、既存のFileMakerシステムへの機能追加で解消できる可能性があります。お気軽にご相談ください。
執筆者:山崎 勇也
株式会社ブリエのプロジェクトマネージャー。将来的な可能性やリスクを考慮した幅広い視野を持ち、最適な選択肢を提案できるプロフェッショナル。FileMakerをはじめとするローコード開発に精通し、豊富な専門知識を活かして顧客に最善のサービスを提供する。常に冷静で的確な判断を下し、複雑な問題に対しても高度な分析力で解決策を導き出す。








