FileMaker × メール連携 レコード操作を自動化し効率の良い業務へ

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執筆者:諏訪田 隆星

FileMakerエンジニア

FileMaker(ファイルメーカー)は業務アプリケーションの構築に非常に優れたツールですが、日報やタスクの確認・更新など、わざわざFileMakerを開かないと操作できないという点に不便を感じたことはないでしょうか。
本記事では、「FileMakerでレコードを作成したときに専用のメールアドレスを発行し、そのメールに送信することでレコードに自動でアクションを加える」という仕組みをご紹介します。
メールという誰もが使い慣れた手段を活用することで、現場の人でも簡単にFileMakerと連携した操作が可能になります。

目次

実現できること

「レコードごとのメールアドレス」の仕組みを使えば、以下のような便利な機能を簡単に実装できます。

タスク・案件へのコメント追加

①タスク作成時にタスク専用のメールアドレスを発行
②発行されたメールアドレスにメールを送るだけで、メール本文がそのタスクのコメント欄に追加
③ファイルなどもバイナリデータに変換することで保存可能

ステータスの自動更新(承認・完了など)

①担当者が日報を登録すると、日報の内容が送信されます。
②指定されたメールアドレスに返信するなどの方法で、元の日報データにコメントを登録したり、承認をフラグ立てることができます。

メール連絡の自動記録

①クライアントからのメールを発行されたメールアドレスを使用することでクライアント別に管理
②クライアントごとにメッセージを管理することでメールを探す手間が軽減

通知のトリガーとして活用

①レコードに届いたメールをトリガーにして、SlackやLINEに内容を通知
②「新しいコメントが届きました」「ファイルがアップロードされました」など、即座にチームで情報共有

技術的な仕組みの概要

この仕組みを実現する方法として、最も安価で簡単なのが「Gmailのエイリアス機能+Google Apps Script(GAS)+FileMaker Data API」の組み合わせです。

Gmail エイリアス

Gmailエイリアスとは、1つのGmailアカウントで複数のメールアドレスを扱える仕組みです。
特に「+」記号を使ったサブアドレス(例:example+task123@gmail.com)は、受信時にexample@gmail.comとして扱われますが、サブアドレスの文字列をGASで解析することで、どのレコードに対応するメールかを判断できます。

GAS(Google Apps Script)

GAS(Google Apps Script)とは、Google が提供するクラウドベースのスクリプト言語で、主に以下のような用途に使われます。
・Gmail メールの自動送信、メール内容の解析、通知の自動化など
・Google Sheets データの集計、定期レポートの生成、セルの自動更新など
・Google Forms 回答の自動処理、通知メールの送信
・Google Calendar イベントの自動登録、リマインダーの送信
・Google Drive ファイルの自動生成・整理、共有設定の変更など
このGASを使用しFileMaker Data APIを叩くことで連携ができます。

FileMaker Data API

FileMaker Data APIとは、外部アプリケーションやWebサービスからFileMakerデータベースのデータを読み書き・更新・削除できる仕組みです。

Gmailエイリアスのデメリット

Gmailエイリアスは非常に便利でコストもほとんどかかりませんが、ひとつ大きな制約があります。
それは、Gmailエイリアスは「送信専用」であり、受信では使用できないという点です。
つまり、受信したときの宛先は example@gmail.comになり、example+123@gmail.comのようなアドレスで受信することができないので返信する際はアドレスに指定のエイリアスを含める必要があります

代替案

もちろん、その技術に対する対応策はあり今回のGmal エイリアス以外にも同じような機能を実行する記述はございます。
それは独自ドメイン(例:example.com)を取得し、Catch-all(すべてのメールを受信)設定のあるメールサーバを使用することで、record123@example.com のようなアドレスで自由にメールを受け取ることが可能です。
この方法であれば、エイリアスの制約を回避し、受送信のやり取りにも柔軟に対応できます。
ただしこちらの方法は技術的レベルが少し高めになります。
また、
Gmailのエイリアスで行いたい場合は、HTML送信の機能を使用すれば返信のメールを立ち上げることも可能です。

実装動画

まとめ

いかがでしたでしょうか。
メールを活用することで、FileMakerをより便利に使いこなすことができ、業務効率の向上にもつながります。
工夫次第では、さらに複雑な処理や多様な活用方法も実現可能です。
ぜひさまざまなアイデアを考えてみてください。
「こんなことができそう」「あんなことも試してみたい」などのご意見がありましたら、ぜひYouTubeのコメント欄で教えてください。
また、「この機能を実装してほしい」というご要望がありましたら、お気軽にお問い合わせください。

また、株式会社ブリエでは、FileMakerを活用したシステム開発や運用支援を行っています。
業務システムのセキュリティについてのご相談もお気軽にお問い合わせください。

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執筆者:諏訪田 隆星

多岐にわたる業種での経験を経て、現在はFileMakerを中心に活躍中のエンジニアです。ローコード開発を得意としながらも、Django、React、Flutterなどの技術にも挑戦し、幅広い開発スキルを習得。常に自分の技術を磨き、より良いソリューションを提供できるよう、継続的にスキルアップを図っています。多彩な技術を駆使して、クライアントのニーズに応える柔軟性と、迅速かつ効果的な開発力が強みです。

【全国対応】株式会社ブリエは、企業の経営課題であるDX化、業務効率化、ペーパーレス化、情報の一元管理など、ビジネスニーズの変化に合わせてFileMakerで業務システムを開発し、柔軟に拡張して解決します。あらゆる業種や規模の企業、非営利団体、学校に固有の課題を解決するカスタムAppをご提案します。

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