
FileMakerエンジニア

業務システムの導入は、業務の効率化や生産性の向上を目的としていますが、システムが使いにくければ、その効果を十分に発揮することはできません。
- 使い勝手の悪いシステムは業務効率を低下させる。
- 直感的な操作ができないと従業員のストレスが増加する。
- 業務プロセスが煩雑になり、余計な時間やコストが発生する。
- エラーが多発し、データの正確性が損なわれる。
- システムの不満が従業員のモチベーション低下や離職につながる。
実際、「システムが複雑すぎて使いこなせない」「操作が煩雑で業務のスピードが落ちる」といった課題に直面する企業は少なくありません。
このような問題を解決するために重要なのが、UX(ユーザエクスペリエンス)の改善です。
使いやすいシステムは、業務のスムーズな進行、エラーの削減、従業員のストレス軽減につながります。
- 業務システムのUXがなぜ重要なのか
- UXの代表的な課題とその解決策
- UX改善がもたらす具体的なメリット
- UX改善に向けた具体的なアプローチ
- UX改善に強いシステム開発会社の選び方
本記事では、業務システムのUXが重要な理由や改善策、適切なシステム開発会社の選び方について詳しく解説します。
目次
1. 業務システムのUXとは

業務システムは、日々の業務を効率化し、生産性を向上させるために導入されるものではないでしょうか。
システムの導入だけでは十分ではなく、実際に利用するユーザがストレスなく操作できることが重視される必要があります。
この「使いやすさ」や「快適さ」を追求するのがUX(ユーザエクスペリエンス)です。
業務システムのUXが優れていると、業務の効率が向上し、ミスの削減や業務の円滑化が期待できます。
ここからは、業務システムにおけるUXの重要な要素と、UI(ユーザインターフェース)との関係について詳しく解説します。
1.1. UXに必要な要素
UXとは、システムを利用する際にユーザが感じる使いやすさや満足度を指します。
特に業務システムにおいては、直感的な操作性、一貫性のあるデザイン、適切なレスポンス速度などが重要な要素となります。
具体的には、ワンクリックでの操作完結、必要な情報への迅速なアクセス、エラー発生時の明確なフィードバック、作業の進捗状況の可視化などが含まれます。
操作性に関する要素 |
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情報アクセスに関する要素 |
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フィードバックに関する要素 |
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可視化に関する要素 |
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1.2. UIとの関係
UXとUI(ユーザインターフェース)は密接に関係しています。
UIは画面のデザインやレイアウトを指し、これが適切に設計されていないとUXの質が低下します。
たとえば、視認性の悪いボタン配置や非直感的なメニュー構造が、業務の効率を大きく損なうなどです。
具体的な改善例として、頻繁に使用する機能をトップページに配置する、色やアイコンを用いて情報の優先度を表現する、入力フォームにオートコンプリート機能を実装するなどが挙げられます。
レイアウトの最適化 |
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視覚的な工夫 |
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入力支援機能 |
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カスタマイズ機能 |
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なお、業務システムのUIについては以下の記事で詳しく解説しております。
参考になさってください。
2. 業務システムにUXが重要と言われる理由

UXが考慮されたシステムであれば、従業員の生産性向上と業務の効率化を実現できます。
- 使いこなせない
- 業務がスムーズに進まない
- 従業員のストレスが増加する
- 業務プロセスが煩雑になる
- 無駄なコストがかかる
ここからは、業務システムにUXが重要と言われる理由を詳しく解説します。
2.1. 使いこなせない
使いこなせないシステムは、期待された業務効率化の効果を発揮できないばかりか、かえって業務の負担を増やすことにもつながります。
特に新入社員や異動者は、複雑な操作手順の習得に時間を要し、本来の業務に集中できなくなります。
- 新しい経費精算システムが導入されたが、申請方法が複雑すぎて従業員が入力ミスを連発。結果として、総務部門が修正作業に追われ、業務効率が悪化した。
- 営業管理システムの操作マニュアルが100ページ以上あり、新入社員が操作を覚えるのに1か月以上かかった。
2.2. 業務がスムーズに進まない
操作性の悪いシステムは業務の進行を妨げ、作業効率を低下させます。
たとえば、データ入力に過度なクリック数を要する、画面遷移が多すぎる、検索機能が充実していないなどの問題により、単純な作業に余分な時間を費やすことになります。
在庫管理システムで商品を検索するたびに3回以上の画面遷移が必要で、1件あたりの処理時間が通常の2倍かかる。
契約書管理システムでデータを更新する際、確認画面が毎回表示されるため、1件の修正に5分以上かかり、時間当たりの処理件数が減少した。
2.3. 従業員のストレスが増加する
使いにくいシステムはストレスを増大させ、従業員のモチベーション低下につながります。
特に、頻繁なシステムエラーやフリーズ、データ消失などのトラブルは、従業員の精神的負担を増大させます。
顧客管理システムが頻繁にフリーズし、営業担当者が訪問先で適切な情報を提示できず、商談がスムーズに進まなかった。
勤怠管理システムの入力画面が煩雑で、毎月の勤務時間入力に1時間以上かかり、結果として残業が増加。
2.4. 業務プロセスが煩雑になる
UXが考慮されていないシステムは、業務フローを不必要に複雑化させます。
たとえば、部門間でのデータ連携が円滑でない、承認フローが煩雑、手作業での二重入力が必要などの問題により、本来不要な作業工程が発生するなどです。
発注システムで、同じデータを販売部門と仕入れ部門で二重入力する必要があり、入力ミスが頻発。
稟議決裁システムの承認フローが7段階あり、最終承認までに1週間以上かかることが常態化。
2.5. 無駄なコストがかかる
操作ミスやトレーニングコストが増大し、結果的に企業のコスト負担が増加します。
具体的には、システムの操作研修費用、マニュアル作成・更新費用、ヘルプデスク対応費用、データ修正作業の工数などが発生します。
経理システムの操作が難しく、従業員向けに毎月研修を実施。そのコストが年間100万円以上に達した。
操作ミスによる誤入力が頻発し、エンジニアチームが毎月数十時間をデータ修正に費やすことになった。
システムの使いづらさが原因で離職者が増加し、結果的に採用コストが増大した。
UXが考慮されていない業務システムは、深刻な問題を引き起こす原因です。
システムの導入目的である「業務の効率化」とは真逆の結果を招く場合もあると心得ておきましょう。
3. 業務システムのUXにおける代表的な課題

業務システムのUXを改善するためには、どのような課題があるのかを明確にすることが重要です。
多くの企業では、業務効率を向上させるためにシステムを導入していますが、実際には使いにくさが原因で逆に業務の負担が増えてしまうケースも少なくありません。
- 複雑な操作フロー
- 非直感的なインターフェース
- レスポンス速度
- 情報の視認性
ここからは、業務システムのUXにおける代表的な課題、それぞれの問題点と影響を解説します。
3.1. 複雑な操作フロー
直感的でない操作手順は業務の遅延を招く原因です。
たとえば、書類作成において5画面以上の遷移が必要な場合、作業者の負担が増大し、ミスも発生しやすくなります。
また、操作の順序が論理的でない場合、新入社員の教育に余分な時間がかかり、チーム全体の生産性を低下させることもあります。
- 画面遷移が多すぎて操作が煩雑
- 作業手順が論理的でなく、覚えにくい
- 一貫性のない操作ルールで、ユーザが混乱しやすい
- 頻繁に使用する機能が深い階層に隠れている
3.2. 非直感的なインターフェース
視認性の低いデザインや配置ミスが混乱を生みます。
重要なボタンが画面の隅に配置されていたり、似たような機能のボタンが離れた場所にあったりすると、探すのに時間がかかってしまいます。
色使いや文字サイズが統一されていない場合、情報の優先順位が分かりにくく、操作ミスのリスクも高まるでしょう。
- 重要なボタンや機能が目立たず、操作しづらい
- 似たようなアイコンやボタンの配置が不統一で迷いやすい
- 色やフォントサイズの統一がなく、視認性が低い
- モバイル対応が不十分で、小さな画面では操作しにくい
3.3. レスポンス速度
処理速度が遅いと業務の流れが滞り、時間の無駄が生じます。
特に大量データの処理や検索機能では、レスポンスの遅延が著しい生産性低下を引き起こします。
たとえば、顧客データベースの検索に3秒以上かかる場合、1日あたり数十分の損失となり、年間では大きな機会損失につながるなどです。
- システムの応答時間が遅く、待ち時間が発生する
- 検索やデータ処理の速度が遅く、作業効率が低下する
- 同時アクセスが多いと動作が不安定になる
- クラウドシステムの通信遅延が業務に影響する
3.4. 情報の視認性
必要な情報が見つけにくいと、業務効率が大幅に低下します。
データの階層構造が複雑すぎたり、検索機能が貧弱だったりすると、社員は必要な情報を探すのに多くの時間を費やすことになります。
また、重要な通知やアラートが適切に表示されない場合、重大なミスや判断の遅れにつながる可能性があります。
- データ構造が複雑で、必要な情報を探しづらい
- 検索機能が貧弱で、適切な結果が得られにくい
- 重要な通知やアラートが見逃されやすい
- ダッシュボードの情報量が多すぎて、必要な情報が埋もれる
これらの問題を放置すると、業務効率が低下し、従業員の負担が増大してしまいます。
UXを改善することで、システムの使いやすさが向上し、業務の生産性向上や従業員の満足度向上につながります。
4. 業務システムのUX改善がもたらすメリット

業務システムのUXを改善することで、業務の効率化だけでなく、エラー率の低下や従業員の満足度向上など、多くのメリットが得られます。
企業がUXを重視することで日々の業務負担を軽減し、より戦略的な業務にリソースを割くことができます。
- 業務効率の向上
- エラー率の低下
- トレーニング時間の短縮
- 従業員満足度の向上
- データ品質の改善
- コンプライアンスの強化
- イノベーションの促進
ここからは、UX改善によって具体的にどのような成果が期待できるのか、実際の事例を交えて解説します。
メリットを最大限に活かすために、どのようなUXの改善策が有効なのか、具体的な事例を通じて確認していきましょう。
4.1. 業務効率の向上
操作が簡単になり、業務スピードが向上します。
たとえば、3クリックで完了していた作業が1クリックで済むようになれば、1日あたりの処理件数が増加するケースもあります。
また、直感的な操作性により、複数のタスクを並行して処理できるようになり、業務全体のスループットが改善されます。
従来は受注入力から出荷指示まで複数の画面を行き来する必要があり、1件の処理に約15分かかっていました。
改善後は、1画面での一括処理が可能となり、処理時間が5分に短縮
頻繁に利用する得意先情報や商品コードの入力補助機能により、入力ミスも大幅に減少しました。結果として、受注処理チームの残業時間が月平均20時間から5時間に削減されました。
4.2. エラー率の低下
分かりやすいインターフェースにより、ミスが減少します。
入力フォームの適切なバリデーション、明確なエラーメッセージ、確認画面の改善により、データ入力ミスを50%以上削減できた事例も報告されています。
修正作業にかかる時間と労力も大幅に削減されるでしょう。
以前は手入力による住所や名義の誤りが多発し、月平均30件の訂正業務が発生していました。
新システムでは、顧客番号による情報自動連携や入力規則のリアルタイムチェックにより、エラーの90%が未然に防止されるようになりました。
特に、振込先口座の確認機能により、誤振込のリスクが実質ゼロになりました。
4.3. トレーニング時間の短縮
シンプルな操作性により、新人の教育コストを削減できます。
直感的なUIにより、従来2週間かかっていた基本操作の習得が3日程度に短縮される例もあるようです。
オンラインヘルプやチュートリアル機能の充実により、従来の集合研修の必要性が低減できることもあります。
従来は複雑な操作手順の習得に2週間を要していましたが、画面上のガイド表示や直感的なアイコン設計により、3日間の研修で実務に対応できるようになりました。
また、よくある質問へのアクセスが容易になり、ヘルプデスクへの問い合わせも従来の3分の1に減少しました。
4.4. 従業員満足度の向上
使いやすいシステムは従業員のストレスを軽減し、定着率向上につながります。
システムの使いづらさによるストレスは離職理由の上位に挙げられることが多く、UX改善により従業員の満足度が向上したというケースもあります。
以前は複雑な画面操作に時間をとられ、配送計画の確認にストレスを感じるドライバーが多くいました。
改善後は、大きなボタンと明確な色分けにより、手袋をしたままでも操作が容易になり、1回の配送にかかる時間の短縮を実現。
残業時間の削減と合わせて、従業員満足度調査でのシステム評価も向上しました。
4.5. データ品質の改善
適切な入力が促され、データの正確性が向上します。
入力支援機能や自動チェック機能の実装により、データの整合性が保たれ、後続の分析や報告作業の信頼性が向上します。
これにより、データに基づく意思決定の質も向上するでしょう。
従来は手書きデータの電子化時のミスや、異なる部門間でのデータ不整合が問題でした。
改善後は、バーコード認証との連携や、部門間でのリアルタイムデータ同期により、記録の正確性が大幅に向上。
また、重要な検査値の入力ミスを防ぐアラート機能により、患者の安全性も向上しました。
4.6. コンプライアンスの強化
正確なデータ管理が可能になり、規制遵守が容易になります。
監査証跡の自動記録や、承認フローの可視化により、コンプライアンス違反のリスクを最小限に抑えることが可能です。
また、定期的なレポート作成も自動化が可能になります。
以前は重要事項説明の確認漏れや、期限切れ書類の使用といったリスクがありました。
改善後は、法定書類の自動チェックリストや承認フローの可視化により、コンプライアンス違反のリスクが大幅に低減。
また、監査対応の工数が大きく%削減され、業務効率の向上にもつながりました。
4.7. イノベーションの促進
スムーズな業務環境が新たなアイデアの創出を支援します。
日常業務の負担が軽減されることで、従業員は業務改善や新しいサービスの開発により多くの時間を割くことができます。
また、部門間の連携を促進することにも効果的です。
データ入力作業の効率化で生まれた時間を活用し、従業員からの改善提案が増加。
また、顧客データの分析機能強化により、潜在的なニーズの発見が容易になり、新規サービスの開発件数が前年比で3倍に増加しました。
部門間のコミュニケーション機能も充実し、全社的なイノベーション活動が促進されています。
5. 業務システムのUX改善に必要なアプローチ

業務システムのUXを改善するには、ユーザの課題を把握し、それに基づいた設計を行うことが不可欠です。
- ユーザの課題を把握する
- 業務フローに適したシステム設計
- アクセシビリティの向上
- PDCAサイクルの導入
UX改善のプロセスでは、ユーザがどのような点に不満を感じているのかを明確にし、具体的な改善策を検討することが重要です。
ここからは、UX改善に必要なアプローチについて、ユーザの課題把握、業務フローの最適化、アクセシビリティ向上、PDCAサイクルの導入といった観点から詳しく解説します。
5.1. ユーザの課題を把握する
ヒアリングやアンケートを実施し、実際の課題を明確にします。
処理時間、エラー率などの定量的なデータと不満点、改善要望などの定性的なフィードバックの両方を収集し、優先度の高い課題から対応していきましょう。
実際の業務現場での観察調査も効果的です。
- 現場の代表者へのインタビューを実施する
- システムのログデータを分析し、頻繁に発生するエラーや遅延を特定する
- アンケートを通じて、ユーザが最もストレスを感じるポイントを明確にする
- 実際の業務フローを観察し、作業の流れとシステムの整合性を確認する
5.2. 業務フローに適したシステム設計
業務プロセスを分析し、最適なフローを構築します。
現状の業務フローを可視化し、無駄な工程や重複作業を特定しましょう。
その上で、業務の本質的な目的を達成するための最短経路を設計し、システムに反映させます。
- BPMN(ビジネスプロセスモデリング表記法)を活用し、業務フローを図式化する
- 業務ごとに重要な処理時間、エラーなどを設定し、改善の効果を数値化する
- ユーザストーリーを作成し、実際の業務シナリオに沿ったシステムの動作を検証する
- 業務改善ワークショップを実施し、現場の意見を反映したフローを設計する
5.3. アクセシビリティの向上
誰でも簡単に操作できるデザインを採用しましょう。
色覚特性への配慮、フォントサイズの調整機能、キーボードショートカットの実装など、多様なユーザニーズに対応します。
また、マルチデバイス対応により、場所を問わない業務遂行を可能にします。
- WCAG(ウェブコンテンツ・アクセシビリティ・ガイドライン)に準拠したUI設計を行う
- 色覚障がいを考慮し、コントラスト比を適切に設定する
- フォントサイズ変更機能や音声読み上げ機能を導入する
- キーボードショートカットを活用し、マウス操作なしでも業務が完結できるようにする
5.4. PDCAサイクルの導入
継続的な改善を行うため、フィードバックを活用します。
システム導入後も定期的なユーザアンケートや利用状況の分析を行い、新たな課題や改善点を特定しましょう。
また、パフォーマンス指標を設定し、改善効果を定量的に測定することで、投資対効果の検証も可能になります。
- 定期的なユーザ満足度調査(NPSなど)を実施する
- 利用ログを収集し、システムの操作頻度やエラー発生率をモニタリングする
- 定期的なUXレビュー会議を開き、改善点を議論する
- A/Bテストを活用し、異なるデザインや機能の効果を検証する
業務システムのUXを改善するには、ユーザの課題を把握し、それに基づいた設計を行うことが不可欠です。
これらのアプローチを組み合わせることで、業務システムのUXを最大限に向上させ、組織全体の生産性向上につなげることが可能となります。
6. UXの改善をシステム開発会社に依頼する際のポイント

UX改善を成功させるには、適切な開発パートナーの選定が鍵を握っているといっても過言ではありません。
システム開発会社に依頼する際には、目的の明確化、ユーザニーズの把握、適切な開発会社の選定、そして継続的な改善の実施が重要です。
- UX改善の目的を明確にする
- ユーザの声を反映した要件を整理する
- 最適なシステム開発会社を選定する
- 継続的な改善を行う
ここからは、UX改善をシステム開発会社に依頼する際に押さえておくべきポイントを解説します。
6.1. UX改善の目的を明確にする
目的を明確にし、適切な要件定義を行います。
「使いやすくする」といった抽象的な目標ではなく、「データ入力時間を30%削減する」「エラー率を50%低下させる」など、具体的な数値目標を設定しましょう。
また、経営課題との紐付けを明確にし、投資対効果の測定基準も事前に決定しておくことも重要です。
- 目標が具体化されることで、開発方針が明確になり、適切な施策を実施できる。
- 経営層の理解を得やすくなり、UX改善プロジェクトへの投資判断がスムーズになる。
6.2. ユーザの声を反映した要件を整理する
実際の利用者の意見をシステムに反映させます。
現場での業務観察、ユーザインタビュー、アンケート調査などを通じて、具体的な課題や要望を収集しましょう。
特に、頻繁に使用する機能や時間のかかる作業に注目し、改善による効果が高い項目を優先的に要件に含めます。
- ユーザの不満を軽減し、システムの受け入れがスムーズになる。
- 実際の業務に即したシステム設計となるため、導入後の手戻りが減少する。
6.3. 最適なシステム開発会社を選定する
特に重要なことは、UXに強みを持つシステム開発会社を選定することです。
過去の実績、特にUX改善プロジェクトでの成功事例を重視しましょう。
提案内容が自社の業務フローや組織文化に適合しているか、プロジェクト管理能力は十分か、といった観点からも評価する必要があります。
複数の企業から提案を受け、比較検討することをおすすめします。
- 経験豊富な開発会社を選ぶことで、効果的なUX改善が実現しやすくなる。
- 自社の業務に合ったシステムを構築でき、導入後の運用負担が軽減される。
6.4. 継続的な改善を行う
システム導入後も、定期的に改善を実施します。
利用状況のモニタリング、定期的なユーザフィードバックの収集、パフォーマンス指標の測定などを通じて、システムの効果を検証しましょう。
新たな業務要件や技術トレンドにも対応できるよう、開発会社との長期的なパートナーシップを構築することも重要です。
- ユーザのニーズ変化に対応し、システムの使いやすさを維持できる。
- 長期的な視点でのUX改善が可能となり、業務効率の向上につながる。
最適なシステム開発会社を選定し、継続的な改善を実施することで、より効果的なUXの向上が実現できます。
これらのポイントを押さえることで、システムの使いやすさを最大限に向上させれば、業務効率の向上や従業員の満足度向上にもつながるでしょう。
なお、業務システムのUX改善をお考えの場合は、「株式会社ブリエ」にご相談ください。
7. 業務システムのUX改善に強いシステム開発会社の選び方

UX改善を成功させるためには、開発パートナーの選定が非常に重要です。
システム開発会社ごとに強みや得意分野は異なるため、自社の業務や改善したいポイントに最適な企業を選ぶことが求められます。
- UXデザインの専門知識を持つ開発会社か
- ユーザヒアリングや業務フロー分析を実施するか
- シンプルで直感的なUI設計が得意か
- 導入後のサポートが充実しているか
- カスタマイズの柔軟性があるか
- コストと納期のバランスが適切か
ここからは、UXに強いシステム開発会社を選定する際のポイントを解説します。
7.1. UXデザインの専門知識を持つ開発会社か
まず、実績やポートフォリオを確認しましょう。
UXデザイナーの在籍人数、資格保有状況、過去のプロジェクト実績などを確認します。
特に、自社と同じ業界での改善事例があれば、業務特性の理解も期待できるでしょう。
また、最新のUXトレンドやテクノロジーへの対応状況も重要な判断材料となります。

- UX/UIデザイナーの在籍状況と専門性
- 過去のプロジェクトでのUX改善事例
- 最新のUXトレンドやテクノロジーへの対応可否
7.2. ユーザヒアリングや業務フロー分析を実施するか
ユーザ視点での開発ができる企業を選びましょう。
要件定義の段階から現場の声を重視し、実際の業務プロセスを深く理解しようとする姿勢が重要です。
また、データ分析やユーザビリティテストなど、客観的な評価手法を用いて改善効果を検証できる能力も必要です。

- ユーザヒアリングや業務分析の実施有無
- 業務フローの可視化や改善提案の実績
- データ分析やユーザビリティテストの実施頻度
7.3. シンプルで直感的なUI設計が得意か
使いやすいデザインを提案できるかをチェックします。
過去の開発事例におけるUIデザインのクオリティ、デザインプロセスの透明性、ユーザテストの実施方法などを確認しましょう。
提案されるデザインが自社のブランドイメージやガイドラインに合致しているかも重要な判断基準となります。

- UIデザインの実績
- デザインプロセスの透明性
- ユーザテストの実施方法とフィードバックの反映
7.4. 導入後のサポートが充実しているか
運用支援や改善提案ができる企業を選定することも重要です。
システム導入後のユーザサポート体制、トラブル対応の手順、定期的な保守メンテナンスの内容などを確認しましょう。
継続的な改善提案ができる企業であることが望ましいです。
契約更新時の料金体系や、追加開発の対応力についても事前に確認が必要でしょう。

- 導入後のサポート体制(FAQ、ヘルプデスクの有無)
- トラブル対応のスピードや対応範囲
- 定期的な保守メンテナンスとアップデートの有無
- 継続的な改善提案の実施可否
7.5. カスタマイズの柔軟性があるか
自社の業務に適したシステムを提供できるかを確認しましょう。
パッケージ型のシステムでは対応しきれない独自の業務フローがある場合、システム開発会社がどの程度カスタマイズに対応できるかが重要になります。
独自にシステムを開発するのか、カスタマイズ可能なプラットフォームを活用するのかも含めて検討する必要があります。

- 自社業務に合わせたカスタマイズの柔軟性
- 追加機能の開発可否とそのコスト
- 他システムとの連携が可能か(API対応の有無)
7.6. コストと納期のバランスが適切か
開発コストと納期のバランスを慎重に検討しましょう。
安価すぎる開発会社は品質が低い傾向があり、高額すぎる場合は投資利益率が見合わないこともあります。
また、納期が極端に短すぎると要件定義やテストが不十分になり、結果的に運用トラブルが発生しやすくなります。

- 見積もりの内訳が明確か(初期費用・運用コストなど)
- 開発スケジュールが妥当か(無理のない納期設定)
- コストと品質のバランスが取れているか
これらのポイントを踏まえて自社の業務に最適な開発会社を選定することで、より効果的なUX改善が実現できます。
8. 業務システムのUX改善なら「ブリエ」

業務システムのUXを改善することで、業務の効率化や従業員のストレス軽減、データ品質の向上など、さまざまなメリットが得られます。
しかし、実際にどのように改善を進めればよいのか分からず、導入が後回しになっている企業も多いのではないでしょうか。
「ブリエ」は、さまざまな業界・業種で使用される業務システムのUX改善に携わった豊富な経験がございます。
徹底したユーザ目線の設計により業務フローの最適化と直感的なUIを実現し、使いやすいシステムへと進化させます。
業務システムのUX改善に課題を感じている企業は、お気軽にご相談ください。
システムの使い勝手を向上させ、従業員の業務負担を軽減しながら、企業の成長を支援いたします。
9. まとめ
- 使いにくいシステムは業務の効率を低下させる。
- 直感的な操作ができないと従業員のストレスが増加する。
- 業務プロセスが煩雑になり、無駄なコストが発生する。
- エラーやミスが増加し、データの正確性が損なわれる。
- 業務効率の向上により、作業時間を短縮できる。
- システムの使いやすさが向上し、エラー率が低下する。
- 従業員の満足度が向上し、離職率の低下につながる。
- データの品質が向上し、正確な分析・判断が可能になる。
- コンプライアンスが強化され、リスク管理が容易になる。
- ユーザの課題を正確に把握し、適切な対策を講じる。
- 業務フローに適したシステム設計を行う。
- アクセシビリティを向上させ、すべてのユーザにとって使いやすい設計にする。
- PDCAサイクルを導入し、継続的な改善を実施する。
- 導入後のサポートを充実させ、システムの最適化を図る。
- 具体的な目標を設定し、UX改善の目的を明確にする。
- ユーザヒアリングを実施し、実際のニーズを反映させる。
- UX設計に強みを持つ開発会社を選定する。
- 適切なコストと納期のバランスを考慮しながら開発を進める。
- システム導入後も継続的な改善を行い、最適なUXを維持する。
業務システムのUX改善は、業務の効率化や従業員の生産性向上に直結する重要な要素です。
UX改善に強みを持つシステム開発会社を選定し、適切なサポートを受けながら進めることで、業務効率を最大化し、企業の成長を加速させることが可能となるでしょう。

株式会社ブリエ代表取締役。Webデザイン、WordPress、Elementor、DTPデザイン、カメラマンなどを経て、FileMakerエンジニアとなる。企業の経営課題であるDX化、業務効率化、ペーパーレス化、情報の一元管理など、ビジネスニーズの変化に合わせてFileMakerで業務システムを開発し、柔軟に拡張して解決いたします。