FileMakerエンジニア
Briller FileMaker Laboratory(BFL)も今回で12回目!
BFLは月刊なので1年間が続いたことになります。
ここまで来れたのも記事を見てくれる皆様のご愛顧あってのことなので感謝に堪えません。
書き始めた頃はネタが続いていくか不安でしたが、FileMaker(ファイルメーカー)の可能性はまだまだこんなものではないと思い知らされました。
そのようなBFLですが、1年間が経ち、区切りとしても丁度いい頃合いなので、別の新しいシリーズに挑戦してみようかと思います
題してBriller FileMaker Laboratory : Zero(BFL:0)!
これまでのBFLはFileMakerの知識があることが前提の内容でしたが、BFL:0では初心に帰り、FileMakerの基本的な機能に関する内容の掘り下げを中心に行っていきます。
私自身がこの1年でわかったことですが、FileMakerの基本的な仕組みや動作で知らなかったことがまだまだありました。
初心忘るべからずとあるように、ふとした時に振り返れる機会というのはとても重要です。
ですので、FileMakerの初歩的な仕組みを改めて知ることで、より触れやすく、より理解が深まるのではないかと思いました。
そんなわけでこれから始まる新シリーズBFL:0をどうぞよろしくお願いします!
目次
テーマ
BFL:0の最初のテーマは「データベースソフトの長所・短所の調査」です!
言わずもがなFileMakerはデータの管理を行うデータベースソフトです。
そこから!?と思われるかもしれませんが、結構大事なところではないかと思ってます。
そもそもデータベースとは何かと説明を求められた際に、データベースを利用したことがあれば、できることのおおよその説明はできると思います。
しかしなぜデータベースがよいのか、表計算ソフトではダメなのかといった、それらの理由についてしっかり調べたことはあまりありませんでした。
今一度、データベースというものについて触れていき、その仕組みや推奨する理由を紐解いていきたいと思いますのでよろしくお願いします。
データベースについて
データベースを簡単に説明すると「必要な情報を、整理して、すぐに取り出せるようにした情報の倉庫」のことです。
後述の表計算ソフト(Microsoft Excel、Google スプレッドシート等)は学校の授業やパソコン教室で習ったりと触れる機会がそれなりにあるのに対し、一般的にデータベースソフトはあまり触れられることはないと思います。
しかしながら世の中のデータの管理はそのほとんどがデータベースという概念によって行われており、私たちの生活の根幹を支えるのに必要な技術となっております。
データベースの主な機能は以下の4つです。
・登録:新しいデータを追加する。
・検索:条件を指定して必要なデータを探す。
・更新:既存データを修正する。
・削除:不要になったデータを消す。
これらを安全かつ効率的に処理するためのソフトウェアをデータベース管理システム(DBMS:Database Management System)と呼びます。
表計算ソフトについて
データベースソフトとよく比較して挙げられるのが表計算ソフトです。
こちらはご存じの方も多いと思われますが、表計算ソフトは数字や文字を「表(シート)」に入力し、「計算・集計・分析・グラフ化」などを行うためのソフトウェアです。
概念としてはデータベースに通ずるところはありますが、実際のところ用途はかなり違います。
表計算ソフトの主な機能として以下のものが挙げられます。
・計算:足し算・平均・割合などを数式で自動計算。
・集計:ピボットテーブルでデータを要約・分析。
・可視化:グラフやチャートでデータを見やすく表示。
・書式設定:見出しや色付けで表を整理・見やすく装飾。
・関数利用:SUM、IF、VLOOKUPなどで自動処理。
データの管理に特化しているデータベースとは違い、計算処理や視覚サポートに対して重きが置かれているため、非常にユーザーライクな設計がされております。
調査内容
ここからはテーマに書いた通り、データベースソフト(FileMaker)の長所と短所を調べていきます。
またそれに加え、表計算ソフト(Microsoft Excel)の長所と短所も記載し、比較をまとめていきます。
データベースソフト(FileMaker)の特徴
・データの一元管理が可能
顧客情報、在庫、売上などを一つのシステムで統合。
重複や整合性の問題を自動的に防げる。
・複数ユーザーで同時利用できる
サーバー上で共有でき、リアルタイムでデータ更新が可能。
・業務に合わせて柔軟にカスタマイズできる
ノーコード・ローコードで画面設計や処理を自由に作成。
変更や拡張も簡単に行える。
・外部サービスとの連携が容易
Webサイト・会計ソフト・APIなどとスムーズに連携できる。
・表計算ソフトより導入コストが高い
ソフトウェアライセンスや別途サーバー構築費用が必要。
・初期設計に知識が必要
データ構造を正しく設計しないと、後々の修正が大変になりやすい。
・表計算ソフトのような自由な編集には向かない
一時的な試算や自由なグラフ作成は、表計算ソフトの方が手軽にできる。
表計算ソフト(Microsoft Excel)の特徴
・手軽に使える
広く普及しており、誰でもすぐに扱える。
数式やグラフ機能が充実しており、集計や分析が容易。
・コストが安い
ライセンスを購入すれば、追加コストはほぼかからない。
・個人、小規模で完結できる
小規模なデータ管理や、一人での作業には最適。
・データの一貫性が保ちにくい
同じデータを複数のファイルで管理してしまい、整合性が崩れやすい。
・複数人での同時編集に弱い
ファイル共有による上書き事故や、更新ミスが発生しやすい。
・データ量が増えると重くなる
数万件を超えるデータを扱うと動作が遅くなり、管理が困難になる。
データベースソフトと表計算ソフトの比較
| 内容 | データベースソフト | 表計算ソフト |
|---|---|---|
| 目的 | データの「構造的に管理・共有」 | データの「計算・分析」 |
| データの扱い方 | 複数のテーブル(顧客・商品など)を関連付けて一元管理 | 1つの表にまとめて管理 |
| 操作性 | 専用の画面やフォームで入力・検索・編集が可能 | セルに直接入力して編集・計算 |
| 同時利用 | 複数人がリアルタイムで同時編集できる | 同時編集に弱く、上書きミスが発生しやすい |
| データ量への強さ | 数十万件以上のデータも安定して管理可能 | 数万件を超えると動作が遅くなる |
| 拡張性・カスタマイズ性 | ノーコードで画面・機能を自由に設計できる | 関数やマクロで一定の自動化は可能 |
| データの整合性 | 入力ルールやリレーションで整合性を保てる | 手入力ミスや重複が起こりやすい |
| レポート出力 | 帳票・グラフ・レポートを自動生成可能 | グラフや集計は得意だが手作業が多い |
| 外部連携 | Web・API・他システムと連携しやすい | 連携は限定的(プログラミングの知識が必要) |
| 導入コスト | ライセンス・サーバー費用が必要 | データベースソフトに比べ、低コスト |
| 導入難易度 | データ設計の知識が多少必要 | 初心者でもすぐに使い始められる |
| 適している業務 | 顧客管理・在庫管理・受注処理など、業務システム構築 | 集計・分析・見積書作成など、個人または少人数作業 |
まとめ
データベースソフトと表計算ソフト違いについて、言われてみるとその通りという内容ですが、実際に言語化し書き出してみると、これだけの違いがあるということを思い知らされました。
基本的にはスターターとしては表計算ソフトで運用・管理を行っていき、規模が拡大して以下の条件になった際にデータベースソフトを検討するといった感じになりそうです。
・同じ情報を個人から複数人で管理するようになったとき
・管理するデータの量が数十万件以上となったとき
・複数の外部システムとの連携が必要になったとき
・表計算ソフトの機能だけでは作れないような専用の仕組みが必要なとき
規模の大小に関わらず、日々の業務を円滑にこなしていくには、業務の仕組みの見直しとオートメーションは必須と言っても過言ではありません。
しかしながら与えられた業務をこなす傍らで、それ以外の作業も並行して行うというのは並大抵の労力では叶わないものです。
そんなときにこそ、私たちのようなシステム開発を専門とするプロフェッショナルが、お力添えさせていただくことができますので、データベースソフトについて興味を持たれた方は、是非右隣にある資料ダウンロードやお問い合わせをご利用ください。
以上が【BFL vol.12】FileMakerのようなデータベースソフトの長所・短所を調べてみたの調査となります。
ここまで読んでくださって誠にありがとうございました。また次回のBFLもお楽しみに!
株式会社ブリエFileMakerエンジニア。ローコード開発を筆頭にプロコードからフロントエンドまで、多種多様な開発経験を活かしたフットワークの軽さが自慢のオールラウンダー。より便利に、より使いやすいUI/UXデザインをモットーに、新しい分野にも積極的に挑戦することで、あらゆるニーズに柔軟に対応できるよう、日々勉強を続けております。








