
FileMakerエンジニア

ふとHDDやSSDのといったストレージの容量が年々どれぐらいのペースで増えているかAIに聞いてみたところ、2、3年でHDDは2~4TB、SSDは4~8TBほどのペースで増えていると打ち出してくれました。
年々増える容量を見ては、容量が少なかった時代に思いを馳せることもしばしばですが、技術の進歩によって享受される恩恵の素晴らしさには頭が上がりません。
長年の積み重ねが結果として現れるようにBriller FileMaker Laboratory(BFL)も少しずつですが歩みを止めずに、いつか大きな形として残るようになりたいですね。
目次
テーマ
今回のテーマは「レコードのファイルサイズの調査」です!
前置きにも挙げましたが、年々ストレージの容量は増加の一途を辿っておりますが、それでも決して無限に容量があるわけではありません。
FileMaker(ファイルメーカー)ではテーブルごとのレコードの数はファイルの耐用期間全体で6京4000兆できるそうですが、おそらく上限到達する前に容量が足りなくなると思います。
では具体的にどれだけのレコードを作成することできるのか。
ファイルサイズの仕組みを理解し、容量を抑えることができれば、大きなストレージの用意も必要なく、ファイルコピーや転送も速やかに行うことができるなど、メリットも多くあります。
設計の段階で取り扱うデータやサイズがわかっていれば、それから試算することも可能になると思いますので、FileMakerのレコードのファイルサイズが気になる方は是非とも記事を見ていってください。
ファイルサイズについて
コンピュータに携わる職業でなくとも、電子機器や通信サービスなどでバイト(byte)で表されたサイズ情報を日常生活で目にすることは珍しくありません。
【日常で見かけるバイト表記】
・KB:キロバイト(バイトの1000倍)
・MB:メガバイト(キロバイトの1000倍)
・GB:ギガバイト(メガバイトの1000倍)
・TB:テラバイト(ギガバイトの1000倍)
ファイルサイズはバイトという単位で表現され、1バイトにつき8ビット(bit)、ビットはコンピュータが扱う最小の情報単位として構成されています。
今回の調査ではバイトを確認するだけなのでビットに関する説明は割愛させていただきます。
FileMakerによって作成されるファイルもコンピュータにおける情報には変わりありません。
環境
検証するにあたっての環境を紹介します。
ソフトウェア:FileMaker Pro 21.1.1.41
OS:Windows 11 Pro(24H2)
検証方法
ファイルの準備
まずは下図のようなファイルを用意します。
フィールドは作成せず、全てデフォルトの状態で表形式となっております。


最初に作成したファイルを一度閉じ、ファイルを複製します。
複製したファイルはそれぞれ下記内容に沿ってレコードやフィールドを追加します。
・bfl11_1:1000レコード追加
・bfl11_2:10フィールド追加
・bfl11_3:1000レコード&10フィールド追加
検証内容
作成したファイルのファイルサイズをプロパティから確認します。

複製した各ファイルのファイルサイズと複製元のファイルサイズと差で、レコードのファイルサイズを確認します。
検証結果
ファイル名 (内容) | ファイルサイズ (バイト) | デフォルトとの差 (バイト) |
bfl11(デフォルト) | 221,184 | – |
bfl11_1(1000レコード追加) | 229,376 | 8,192 |
bfl11_2(10フィールド追加) | 229,376 | 8,192 |
bfl11_3(1000レコード&10フィールド追加) | 241,664 | 20,480 |
まとめ
検証して初めて気づきましたが、FileMakerのファイルはテキストのように半角1文字追加すると1バイト増えるといったものではなく、ある程度の容量領域を確保し、内容が一定量超えると4,096バイトずつサイズを増やすといった仕様でした。
ファイルサイズは4,096の倍数で構成されており、1レコードや1フィールドを追加してもファイルサイズに変化はないようです。
今回検証したファイルサイズ差で、おおよそ1レコードが8.192バイト、1フィールドが819.2バイト分と考えれなくもないですが、レコードとフィールドを組み合わせたものでは、1レコード1フィールドで2.048バイトになってしまうので、単純な縦横の乗算では測りきれないものということがわかりました。
ひとまず1,000レコードで8,192バイトと考えた場合、500GB(536,870,912,000バイト)のストレージだと単純計算で655億3600万レコードの作成が可能です。
もちろん理論値なので、現実では実入力データや他の設定などもあればこれほどのレコードを用意することはできないと思います。
しかしながらある程度の指標がわかったことも事実ですので、今後の設計の際の参考程度に覚えておけば、サーバーのストレージサイズを決めるときなどに役に立つこともあるかもしれませんね。
以上が【BFL vol.11】FileMakerのレコードのファイルサイズを調べてみたの検証となります。
ここまで読んでくださって誠にありがとうございました。また次回のBFLもお楽しみに!
また、株式会社ブリエでは、FileMakerを活用したシステム開発や運用支援を行っています。
ファイルサイズにも気を配る必要のある開発のご相談もお気軽にお問い合わせください。

株式会社ブリエFileMakerエンジニア。ローコード開発を筆頭にプロコードからフロントエンドまで、多種多様な開発経験を活かしたフットワークの軽さが自慢のオールラウンダー。より便利に、より使いやすいUI/UXデザインをモットーに、新しい分野にも積極的に挑戦することで、あらゆるニーズに柔軟に対応できるよう、日々勉強を続けております。