
FileMakerエンジニア

営業活動において「属人化」「情報の分断」「非効率な業務フロー」などの課題を抱えている企業は少なくありません。
デジタル化の波が加速するなか、これらの課題を放置することは、競合との差を広げられる一因にもなり得ます。
そんな中注目されているのが、「営業DX化」です。
- 名刺やExcel管理の顧客情報を、CRMで一元管理・共有
- 手書き日報からSFAへの移行で商談進捗を見える化
- MAツールによる見込み顧客の自動スコアリングと育成
- スマホからの営業報告やオンライン商談による業務効率化
単なるツール導入や業務のデジタル移行ではなく、営業のあり方そのものを見直し、成果に直結する仕組みへと再構築するのがDX化の目的です。
- 営業DX化の基本的な考え方と取り組み内容
- DX化によって得られる具体的な効果
- 導入に必要なシステムやツールの種類と活用方法
- 営業DXを成功に導くためのステップとポイント
- 信頼できるシステム開発会社の選び方
本記事では、営業DX化の基礎知識から、導入による具体的な効果、必要なツールの活用法、成功事例、進め方のステップ、そしてパートナー選定のポイントまでを網羅的に解説します。
営業の変革に向けて一歩を踏み出しましょう。
目次
1. 営業DX化とは?

営業DX化とは、デジタル技術を用いて営業プロセス全体を抜本的に改革し、業務の効率化・高度化・可視化を実現する取り組みです。
営業DXは紙の名刺管理をExcelに移す程度の単なるデジタル化とは異なり、営業戦略そのものを再設計し、成果につながる「仕組み」へと再構築することを目的としています。
具体的な営業DXの取り組みには、以下のようなものが含まれます。
- 名刺やExcelで管理されていた顧客情報を一元化し、チームでリアルタイムに共有する
- 口頭や紙の日報で管理されていた商談状況を見える化し、即座に把握・指導可能にする
- 経験と勘に頼っていた提案を、MAツールやBIツールによるデータ分析をもとに構築
- 属人的な営業活動を標準化・仕組み化し、誰でも再現可能なプロセスにする
また、ツールの導入やシステムの活用をすれば解決するものでもありません。
営業組織全体の働き方・文化を変える変革プロジェクトなのです。
業務の効率化にとどまらず、「営業の再現性向上」「売上機会の最大化」「競争力の強化」など、企業の成長戦略を支える重要な取り組みとして注目されています。
2. 営業DX化による効果

営業DX化を進めることで、営業現場の生産性が飛躍的に向上するだけでなく、経営判断のスピードや精度も格段に高まります。
- 顧客情報の一元管理と活用の高度化
- 営業活動の可視化と生産性向上
- 顧客ニーズに応じた提案力強化
- 属人化脱却と組織営業力の底上げ
- リアルタイムな経営判断への貢献
ここでは具体的な効果を詳しく解説します。
2.1. 顧客情報の一元管理と活用の高度化
従来は営業担当者ごとに名刺やExcelで顧客管理を行っていたため、情報が属人化し、引き継ぎミスや対応漏れが頻発していました。
顧客情報の管理にシステムを導入すれば、電話やメール、商談履歴、資料送付状況などをすべて一元管理できます。
ある製造業では、営業部門全体でシステムを活用するようになったことで、取引先とのトラブルが激減し、解約率が改善。
加えて、購買履歴や商談頻度をもとに「購買傾向のある企業リスト」を抽出し、重点フォロー先を明確化できるようになりました。
2.2. 営業活動の可視化と生産性向上
営業支援システムを導入することで、訪問・提案・契約などの各営業担当の活動状況や進捗状況がタイムライン形式で可視化されます。
これにより、マネージャーはタイムリーに指導やリカバリーが可能となり、「報告を受けてから対処」ではなく「兆候が出た時点で動ける」マネジメントに変わります。
IT企業A社ではシステム導入後、商談停滞のボトルネックが早期に発見されるようになり、月の失注件数が半数に減少しました。
2.3. 顧客ニーズに応じた提案力強化
営業担当が収集する情報だけでは把握しきれなかった潜在的なニーズやタイミングも、システムやツールの活用で可視化できるようになります。
たとえば「製品ページを何度も見ているが、問い合わせには至っていないユーザ」などを自動で抽出し、的確なフォローが可能になるなどです。
建設資材を扱う企業では、分析ツールを使用してアクセスデータと問い合わせ履歴を分析した結果、ある地域の中小企業からのニーズに気づき、特化型キャンペーンを実施。
結果、キャンペーン経由の受注が前年と比べて大きく増加となりました。
2.4. 属人化脱却と組織営業力の底上げ
経験豊富なベテラン営業の暗黙知をナレッジ化し、誰もが同じレベルの営業活動を再現できる環境を整えるのも営業DX化の大きな価値です。
SFAやCRMの活用により、訪問内容・商談内容・提案書のひな形などを共有し、チーム全体で成果を出す土台が構築されます。
ある保険代理店では、ベテランが使っていたクロージングトークをマニュアル化してシステムに組み込んだところ、新人の契約率が大幅に上昇。
「ベテラン頼み」から「チーム全体の営業力」への転換が実現しました。
2.5. リアルタイムな経営判断への貢献 げ
営業DXによって、営業現場から吸い上げられたデータがリアルタイムで可視化されるようになれば、経営層の意思決定が迅速化します。
見込み案件の件数、ステータス、確度などをもとに数値ベースの売上予測が可能となり、人員配置やキャンペーン計画などの策定も柔軟に対応できるでしょう。
飲食チェーン企業では、全店の営業データを一元化・可視化したことで、繁忙期の仕入れ量と営業フォローの調整を事前に行えるようになり、在庫ロスを大幅に削減。
営業現場と経営層の連携が強化されました。
3.営業DX化に必要なシステムやツールと活用方法

営業DX化を成功させるには、目的や課題に応じた最適なシステムやツールの導入・活用が不可欠です。
重要なのは、単にツールを導入することではなく、「どの課題を、どの機能で、どのように解決するか」という視点を持つことです。
- 顧客管理システム(CRM)による顧客情報の一元化
- 営業支援システム(SFA)による営業プロセスの効率化
- マーケティングオートメーション(MA)との連携によるリード育成強化
- データ連携・分析基盤(BIツール)によるデータ活用の高度化
- モバイル対応・リモート営業支援ツールによる働き方の柔軟化
ここでは代表的なツールと、それぞれの機能、活用シーン、期待される成果について解説します。
3.1. 顧客管理システム(CRM)による顧客情報の一元化
CRM(Customer Relationship Management)は、営業活動の中心となる顧客情報を一元管理・活用するためのシステムです。
会社名、担当者名、過去の商談履歴、問い合わせ対応履歴、購買履歴など、あらゆる情報を顧客ごとに蓄積できます。
- 初回訪問時に過去のクレーム内容を参照し、適切な対応につなげる
- リピート率が高い顧客リストを抽出して優先的にアプローチ
- 休眠顧客のリストアップと再提案のトリガーとして活用
CRMを他のシステムと連携することで、リードの育成から成約、アフターフォローまでを一貫して管理できるようにすれば、営業プロセス全体の質はさらに高まります。
3.2. 営業支援システム(SFA)による営業プロセスの効率化
SFA(Sales Force Automation)は、営業活動を見える化し、営業担当者の行動を効率的にマネジメントするシステムです。
日報・訪問記録・商談のステータス・アプローチ履歴などをリアルタイムに記録したり共有したりできます。
- 商談の進捗ステータスを「新規接触→ヒアリング→提案→クロージング→受注」で管理
- 毎週の営業会議でダッシュボードをもとに案件の優先順位を判断
- 放置案件を自動抽出し、アラート通知でフォロー漏れを防止
属人化していた営業活動が可視化されることで、再現性のある営業体制の構築が可能になり、新人教育や目標達成にもつながります。
3.3. マーケティングオートメーション(MA)との連携によるリード育成強化
MA(Marketing Automation)は、見込み顧客の興味や行動をトラッキングし、自動で最適なタイミング・方法でアプローチするツールです。
興味を持っているがまだ問い合わせしていない潜在顧客を育成する上で強力な武器になります。
- 資料請求をした顧客に対し、自動でステップメールを配信
- 「料金ページを3回以上閲覧」などのスコア条件を満たしたリードを営業部に引き渡し
- セミナー参加者にお礼メール+関連製品紹介を自動送信
SFAやCRMと連携すれば、営業部門が確度の高いホットリードに集中でき、営業効率が劇的に向上します。
3.4. データ連携・分析基盤(BIツール)によるデータ活用の高度化
BIツール(Business Intelligence)は、CRMやSFA、基幹システムに蓄積されたデータを横断的に集計・分析し、営業戦略や経営判断に活かすための可視化ツールです。
データを見える化することで、直感ではなく根拠ある判断が可能になります
- 月ごとの売上推移や成約率の分析ダッシュボードを作成
- 地域別・業種別・製品別の案件成約傾向を可視化し、ターゲットを最適化
- KPI未達メンバーの行動ログから原因分析を実施
データに基づく判断が習慣化されることで、営業組織全体のPDCAサイクルが高速化し、継続的な成果創出につながります。
3.5. モバイル対応・リモート営業支援ツールによる働き方の柔軟化
営業現場では、外出中やリモートワーク中でもシームレスに業務を遂行できる環境整備が不可欠です。
モバイル対応のCRM/SFAや、ビデオ会議、チャットツールなどを併用することで、働く場所を問わず営業活動を続けられる仕組みが整います。
- 外出先からスマートフォンで商談内容をリアルタイムに報告
- 社内チャットしながら提案資料をクラウド共有
- オンライン商談に即時参加し、録画してナレッジ化
これにより、移動時間の削減や報告のリアルタイム化が進み、柔軟な働き方と高い営業生産性の両立が可能になります。
特に非対面営業が主流になりつつある昨今、こうしたツールは営業DXの加速に欠かせません。
4. 営業DX化の具体例

営業DX化は抽象的な概念にとどまらず、現場での実践によって具体的な成果を生み出します。
- 顧客管理の自動化による営業リード獲得
- SFA導入による営業活動の進捗管理
- MAツール活用による見込み客育成
- モバイル営業ツールで外出先からリアルタイム商談報告
ここでは、実際の現場でよく見られる営業DX化の事例を4つ紹介し、どのような効果が得られるのかを解説します。
4.1. 顧客管理の自動化による営業リード獲得
顧客情報の管理がバラバラであることによって、対応の抜け漏れや初動の遅れが発生することがあります。
日々の業務での中で、従来の管理方法に限界を感じることも少なくありません
IT機器販売会社A社では、Excelを使った顧客管理を長年続けており、営業担当ごとのファイルが乱立。
担当者以外が顧客情報を確認できないため、リードへの初動が遅れ、営業チャンスのロスが常態化していました。
CRM(顧客管理システム)を導入し、Webサイトの資料請求フォームやイベント申し込みフォームと連携。
問い合わせがあると自動でCRMに情報が登録され、営業メンバーに通知が届く仕組みを構築しました。
問い合わせ対応に1~2営業日かかっていたところが当日中に完了できるようなり、問い合わせから初回商談までのリードタイムが短縮され、商談化率が大幅に向上しました。
4.2. SFA導入による営業活動の進捗管理
営業活動の進捗が把握できなければ、適切なマネジメントはできません。
個々の営業担当の動きが見えづらく、管理やフォローが後手に回ってしまうケースも多く見られます。
製造業B社では、営業担当者が日報を手書きで提出しており、商談の進捗状況がブラックボックス化。
案件の停滞や失注原因の把握が後手に回っていたため、マネジメント層も効果的な指導ができない状況でした。
SFA(営業支援システム)を導入し、営業活動の進捗・ステータス・商談内容をリアルタイムで記録・可視化。初回訪問や見積提出、クロージングなどの案件ごとにフェーズを設定し、営業全体の動きをチームで管理。
案件の進捗ボトルネックが早期に発見できるようになり、マネージャーのフォローアップ率が向上しました。
結果として、停滞案件の失注率が改善し、営業会議の質も「報告型」から「改善型」へと変化しています。
4.3. MAツール活用による見込み客育成
見込み客が多く集まっても、適切なタイミングでアプローチできなければ、商談につながりません。
営業リソースが限られる中で、「今動くべき相手」を見極める仕組みが必要になります。
Webマーケティング企業C社では、セミナーや資料請求で集まったリードに対するフォローが属人的で、温度感の高い見込み客を営業が見逃してしまうケースが多数発生していました。
MAツールを導入し、Web行動(閲覧ページ・訪問頻度・滞在時間など)やメール開封履歴に応じたスコアリング機能を活用。
一定のスコアに達したリードは、自動で営業担当に通知されるフローを構築しました。
これまで埋もれていたリードが発掘され、営業が「今、買いたい顧客」に集中できるように。
スコアリング経由のアプローチでの商談化率と成約率が向上しました。
4.4. モバイル営業ツールで外出先からリアルタイム商談報告
外出先での営業活動では、報告が遅れがちになり、情報共有にタイムラグが生じやすくなります。
リアルタイムな報告とフィードバックができる仕組みは、営業の質とスピード向上のためには欠かせません。
食品卸売会社D社では、外回りの営業担当が帰社後に1日分の報告書をまとめるというアナログ業務が常態化。
これにより情報共有が遅れ、上司のフィードバックやサポートが翌日以降になるなど、営業スピードの鈍化が課題でした。
モバイル対応の営業支援アプリを導入し、商談終了直後にスマートフォンから報告を入力・共有可能な体制を整備。
また、アプリには商談メモの音声入力機能を搭載し、移動中でも報告作業が可能に。
営業報告の即時性が大幅に向上し、上司からのフィードバックも平均で半日早まる結果に。
その結果、案件フォローのスピードが上がり、顧客満足度アンケートのスコアが向上しました。
5. 営業DX化の進め方

営業DX化は一朝一夕に実現できるものではなく、明確なステップを踏みながら段階的に取り組む必要があります。
- 現状分析と課題整理
- 営業プロセスとデジタル要件の整理
- システム選定・開発計画の策定
- 段階的導入と効果検証
- 現場定着・継続改善の推進
ここでは、営業DXを効果的に推進するためのステップを紹介します。
5.1. 現状分析と課題整理
まず取り組むべきは、現在の営業業務を客観的に把握し、どこに課題があるのかを明確にすることです。
営業フローのどの部分にムダや非効率があるのか、情報共有にどんな問題があるのか、属人化がどの程度深刻なのかなど、現場の実情を細かく洗い出します。
この段階では、営業担当者へのヒアリングやアンケート、過去の商談データの分析などを通じて、多角的に実態を把握することが大切です。
漠然と「デジタル化したい」ではなく、「何のためにDX化するのか」と「何を変えるのか」をセットで捉えることが、後の判断軸になります。
5.2. 営業プロセスとデジタル要件の整理
続いて、営業活動の各プロセスを分解し、それぞれの工程でどのようなデジタル化が必要かを整理します。
たとえば、「名刺管理」「リード管理」「日報作成」「案件進捗の共有」など、日常的な業務に対して一つずつ改善の方向性を検討していきます。
この際、現場の実務とかけ離れたシステム設計にならないように注意が必要です。
理想論ではなく、実務とのすり合わせを重視した設計が、定着と活用のカギとなります。
また、要件整理の段階から現場の声を反映させることで、後工程での混乱を防ぐことができます。
5.3. システム選定・開発計画の策定
業務フローと必要な要件が明確になったら、それを実現できるシステムやツールを選定します。
市販のクラウド型CRMやSFAを導入するケースが一般的ですが、自社独自の業務に合わせたカスタマイズが必要であれば、スクラッチ開発や拡張性の高いツールの検討も必要です。
ここでは、導入スケジュール・社内教育・コスト・サポート体制なども含めた現実的な計画立案が求められます。
「どのツールを選ぶか」だけでなく、誰がいつからどのように使い始めるか、導入後どうフォローするかといった全体設計をあらかじめ組み立てておくことが、スムーズな導入を左右します。
5.4. 段階的導入と効果検証
営業DXは、いきなり全社展開せず、小規模なトライアルから始めるのが基本です。
まずは一部の部署やチームで導入し、実際の現場でどう活用されるかを検証しましょう。
課題や改善点を洗い出したうえで、順次対象範囲を広げていきます。
このプロセスでは、あらかじめ設定した商談化率や入力率、リードタイム短縮などのKPIをもとに、数値で効果を測定することが重要です。
段階導入によって、現場の混乱を最小限に抑えるだけでなく、成功事例や活用ノウハウを蓄積し、全社展開の際の土台とすることができます。
5.5. 現場定着・継続改善の推進
ツールを導入しただけでは、営業DXは完成しません。
実際に現場で使いこなされ、定着することこそが本当のスタートです。
定着のためには、操作マニュアルの整備や定期的なトレーニング、社内FAQの構築、ヘルプデスクの設置など、継続的な支援体制が欠かせません。
加えて、運用を続ける中で出てきた課題や使いづらさを放置せず、PDCAを回しながら改善を重ねていくことが成果の持続につながります。
経営層、IT部門、営業部門が連携し、「導入して終わり」ではなく「活用し続ける文化」をつくることが、営業DXを成功に導くカギとなります。
6. 営業DX化を成功させるためのポイント

営業DX化を成功させるには、単にシステムを導入するだけでは不十分です。
自社に適した設計・運用体制・現場の巻き込みなど、多角的な取り組みが求められます。
- 現状課題の見える化とゴール設定
- 業務プロセス全体の再設計
- 現場主体のDX推進体制の構築
- システム・ツール導入の選定基準
- 運用定着を見据えたトレーニングとサポート設計
- システム開発会社からのサポートを受ける
ここでは、営業DX化を成果につなげるために押さえるべき重要なポイントを解説します。
6.1. 現状課題の見える化とゴール設定
最初に重要なのは、自社の営業活動にどのような課題があるのかを「見える化」することです。
併せて、DX化の目的を明確にし、「受注率の向上」「営業リードの育成効率化」「報告業務の省力化」など、定量的なゴールを設定することで、導入後の効果測定が可能になります。
目的と手段が一致していないと、DX化が形骸化するリスクが高まります。
6.2. 業務プロセス全体の再設計
DX化は、従来の業務フローをそのままシステム化するものではありません。
むしろ、業務そのものをデジタルに最適化する視点が求められます。
アナログ前提のプロセスや非効率な手順は、この機会に根本から見直しましょう。
たとえば、日報提出が紙やExcelベースの場合、入力の簡略化・自動集計を前提にした設計に変える必要があります。
6.3. 現場主体のDX推進体制の構築
営業DXを成功させるには、現場の理解と協力が不可欠です。
経営層だけで進めるのではなく、現場の営業担当やマネージャーを巻き込んだプロジェクトチームを結成し、現場の課題感や要望を反映しながら進める体制を整えましょう。
現場主導の改善提案やフィードバックを促すことで、DXに対する納得感と当事者意識が高まり、運用定着がスムーズになります。
6.4. システム・ツール導入の選定基準
営業DXに必要なツールは多岐にわたりますが、「有名だから」「価格が安いから」といった理由だけで選ぶのは危険です。
自社の業務要件にフィットしているか、拡張性やカスタマイズ性があるか、既存システムとの連携が可能かといった観点から総合的に判断しましょう。
また、UI/UXの使いやすさや、導入後のサポート体制なども選定時の重要なチェックポイントです。
6.5. 運用定着を見据えたトレーニングとサポート設計
どれだけ高機能なシステムでも、現場が使いこなせなければ意味がありません。
導入初期には操作説明会やトレーニングを実施し、習熟度に応じた教育体制を用意することが重要です。
あわせて、マニュアル整備、FAQの作成、ヘルプデスクの設置など、運用後のサポート体制を事前に整備しておくことで、定着率と継続活用率が向上します。
6.6. システム開発会社からのサポートを受ける
営業DXはシステム導入・構築の専門知識が必要となるため、外部のシステム開発会社の力を借りることも効果的です。
自社の課題に合わせたシステム提案や設計支援、カスタマイズ、導入後のフォローまで対応してくれるパートナーを選ぶことで、プロジェクトの成功確度が高まります。
特に中小企業やIT部門のリソースが限られている企業では、信頼できるシステム開発会社の存在がDX推進のカギとなるでしょう。
7. 営業DX化に強いシステム開発会社を選ぶポイント

営業DXを成功させるうえで、システム開発会社の選定は極めて重要です。
開発スキルはもちろんのこと、自社の営業業務を理解し、最適な提案と支援ができるパートナーでなければ、導入後の成果につながりません。
- 営業領域の業務理解力
- カスタマイズ対応力・柔軟性
- 運用定着まで伴走できるサポート体制
- セキュリティ対策と拡張性のある開発実績
- 成功事例や導入実績の豊富さ
ここでは、営業DXに強い開発会社を見極めるためのポイントを詳しく解説します。
7.1. 営業領域の業務理解力
営業DX化には、業務フローや営業組織の特性を理解したうえでのシステム設計が求められます。
そのため、開発会社が営業プロセスに精通しているかどうかは非常に重要です。
ヒアリング時に、営業活動の課題や商談管理の悩みに対して具体的な改善提案ができるか、業務フローを描きながら議論できるかを確認しましょう。
単なる「開発業者」ではなく、「業務改革のパートナー」としての視点を持っているかが判断基準です。

- 営業現場の課題に対する理解と改善提案があるか
- ヒアリング時に業務フロー図を用いた会話ができるか
- 自社と似た営業業態への対応経験があるか
7.2. カスタマイズ対応力・柔軟性
既存のパッケージツールをそのまま導入してもうまくいかないケースは少なくありません。
営業スタイルや組織構造に合わせて、機能の追加・変更・連携などを柔軟に対応できる開発力と体制を持っているかも選定のポイントです。
また、要件変更があった場合でも、迅速に対応できる柔軟性や、長期的な保守・アップデートに応じてもらえるかも確認しておくと安心です。

- カスタマイズ実績や対応方針が明示されているか
- 要件変更に柔軟に対応する体制があるか
- 保守・運用フェーズでの契約内容が明確か
7.3. 運用定着まで伴走できるサポート体制
営業DX化は、導入後の定着支援が極めて重要です。
操作トレーニング、FAQ作成、現場からの問い合わせ対応、改善提案など、導入後も継続的に支援してくれる体制があるかを確認しましょう。
一過性の導入支援ではなく、「社内にシステムが根付くまで寄り添ってくれるか」が、DX化の成功を左右します。

- 操作マニュアルや研修の提供があるか
- 初期導入後も問い合わせ窓口があるか
- 定期的なフォローアップや改善提案の実績があるか
7.4. セキュリティ対策と拡張性のある開発実績
営業情報は機密性の高いデータが含まれるため、セキュリティ対策が万全であることは絶対条件です。
データ暗号化、アクセス権限管理、バックアップ体制など、安心して使える仕組みがあるかをチェックしましょう。
また、将来的に営業部門以外との連携や新機能追加を視野に入れる場合、システムの拡張性やAPI連携実績も重要な評価軸になります。

- 情報セキュリティポリシーや認証取得状況があるか
- アクセス制御やログ管理の仕組みが整っているか
- 拡張性のある設計や他システムとの連携実績があるか
7.5. 成功事例や導入実績の豊富さ
これまでに営業DX領域でどれだけの導入実績があるか、他社の成功事例を具体的に提示できるかも信頼性を測るうえでの指標となります。
同業他社での導入事例や、似た業務プロセスを持つ企業への対応経験があるかを確認することで、自社のプロジェクトにも応用可能なノウハウを期待できます。
提案時に「どのような課題を、どのように解決してきたか」を具体的に説明できる企業は、実務に即した提案力と経験値を持っているといえるでしょう。

- 営業DX関連の導入実績があるか
- 導入前後の課題・効果を示す事例が紹介できるか
- 担当エンジニアやPMがその事例に関わっているか
8. 営業DX化を実現するなら「ブリエ」

営業DXを成功させるには、現場業務の理解と柔軟なシステム開発力、そして導入から定着まで一貫してサポートできるパートナーの存在が不可欠です。
「ブリエ」は、営業領域に特化した業務理解と、課題解決型のシステム開発を強みとしております。
営業プロセスにフィットするCRM・SFAの提案・設計から、リモート対応やBIツール連携まで、企業ごとのニーズに応じたDX化を支援させていただきます。
- 属人化解消のためのナレッジ共有設計
- MAツールやBIツールとのデータ連携
- モバイル活用による営業フローの最適化
- 営業部門の業務分析とKPI設計支援
- 営業現場の声を反映したカスタマイズ開発
営業DX化を本気で進めたい企業にとって、確かな実績と提案力を兼ね備えた「ブリエ」は、最適なパートナーになるはずです。
まずは無料相談から、ぜひお気軽にお問い合わせください。
9. まとめ
- 営業活動の属人化・情報分断・非効率な業務の放置は、競争力低下の原因に
- DX化によって業務の可視化・標準化・データ活用が可能に
- 紙やExcelに依存した業務では対応スピードに限界がある
- 顧客行動の多様化に対応するには、営業の仕組みごと見直す必要がある
- 顧客情報の一元化で対応精度・スピードが向上
- 営業活動の見える化でマネジメント力アップ
- 提案の質向上・リード育成の効率化
- 経営判断の迅速化・データドリブンな経営基盤構築
- 新人でも成果を出せる営業フローの整備
- 商談履歴・提案書などのナレッジ資産化
- 営業とマーケティングの連携強化による受注率向上
- CRM/SFA/MA/BIなどの連携活用
- モバイル対応による柔軟な働き方の実現
- Webフォームやセミナーとの自動連携によるリード獲得強化
- ダッシュボードによるKPI可視化と早期の課題発見
- 現場主体の運用・改善サイクルの構築
- 導入初期からのトレーニング・マニュアル・FAQ整備
- 営業業務の理解力と提案力があるか
- カスタマイズ・保守・定着支援の体制があるか
- セキュリティ・拡張性・導入実績が豊富か
- 実績事例や定着ノウハウが蓄積されているか
- 開発だけでなく、運用フェーズまで支援してくれるか
営業DX化は一過性の流行ではなく、持続可能な競争力を生む仕組みづくりです。
今こそ、自社に合った体制とパートナーで、営業の未来を再設計しましょう。

株式会社ブリエ代表取締役。Webデザイン、WordPress、Elementor、DTPデザイン、カメラマンなどを経て、FileMakerエンジニアとなる。企業の経営課題であるDX化、業務効率化、ペーパーレス化、情報の一元管理など、ビジネスニーズの変化に合わせてFileMakerで業務システムを開発し、柔軟に拡張して解決いたします。